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1984年。「風」同人。 実際にほとんどの句の場所に行っているので、わかるところはある。 尼寺をしのび歩くや白つつじ (中宮寺) み仏に美しきかな冬の塵 (唐招提寺) どんぐりの青空さやぎ落ちにけり 春立てり月光仏の明り窓 (二月堂) 幾度もつまづく木の根万燈籠 (春日大社) たまゆらの一燈つきし万燈会 (〃) けもの等のひそめし息や万燈会 (〃) 十二神将汗のまなこに打ち仰ぐ (新薬師寺) 古寺のしぐれや音をなさずして (元興寺) 藤はさかり或る遠...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.03.20 Wed 23:14
昭和55。 「かつらぎ」同人。第1句集。 前回紹介した第2句集『一卓一花』に続き。 タイトルはまだ東西の壁のあったドイツにちなんで。 最後にドイツの句をまとめて収めています。個人的にはよくわかる句。 第2句集のほうがやはり質が高い気はしますが、処女句集も好きな句が多い。 とくに一軒家の句は投入堂が連想されたのでしょうか。やられた感あり。 吊革にひたひ押しつけ花疲 新涼の壁に珈琲分布地図 牧目ざすわれらを霧の包みけり スキー穿く祈りのごとく膝折りて ときめけ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.03.17 Sun 22:16
1987年。 「かつらぎ」無鑑査推薦作家。第2句集。 かなり共感をもって読ませていただきました。 ヨーロッパに住みたいという思いがあったようで、第1句集はなんと『2つのドイツ』というタイトル。感性が近いのでしょう。次はこの第1句集を読みたいと思います。 もう90歳を優に超えているのでご存命かどうか。 天主像ミモザの丘を統べたまふ 銅像はフロックコート鳥雲に 主峰には雲よせつけず山開き 灼けてゐる河原は仮の駐車場 雪嶺に目を離し得ず珈琲のむ ゴッホの黄ユトリロの白冬籠 いづ...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.03.14 Thu 21:41
俳句ライフ FM Kawaguchi で 紫主宰・山?十生の「俳句ライフ」放送中です。 3月7日放送分より 今週の秀句紹介 風花や私を選んでくれたこと (紫川口句会2月例会 特選句) 今週の十生一句 天 こんこんと水の湧く町のどかなる 睦月 地 夜桜を窓から眺め仕事する サキママ 人 山笑い虫たちの声聞こえてる ひの(小学生) (表記は俳句スパイスによる) FM Kawaguchi 85.6 MHz 放送時間 木曜日 午...
俳句スパイス | 2019.03.14 Thu 09:33
「紫」2019年3月号 龍門集より 疲労困憊ものともせずに滝凍つる 山崎十生 凍滝は平常心を忘れない 年送ることの倖せひとるたま みなでかいハズキルーペの十二月 渡辺まさる 靴のなか指の密着十二月 時間の矢磨きあげたる霜柱 鈴木紀子 裸木になるにそれぞれ自分流 萬葉の人等優雅に薬狩り 関口晃代 蒲生野に額田王のあらわれる 折鶴の黒はピリオド開戦日 若林波留美 燻ぶれる改憲発議冬柳 &...
俳句スパイス | 2019.03.14 Thu 09:33
紫さいたま句会 「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。 毎月第二土曜日、武蔵浦和コミュニティーセンター (JR埼京線武蔵浦和駅西口徒歩二分)で 午後1時から4時30分に開催しています。 各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。 4月は紫全国大会のため、 次回は5月11日(土)です。 山崎十生主宰選 天 陽炎に阿吽の呼吸ありしかな 壽賀子 地 見たくないもの見る勇気朧かな 治子 人 窓側の一番後ろ春隣 摩耶 ...
俳句スパイス | 2019.03.14 Thu 09:33
平成19。 「氷室」同人。第一句集。 孫居らぬ時よく回る風車 駆け寄りし犬に枯野の日の匂ひ 寝ね足りて覚めしふるさと若葉雨 点滴にかひな一本冷え切りぬ 草抜きてちちろの声へ近づきぬ 蓮を見るうしろ姿のうつくしき 禅寺の箒目正し実千両 のどけしや犬を忘れし立話 囀や湖より明くる志賀の里 この石に夜泣き伝説青嵐 枝蛙さわぐな吾は苦吟中 祭馬寄りて人垣たぢろげり この道と定かならねど梅を見に シャッターの上がれば春の花舗なりき 身を丸め咳の発作...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.03.11 Mon 22:00
俳句ライフ FM Kawaguchi で 紫主宰・山?十生の「俳句ライフ」放送中です。 2月29日放送分より 今週の秀句紹介 背に風がふっと久女の忌であった (川口俳句連盟2月例会 特選句) 今週の十生一句 天 冬日向パンダの尾っぽは何色だ マヨマヨネーズ 地 掃除して最後に鏡餅供え 睦月 人 背負子のぬくもりうれし山眠る サキママ (表記は俳句スパイスによる) FM Kawaguchi 85.6 MHz 放送時間 木曜日 午前9時より 再放送...
俳句スパイス | 2019.03.07 Thu 09:08
平成7。 「橡」同人。第1句集。 啄木鳥や珈琲にほふ森の家 山風にかわきておはす甘茶仏 向き違ふ巣箱の口や雪もよひ 朝市や遅れ来し荷の干蝮 秋の鮎青き火をもて焼きにけり 山鳥の尾羽を忘れし雪崩あと 朧夜の米吐く自動販売機 沙羅咲いて一夕灯る奥書院 仔羊の毛も刈りにけり膝に抱き 寒鯉に重たき目蓋ありにけり うすらひを割りて染師の初仕事 暮れ時の風収まりぬ花こぶし 外套の我れ羊群と対しけり 仔山羊まだつながれずゐて冬ぬくし 汚れたる羊百頭地虫...
《本の出張買取》京都・全適堂 店主ブログ | 2019.03.06 Wed 21:46
紫川口句会 「紫」の二つある本部例会のうちのひとつ。 毎月第一日曜日、川口市立西公民館(JR川口駅西口・徒歩5分)で 午後1時から4時30分に開催しています。 各自自由題で3句出句・8句選。会費1,000円。 次回は4月2日(火)です。 山?十生主宰作品 雛の間に抜き足差し足忍び足 山崎十生主宰選 天 逃げ水の純度どんどん高まれり 都 地 蜆汁すすり少しづつ宥(ゆる)す 紀子 人 尻もちをついたところが春でした まさる 秀逸 春愁...
俳句スパイス | 2019.03.06 Wed 19:57
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