拍手ありがとうございます。 コメントくださった方もありがたく拝見しました。とても嬉しく思っております。 ひたすらマイペースなブログですので、お時間のある時にでもまた覗いてみてくださいね。 今回は『伊勢物語』とは全く関係なく、読んだことのある古典の感想をつらつらと書こうと思います。 根拠も何もなくただ感じたままに…というような内容ですので、その点ご留意ください。 『讃岐典侍日記(さぬきのすけにっき)』を読んで思ったあれこれです。 特に詳しいというわけでもなく作品に関して説明も出来ま...
初冠 | 2010.12.11 Sat 11:32
前回118段からの「玉かづら」繋がりで、『伊勢物語』36段について。この36段を118段と比較して見ると面白さ倍増ドン!というのが今回のお話です。〈 本文 〉 三十六段 むかし、「忘れぬるなめり」と問ひごとしける女のもとに、 谷せばみ峰まではへる玉かづら絶えむと人にわが思(おも)はなくに〈 現代語訳 〉昔、(私のことは)もう忘れてしまったようですねと、問いかけてきた女のもとに、谷が狭いので峰まで延びている美しい蔓草のように、あなたとの仲を絶えようと私は思いもしませんのに――付き合っている人からの連絡...
初冠 | 2010.12.05 Sun 01:08
今回はぐっと後ろの118段、前回の28段と同様にほんの3,4行の短い章段です。〈本文〉第百十八段 むかし、男、久しく音もせで、「忘るる心もなし。参り来む」といへりければ、 玉かづらはふ木あまたになりぬれば絶えぬ心のうれしげもなし〈現代語訳〉昔、男が、長いこと便りもしないでいて、「あなたを忘れる気持は全くありません。そちらに参上しましょう」と言ってきたので(女は次のような歌を詠んだ)、蔓草がはいまつわる木がたくさんになってしまいましたので(あなたがお通いになっている女の方が数多くなってしまいましたの...
初冠 | 2010.11.27 Sat 00:26
※前回、その1からのつづきです。 〈 本文 〉第二十八段むかし、色好みなりける女、いでていにければ、 などてかくあふごかたみになりにけむ 水もらさじとむすびしものを〈 現代語訳 〉昔、色好みであった女が、家を出て行ってしまったので、どうしてこんなふうに、二人の逢う時も難しいことになってしまったのだろうか、水ももらすまい(ぴったりと寄り添ってゆこう)とかたく誓ったのに28段の物語世界に目を移しますと、「などてかく…」の歌は「色好みなりける女、いでていにければ」、女が出て行って一人残された...
初冠 | 2010.11.25 Thu 12:33
『伊勢物語』というと、やはりまず思い浮かぶのは教科書で目にする「唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ」という歌が登場する9段等、いはゆる“東下り”と呼ばれるところや、業平と二条后高子のロマンスを描いたところではないでしょうか。私ももちろん好きですが、それ以外のあまりスポットライトの当たらない章段だってとっても面白いと思います。例えば28段。わずか3行ほどのとても短い章段です。 〈 本文 〉第二十八段むかし、色好みなりける女、いでていにければ、 などてかくあふごかたみになり...
初冠 | 2010.11.25 Thu 12:30
先日、学校の源氏物語演習で、明石の君を発表。 明石の君は出番が多くけっこう重要な人なので、源氏との出会いや人生のところをまとめるのが大変でした。 どうまとめたらわかりやすく伝わるか考えることは大変でもあり、楽しい作業でもありました。 あさきゆめみしで持った彼女の印象と、原文で感じた彼女の印象に、あまり差はありませんでした。 どちらも、忍耐強く凛とした美しさで書かれているなと思います。 彼女は、決してでしゃばったりせず常に謙虚な女性で、頭の良さといい、なにもかもが素晴らしいの一言に尽きます。 ...
古典マニアックス | 2010.10.02 Sat 16:32
◎美麗ものいづくも飽かじを坂門らが角のふくれにしぐひあひにけむ(うましもの いづくもあかじを さかとらが つののふくれに しぐひあひにけむ)⇒「美しいものって、いくら見たってずっと見飽きないものじゃない? それなのに坂門の娘はどうしてあんな… 不細工で脹れ顔のあの人と、わざわざ一緒になったのかしら?」万葉集巻16・3821。児部女王が坂門の娘を笑った歌。この歌の左記(注釈のこと)には、「右の歌は、或る時、姓が坂門という娘が、身分の高い ステキな男性からの求婚を断って、身分の低い醜い男と 結婚したこ...
こもよぶろぐ | 2010.09.26 Sun 17:00
いとうせいこう・奥泉光さんの文芸漫談に行ってきました。今回は嫁さんが偶然チケットをとれたものの、当日嫁さん本人がトークショー出演だったので僕だけ参加。昔から『早稲田文学』で笑いながら読んでおり、いつか行きたいな~。と思っていました。いつも飛び抜けて面白いところは文学「用語」の翻訳です。ブンガクといえば中上健次で終わったとか殆どラノベ化したとか言われていますがその原因は文壇が閉鎖的すぎて「存在すら忘れ去られた」ことなんじゃないかと思ったりします。今の若い人は、けっこう本を読むそうです。がその人...
マイクロポップ経済学(金融経済ITめも) | 2010.09.25 Sat 22:20
harvest moon / joiseyshowaa ◎あらたまの月立つまでに来まさねば夢にし見つつ思ひぞ我がせし(あらたまの つきたつまでに きまさねば いめにしみつつ おもひぞわがせし)⇒「新月になっても あなたが来ないから、 あなたの姿を夢に見てしまうくらい、苦しい思いをしてる」万葉集巻8・1620。大伴坂上郎女のもの。天平11年の秋に作歌とあるので、西暦734年の歌ですね。別にハッとするような内容の歌じゃないけどさ、「あらたまの月」って言い方が、なんかいいよね。「あらたま」は、「新しい魂」からきてるのかな。「改まって」か...
こもよぶろぐ | 2010.09.19 Sun 14:07
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