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JUGEMテーマ:古典文学 58.宰相中将の悩み 宰相中将はあの日、手紙の約束をして泣く泣く光君のもとを去ったのに、その後はきっぱりと光君からは手紙の返事も無く、天上はるかに離れたままでいるので、宰相中将はあの日あざむかれて部屋を出された事が妬ましく、悲しくも悔しくも思っていました。 宰相中将はこの頃は放心状態となって「何かの機会は無いものか」と内裏に行ってばかりです。薫君が内裏に参上するのを見ると、光君と全く変わらぬ顔立ちなので「光君は上品で優美で、奥ゆかしい気配がまさっていたが、薫君は華...
とりかへばやRemix | 2014.12.24 Wed 08:29
JUGEMテーマ:古典文学 57.物忌の夜 宰相中将は、自由に逢う事もままならない、人目をしのぶ四の君との恋の辛さに嘆き沈みながらも、お互いに心も通い合い、折々の機会を逃さない逢瀬に心を慰められています。ただ例の女好きの癖は、四の君に対する愛情は限りないものの、一人に対してのみ、というわけにはいかないでいます。その点は、まじめな薫君が漏れ聞いたならとても具合悪いほどです。 宰相中将は相変わらず、宣耀殿にいる光君に限りなく心を惹かれていて「人に気を遣わねばならない四の君との恋路の苦しさも、これ...
とりかへばやRemix | 2014.12.22 Mon 08:33
JUGEMテーマ:古典文学 55.七日の夜 出産後七日目の夜は産養(うぶやしない)のお祝いで、朝廷の高官たちがこぞって参集したのに、宰相中将だけが病気のために参上しません。 しかしその裏で実は宰相中将は、「どうか無事に」とひそかに案じていた四の君の出産を、どんなに祈っても遠くから他人の噂で人づてに状況を聞くことしか出来ない状況に辛抱できず、こっそり左衛門の部屋にやって来たのでした。 「これほどの深い縁を四の君だってご存じないはずがない。今宵、ほんの少しだけでも」と宰相中将が責めたてるので、左...
とりかへばやRemix | 2014.12.16 Tue 08:45
JUGEMテーマ:古典文学 54.女君出産 秋に訪問した以降も薫君は、疎遠と感じられない程度には吉野を訪れていて、それを右大臣は恨めしく思っていましたが、そうこうするうちにあっという間に冬も過ぎて、四の君の出産が間近になりました。 右大臣は最愛の娘の出産なだけに恐れ危ぶんで、絶えず読経や修法をされますが、左大臣家の方でも誰が父親なのかを不審に思いながらも、「世間の目にはいぶかしく思われる事もないだろう」と祈祷を始めます。これらの祈祷の声が邸内に満ち満ちるほどだった効果もあってか、前々から...
とりかへばやRemix | 2014.12.12 Fri 08:31
JUGEMテーマ:古典文学 52.右大臣家の人々 右大臣家では、四五日と言い置いて出かけた薫君が十日以上も現れずにどこかに籠ってしまったので、不審に思い不安で思い悩み、右大臣に至ってはお食事もなさらずに嘆いています。四の君は「私のせいでこのようにお悩みなのだ」と気の毒で悲しくてなりません。 右大臣の家中が「薫君はいつも心細そうにしていて、世の中に生き通す事はできないとばかりお考えの方だから、とうとう出家をご決心なさったのではないか」とあれこれ思い乱れ大騒ぎになっているのも知らず、宰相中将は薫...
とりかへばやRemix | 2014.12.08 Mon 08:36
JUGEMテーマ:古典文学 50.別れの松風 そうこうするうちにあっという間に何日も過ぎ、「薫君と姉宮はこのように隔てなくお会いされています」という話が吉野山の宮の耳にも入ってきますが、宮は今さら「どうした事か」などと驚く事もありません。 「よしよし。仲良く話し合っていてください」とばかり言うので、二人の間にはもう障害は何もありません。でもそうかといって、薫君には都での生活もありますので、誰かと身体を交換して吉野に留まり続けるわけにもいきません。 薫君は「父君や母上は、どんなに心配でお嘆きに...
とりかへばやRemix | 2014.12.06 Sat 16:34
JUGEMテーマ:古典文学 48.親しき語らい 月がくまなく冴えわたり、虫の声があちこちで聞こえ、水の流れ、風の音、鹿の鳴き声などが一つに響きあって情緒をかきたて、つい涙をさそわれるようなその場の雰囲気と、それにふさわしい姫君たちの人柄です。 薫君は「このように御簾の外に身を置かされるという状況にはまだ慣れておりませんので、人目が具合悪く恐ろしくさえ感じます。あまり疎遠にしないでください」と言って、不意に室内に上がってしまいました。姫君たちは驚きあきれて、その場に突っ伏しているのを 「あな...
とりかへばやRemix | 2014.12.04 Thu 21:17
JUGEMテーマ:古典文学 46.宮の心 あっという間に二・三日が過ぎました。 吉野山の宮は、薫君の姿の素晴らしさや学識の無限の深さに感じ入って、仏前のお勤めも怠けがちになるほどでした。今では奏法が途絶えてしまった琴(きん)の琴の演奏を薫君が聴きたがっていたので、宮は深夜、澄みきった月光の下で演奏してお耳に入れたのですが、それは例の無いほど心に染み優美なものでした。 宮が少しだけ演奏して止めてしまったので、薫君は楽器を取り上げてお弾きになったのですが、薫君はたった一回で調べを聞き取って完...
とりかへばやRemix | 2014.12.02 Tue 08:24
JUGEMテーマ:古典文学 44.宮の予言 途中から道案内の人を先に連絡に行かせたので、吉野山の宮の屋敷では部屋の道具などを片付け整理して、着物を着替えるなどしてお待ちしていましたが、薫君一行は門内にお入りになる時に、改めて来訪の旨をお知らせするなど、とても気遣いをして屋敷にお入りになりました。 薫君が、所々に秋草の模様をあしらった浮線綾の柄の袴に象眼を施したススキの色の外出着を着て、光沢を出した紅色の上着を羽織った姿は光を放つかのように華やかで美しく、いま極楽からのお迎えが来て雲の輿が近づ...
とりかへばやRemix | 2014.11.30 Sun 14:10
JUGEMテーマ:古典文学 41.中納言の関心 さて、薫君は「何とかして俗世を離れたい」という気持ちがたいそう強くなって、花や紅葉の見物に出かけても、そのついでに四方の山々に訪ね入っては「人に行方を知られないで隠れ住む事のできそうな、山奥のいい場所はないだろうか」と思案していました。 すると吉野山の宮の噂を詳しく話し出す人がいて 「まったくもってそのお住まいは、俗世を捨てた聖人のお住まいのようであって、水の流れや岩の様子も、都では全く見慣れない光景で、物思いも慰められて満足できるところです」...
とりかへばやRemix | 2014.11.27 Thu 08:35
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