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渡邊水巴『句集 富士』(青磁社)より

  昭和18年 「曲水」主宰 第5句集   朝顔は水輪のごとし次ぎ次ぎに   波たてずゆく大鯉の寒さかな   氷上にかくも照る星あひふれず   そこら少し片づけしけふ蓮活けぬ   うすものゝ冷りと乳房無き胸に   菊一つ摘みし子兵に送るといふ   みぞれとはやさしき名なり積るかも   海苔掻は他を見ず岩を見て去りぬ   夕焼は映らず白きゆきのした   銀杏落葉掃かれつ照りつ押し移る   橡...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.10.10 Sat 08:30

『続 水巴句帖』(曲水社)より

  昭和4年 「曲水」主宰 第2句集 白日の句がいくつかある。 序で白日に何を見たかが述べられる。   白日の閑けさ覗く余寒かな   耳といふものたのし春の夜の幽か   顔も膝も蔦の羅漢や夏近き   みな去んでもとの一つの蝶々かな   水に見るもの無くて去る袷かな   妹(いもと)瓜を揉むま独りの月夜かな   筍の光り放つてむかれたり   行秋の心明るし宇治の水   ものゝ影皆涅槃なる月夜かな  ...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.10.08 Thu 20:18

『続 立子句集 第1』(青柿堂)より

  昭和22年 「玉藻」主宰 第2句集   序:高浜虚子 序文:佐藤紅緑   手袋に年をかくして夫人かな   寄鍋の大きな瀬戸の蓋を開く   行き過ぎてふり向けば日の紅梅や   春水に漕ぎ出しボート早や彼方   たまたまの家に在る日の庭つゝじ   おもむろに風ひとわたり花菖蒲   もたれ寄るカーテン迄も梅雨じめり   アルパカ黒浴衣の上に雨ゴート   涼しさやとりかこまれて母若し   み...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.10.06 Tue 10:17

第421回 坐忘会 令和8年 神無月句会

JUGEMテーマ:俳句 開催日 : 令和8年10月4日(日) 場  所  : 本部道場 剣道場会議室 参加者 :  14名  先週末、関東も久しぶりの秋晴れとなり、皆さまそれぞれに充実して過ごされた事と思います。  道場のお隣りさんでは、酔芙蓉が気持ち良さそうに風に揺れていました。    先月9月29日、坐忘会会員の石心庵老居士(三浦大元様)が帰寂されました。  故人をしのび、句会の前に 皆で黙祷を捧げました。  会員のお一人が石心庵老居士の句集を持参され、一句一句に込められた...

座禅修行だより | 2026.10.05 Mon 20:43

『立子句集』(青柿堂)より

  昭和21年 「玉藻」主宰 第1句集? 玉藻社の復刊? すべての句に制作年があり、玉藻社から出た1937年までの句のようなので。 序:高浜虚子   子に破魔矢持たせて抱きあげにけり ぶら下るごと月かゝり道凍てぬ いく度も秋篠寺の春しぐれ 雛を見てほかの話をしてをりぬ 昃れば春水の心あともどり 落椿雨に圧されてひとたむろ まゝ事の飯もおさいも土筆かな 見上げゐて風渡りゆく花辛夷 近づけば大きな木瓜の花となる 烈風に花...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.10.01 Thu 21:05

『不器男句集』(吉岡禅寺洞選・天の川遠賀支社)より

  1903-1930 昭和9年 「ホトトギス」「天の川」所属 限定300部 序:吉岡禅寺洞 跋:横山白虹   谷水を撒きてしづむるどんどかな   繭玉に寝ねがての腕あげにけり   永き日のにはとり柵を越えにけり   人入って門のこりたる暮春かな   卒業の兄と来てゐる堤かな   白藤や揺りやみしかばうすみどり   二十五日仙台につく みちはるかなる伊予の我が家をおもへば あなたなる夜雨の葛のあなたかな   みじろ...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.09.29 Tue 18:53

第56回埼玉俳句賞

第56回埼玉俳句賞   準賞受賞作品   眠るまで    金子和美   ぽつねんと月に征服されてをり 泣き黒子ちひさく印す夜長かな 満月の押し上げられて重さうな 月夜茸指先に息吹きかけて 月しづく見ぬちの海の深くまで 追伸を書けば望月なりしかな 相槌を打つそれだけの十三夜 月の雨直せぬ癖のふたつみつ 空っぽになったら眠る耕畝忌 小豆煮る天体図鑑ひらきつつ      

俳句スパイス | 2026.09.29 Tue 16:16

『脚注名句シリーズ?ー1 草間時彦集』(草間文彦編・俳人協会)より

  平成19年 「馬酔木」→「鶴」→無所属   初蝶と見しがたちまち巴なす   ポインセチア愉しき日のみ夫婦和す   畳屋の肘が働く秋日和   まつくらな海がうしろに切子かな   足もとはもうまつくらや秋の暮   熟れ柿を剥くたよりなき刃先かな   甚平や一誌持たねば仰がれず   ほととぎす夜明は旅のこころかな   オムレツが上手に焼けて落葉かな   いつまでも春の暮なる岬かな   ...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.09.28 Mon 20:11

山口誓子『句集 晩刻』(創元社)より

  昭和22年 「天狼」主宰 第7句集   道すがら見し稲扱の手を真似て   銭湯に嫌々来る懐手   藁塚に夜は峯々の退きつ   雪消えし木の間を月の明るうす   かざしては復も春著の袖を見る   猫の恋昴は天にのぼりつめ   砂濱に日あたれば憂き春の風邪   春眠を貪る若さ羨まし   胸板に祭太鼓を打ちこまれ   わが月の筵に女ふたりゐて   百姓も牛も走りて野分だつ   栗の句...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.09.27 Sun 18:13

山口誓子『句集 炎昼』(三省堂)より

  昭和13年 「天狼」主宰 第3句集   初夏まぶし読みがたきまで書を白む   夏つばめ遠き没り日を見つつゐる   蜥蜴照り肺ひこひことひかり吸ふ   巌の間の蜥蜴が魚のかほをする   ダイヴァアが高きに肩の息づける   ピストルがプールの硬き面(も)にひびき   暖房車子の睡(ねむり)さめまたねむる   春暁の勤め一途にゆく足音   夏の河赤き鉄鎖のはし浸る   皇軍の勇武をたたふ 枯野焦げ...

《本の出張買取》奈良・全適堂 店主ブログ | 2026.09.23 Wed 20:32

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