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JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 連翹(れんぎょう)の物語 ここに一軒の花屋がある。花屋elfeeLPia。妖精が感じられるという造語だ。ただの造語ならまだいい。実際にこの花屋には花の妖精が産まれてくる土地を持っていた。そして花の妖精は花言葉にちなんだ幸せを叶えていた。 「連翹(れんぎょう)の鉢はあるかしら?」 冬のまっただ中、春の訪れを告げる花の木を求めて客がやってきた。 「ありますけど。お姉さんはどんな願い事を叶えたいんですか?」 「叶えたいこと?」 妖精...
向日葵の笑顔 | 2022.05.31 Tue 15:53
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 凍(い)つ 日本には様々な歌の文化がある。短歌、和歌、俳句など。その中でも俳句には必ず入れないといけない、季語というものがある。歳時記という本にまとめられ、日々変わりゆく時代の中で、連綿と受け継がれている。そんな季語から紡がれた物語である。 凍(い)つ朝や約束たがえ君ゆきぬ 肌が凍るような朝にあなたは約束をかなえぬまま逝ってしまった。そういう一句である。凍(い)つ、は凍るという季語の傍題。冬の季語である。 ...
向日葵の笑顔 | 2022.05.29 Sun 01:20
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 春隣(はるどなり) 日本には様々な歌の文化がある。短歌、和歌、俳句など。その中でも俳句には必ず入れないといけない、季語というものがある。歳時記という本にまとめられ、日々変わりゆく時代の中で、連綿と受け継がれている。 春隣(はるどなり)。冬の季語である。字面通り、春が間近に来ていることを指す。春近し、春遠からじ、とも言う。厳寒の冬から春の兆しが見えてくる頃とでも言おうか。そんな時期に若い二人がいた。 「合格番号、確...
向日葵の笑顔 | 2022.05.28 Sat 23:52
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 冬木立(ふゆこだち) 日本には様々な歌の文化がある。短歌、和歌、俳句など。その中でも俳句には必ず入れないといけない、季語というものがある。歳時記という本にまとめられ、日々変わりゆく時代の中で、連綿と受け継がれている。 冬木立。冬木の傍題である。季節は冬。落葉した木々や冬の木々はさみしいが、すっきりしたところがある、といった具合の言葉である。冬木立も夜には星の明かりを得て彩るようにも見える。 そんな道を男女が歩いて...
向日葵の笑顔 | 2022.05.28 Sat 23:51
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 星河 日本には様々な歌の文化がある。短歌、和歌、俳句など。その中でも俳句には必ず入れないといけない、季語というものがある。歳時記という本にまとめられ、日々変わりゆく時代の中で、連綿と受け継がれている。そんな季語から紡がれた物語である。 星河とは天の川のこと。驚くべきことに夏に見上げているはずの天の川は、俳句の季語では秋になる。よって七夕も旧暦で勘定するため秋である。現代は七月七日にもすると但し書きはあるが、決して夏の俳句には...
向日葵の笑顔 | 2022.05.25 Wed 19:08
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 セントポーリアの物語 ここに一軒の花屋がある。花屋elfeeLPia。小さいながらも、種々の花々で彩られ、惹かれて入ってくる客は多い。ただ、この花屋は普通の花屋でないところがある。それは花の妖精がいる、という事だ。その妖精の契約主の店長、一樹と妖精を見て、話すことの出来きる小さな店員、向日葵がいる。今は真冬の十二月。店内には冬に咲き誇る花々であふれていた。 「そろそろクリスマスだねぇ。ひまちゃんはサンタさんに何をお願いしたの?」 一...
向日葵の笑顔 | 2022.05.25 Wed 16:16
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 夏燕 日本には様々な歌の文化がある。短歌、和歌、俳句など。その中でも俳句には必ず入れないといけない、季語というものがある。歳時記という本にまとめられ、日々変わりゆく時代の中で、連綿と受け継がれている。 初夏に来ると思われる燕は春の季語である。古来より春の訪れを告げる鳥であった。燕の子、親燕として夏の季語になる。燕は二度産卵をする。産卵後、雛は一ヶ月あまりで巣立ちする。そして、あちこちに飛び回る燕を夏燕と呼ぶのであった。 &nbs...
向日葵の笑顔 | 2022.05.25 Wed 16:15
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 片(かた)陰(かげ)。 日本には様々な歌の文化がある。短歌、和歌、俳句など。その中でも俳句には必ず入れないといけない、季語というものがある。歳時記という本にまとめられ、日々変わりゆく時代の中で、蓮綿と受け継がれている。そんな季語から紡がれた物語である。 片(かた)陰(かげ)。熱い日差しの中、建物などの陰に沿って一方的にくっきりでる陰を片陰という。そこは直射日光からはずれ、そこを選んで歩いたり、涼を取って休む人もいた。そんな情景から出来...
向日葵の笑顔 | 2022.05.22 Sun 07:51
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 「ひまちゃん。これを受け取って」 ここは花屋、elfeeLPia。小さな花屋である。ただ、そこには大きな秘密があった。ここは妖精が産まれる花屋。一樹と向日葵しかわからない存在だ。希に、見える大人もいるが、大抵は見えない。 そんな小さな一軒の花屋に小さな店員、向日葵に小さな来訪者があった。男の子の肩にシロツメクサの精が止まった。 「賢太君?」 向日葵は肩に乗ったシロツメクサの精の花言葉に混乱していた。側にいた一樹は気を利...
向日葵の笑顔 | 2022.05.21 Sat 21:21
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 桔梗の物語 「どうしたの?」 向日葵は、親友の顔をのぞき込んだ。ここは向日葵の遊び場、花屋elfeeLPia、である。下校途中に急に泣き出したので向日葵が連れてきた。というか手の引かれるままに来た、という方が正しいだろう。 ここで、一樹はとんでもないロイヤルウェディング話を聞かされることとなる。冬音の憧れのお兄さんが、実はどこぞの国の皇太子の息子で、唯一の王位継承者だったのだ。父親の皇太子は早々に亡くなっており、母が対抗したが、裁...
向日葵の笑顔 | 2022.05.20 Fri 21:58
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