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JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 「ミーカちゃん」 アキラが唐突に言い出す。 「何よ」 「一千万円たまったから新居たてよ」 し、新居? ミカの頭の中はパニックになった。 長年の悪友だが恋愛関係に陥ったことはない。 「なんであたしたちが結婚するわけ?」 「んー。君の夢を俺の夢にするため・・・かな?」 「結婚したってもうかなわないわよ」 ミカは数学が得意だった。数学者になりたかった。だが道は険しかった。数学者になるには二十歳前後に一定の成果を出さなければならな...
MY Free Room | 2021.01.22 Fri 23:17
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 女性は道端に可憐に咲いている花に目をやった。 小さな花が懸命に咲いている。六月の雨粒がきらりとひかる。 なんとなく髪に飾りたくなった。 一輪手折ろうとするともし、と男性の声がした。 「花を手折るのはもったいないですよ。よろしければこれを。結婚式の帰りなんです」 男性の手にはブーケトスで落ちてきたブーケがあった。 一輪ぬきとると男性は女性の耳にかざった。 「よかった。よく似合う。これで我慢していただけますか」 「え・・ええ」 突然のことに女性は驚きながら...
MY Free Room | 2021.01.18 Mon 22:14
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 恋人とは勝手なものだ。春に出会い。夏に盛り上がりクリスマスを迎えるころには喧嘩ばかりの日々。イブだけ機嫌よく過ごしてそのあとさよなら。あっけないものだ。 それでも世間には恋人たちがあふれている。 千佳もそんな恋人たちの一人だった。去年の春に出会い、イブを過ごしてはいさようなら。その口から新しいボーイフレンドを見つけた。だが心に空いた隙間風は認めたくなくてもいつでも風が吹いていた。 今日もそんな心を抱えてボーイフレンドと遊ぶ。テーマ―パー...
MY Free Room | 2021.01.18 Mon 00:09
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 「お嬢さん」 ついと万梨阿は若い男に呼び止められた。清潔そうにしてスーツ姿だ。いかがわしい勧誘ではないようだ。万梨阿は一応礼儀として振り向いて話を聞くことにした。 「なんですか?」 「ちょっと占いしませんか?」 「占い?」 万梨阿の中で警戒ランプが点滅する。 「いえ。お金は取りません。今はまだ修行の身。練習だと思ってください」 にっこりと笑って男性は言う。 そして唐突にクッキーを二つ差し出された。 赤いクッキーと緑色のクッキー。 「...
MY Free Room | 2021.01.17 Sun 23:53
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 「ちょっと。あんた。こっちに来なさいよ」 少女貴和子は少年諒をよびつけた。 「俺?」 「そこのあんたよ。話に付き合ってもらうわ」 貴和子はエレベータで裏側の駅に来るとむんずと制服のネクタイをひっつかんだ。 「毎回毎回。夢の中に出てきて人をひっぱるんじゃないわよ!!」 わけのわからんセリフだが貴和子には実際迷惑な話なのだ。 この諒とそっくりな人間に毎夜夢の中で迷路の中を引きずり回されているのだ。いいかげん不眠になる。日常の生活がで...
MY Free Room | 2021.01.16 Sat 09:27
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 タンタカタン 月でウサギが踊っている おーい 空気のないところにたら 死んじゃうよ タンタカタン それでもウサギは踊り続ける 「おまえー。またうさぎか?」 君が言う。 「いいじゃない。好きなんだから」 と私。 「じゃこれを季刊誌に載せるぞ」 「いいよ。あとは君の超長い文章だけだもん」 そう。ここは高校の文芸部。たった二人だけの。 三月に卒業したら廃部になることが決定している。 さみしいけど部員がいなきゃ...
MY Free Room | 2021.01.11 Mon 19:49
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 冬空の下なぎさと龍哉はかじかむ手を温めながら空を見上げていた。夜空である。 空気の澄んだ夜空にはあまたの星々がちりばめられていた。 「しっかし。生徒会もけちだよな。天体望遠鏡ひとつに月観察用しかやらないなんて」 「予算がぎりぎりだからしかたないのよ」 なぎさもため息をつきながら答える。天文部はたったの二人と顧問で成り立っていた。不良顧問はいつのまにやらさっさと暖かい部屋に逃げ込んでいた。 流星の観察なのだが結局は月のクレー...
MY Free Room | 2021.01.09 Sat 23:19
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 恋が終わりを告げる。冬のある日、男が何事か語り女は涙を隠す。よくある別れ話のシーン。そこまではよかった。そこまでは。つぐみは必死で気持ちをおさえながら踵を翻した。と同時にびちょっと冷たい感覚が頭部を襲った。 「な・・・何?」 手をやってみるとぬるっとした触感。見るとカラスのふんだった。 別れ話の後にカラスのふんまで来るとは。よほど運が悪いらしい。早く家帰って頭を洗おう。つぐみはそう思って足早にそこを去ろうとした。そこ...
MY Free Room | 2020.12.29 Tue 00:13
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 「彰子さ〜ん。待ってよう」 すたすたキャンパス内を歩く彰子の後ろから藤間が追いかけてくる。 「しつこいわね。君みたいなへたれと付き合ってる暇はないわ。鍛えてからきなさいね」 言ってから彰子は人知れずため息をつく。 春、図書館で出会ってからことあるごとに藤間はやってきた。 付き合うのをまだあきらめていないらしい。 藤間は顔がいいが中身がへたれだった。 付き合ってるうちにそれがわかってくると思わせぶりなことを言ったことを後...
MY Free Room | 2020.12.26 Sat 19:23
JUGEMテーマ:習作短編現代恋愛小説 どこからか赤ちゃんの泣き声がする。綾子はベッドの中でぼんやりとその音を聞いていた。 夢? いや違う!! このリアルな声は。がばっと綾子は起きると玄関ダッシュした。 玄関の向こうから赤ちゃんの泣き声がした。と唐突に泣き止んだ。 「おうおう。ママにおいていかれたのか?」 どこか大きな体を想像させるような男性の声が聞こえる。そっと綾子はドアをあける。ドアチェーンをかけたまま。 そっとのぞけばそこには赤ちゃんを抱っこした男性がい...
MY Free Room | 2020.12.21 Mon 11:11
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