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幾千の夜、昨日の月

JUGEMテーマ:エッセイ  幾千の夜、昨日の月 / 角田光代(角川文庫)  評価 ☆☆☆☆ 友と夢中で語り明かした夏の林間学校、 初めて足を踏み入れた異国の日暮れ、 終電後恋人にひと目逢おうと飛ばすタクシー、 消灯後の母の病室…夜は私に思い出させる。 自分が何も持っていなくて、ひとりぼっちであることを― 知らない場所にひとり放り出されたような心細さと非日常感。 記憶の中にぽつんと灯る忘れがたいひとときをまざまざと浮かび上がらせる名エッセイ。 (感想) 旅のエッセイかと勘違いしてし...

隣り近所のココロ・読書編 | 2016.06.10 Fri 11:41

女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。

JUGEMテーマ:エッセイ  女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。 / ジェーン・スー(文藝春秋)  評価 ☆☆☆☆☆ 敵から身を守るためなのか、世間に認めてもらうためなのか、 それとも自らの欲望なのか、 今日も女は心身ともにさまざまな「甲冑」を着たり脱いだり大忙し。 いつの間にか心のクローゼットは、 女の気持ちをやたらザワザワさせる甲冑だらけなのです。 「CREA」連載に大幅加筆し、書き下ろしもたっぷり加えた、 ジェーン・スー最新エッセイ集。 (感想) 私はスーさんよりちょい下の世代(...

隣り近所のココロ・読書編 | 2016.06.01 Wed 17:07

わずかな時間でも

ひょっとしたら一生って、カメラに切り取られた小さな画面の中を、右から左へタタッと駆けるような、ほんのわずかな時間かもしれないけれど。 できるだけ、透明でありたいなあ、と思う。 溜め込まずに、さらさらと水が流れてゆくように、瞳の中を、体の中を、心の中を、この世界のいろんなものが通っていったらいいなあ、と思う。

Haru's mini blog | 2016.05.20 Fri 10:58

父の贈りもの ―6

JUGEMテーマ:エッセイ 父の贈りもの —6  あのときから何十年という時間が過ぎていった。わたしと妻は今年結婚四十周年を迎える。とっくに父が生きていた年月よりはるかに歳をとり、息子も三十五歳となる。それでも未だに父が亡くなったときの出来事が心深くに渦巻いている。  わたしと二人で行く登山への父の執着は、今のわたしでも考え付かないほどの強さであった。  なぜ、あのとき父はわたしを山に連れていったのか。  本当の理由は永久にわからないが、その後伯父から聞いた話のなかに、少しは理由の...

物書き人「ノボルペン」 | 2016.05.15 Sun 23:15

父の贈りもの ―5

JUGEMテーマ:エッセイ 父の贈りもの —5  K署の山岳隊員は、父の遺体を背負子に縛り付け、一人で担ぎ上げた。父の体重は70kg近くはあったと思う。麓に近い登山路ではあったが、アップダウンの激しい細い山道を行くのはかなり困難だった。わたしは父のキスリングザックを背負い、時々後ろを振り返りながら下山した。すると伯父が厳しい口調で「ちゃんと前を向いて歩け、怪我をするぞ」とわたしを叱った。わたしは後方の父の遺体が落とされたり、枝で傷つかないか、そんな要らぬ心配をしていたのだ。  麓に...

物書き人「ノボルペン」 | 2016.05.15 Sun 12:37

世界は終わりそうにない

JUGEMテーマ:エッセイ  世界は終わりそうにない / 角田光代(中央公論新社)  評価 ☆☆☆☆ 愛すべき、私たちのしょっぱい日常。 恋愛の苦み、読書の深み、暮らしの滋味…。 膝を打ちたい気分で人生の凸凹をあじわうエッセイ集。 (感想) エッセイ・対談・書評と盛りだくさんな内容。 よしもとばななさん、三浦しをんさんなどとの対談があり、 書評では町田康さんの本も登場。 私はこの3人も大好きなので、私にとってはとってもお得な夢のような一冊でした。 旅やら食やら恋やら・・・肩肘はら...

隣り近所のココロ・読書編 | 2016.05.13 Fri 14:54

イヤシノウタ

JUGEMテーマ:エッセイ  イヤシノウタ / 吉本ばなな(新潮社)    評価 ☆☆☆ みんなが、飾らずむりせず、 自分そのものを生きることができたら、世界はどんなところになるだろう。 ほんとうの自分、を生きるための81篇からなる人生の処方箋。 (感想) 81篇もあるので、 短い文章を次々と読んでいくのが苦手な私には合わないスタイルの本でした。 吉本ばななという人はいつもまっすぐで、心が豊かで、 自分を保って生きている方なんだと改めて思ったけど、 私はこの人の作品ならばやはりエッセイより小...

隣り近所のココロ・読書編 | 2016.05.11 Wed 11:30

父の贈りもの ―4

JUGEMテーマ:エッセイ 父の贈りもの —4  秋分の日は快晴だった。  わたしは自分の家に居続けていた。隣家の電話がひっきりなしに掛かっていた。わたしの部屋は隣家に向き合う位置にあって、電話のやりとりがかすかに聞こえた。しかし、どの電話も決定的な情報ではないようだ。  叔父が隣家からやってきた。母の弟だが、わたしとは六歳しか違わない。会社勤めをしていたが、まだ大学生のような雰囲気を持ち続けている人だった。  自分の部屋にこもりっきりになっているわたしを気遣って来たのだろうか。 ...

物書き人「ノボルペン」 | 2016.04.21 Thu 21:02

夢の狭間をゆらゆら

4月のはじめ頃、桜を見にでかけた。 すこし風があったのでときどき桜吹雪に遭遇したりもしたけれど、おひさまも出ていて穏やかな午後だった。 「晴れてよかったねぇ」とか「まだまだ咲いてるねぇ」とか話しながらぷらぷら歩いた。 お花見シーズン真っ只中ということもあり、色んなひとが来ていた。 お嬢さんに頼まれて、桜をバックに娘と孫の写真を撮影しているおとうさんとおかあさんがいた。 おとうさんとおかあさんはにこにこうれしそうだったし、こどもを高く抱き上げてポーズをとっているお嬢さんが...

Haru's mini blog | 2016.04.21 Thu 00:39

倒れるときは前のめり

JUGEMテーマ:エッセイ  倒れるときは前のめり / 有川浩(角川書店)  評価 ☆☆☆ 『図書館戦争』『レインツリーの国』『植物図鑑』ほか映像化続々の人気作家・初のエッセイ集! 日々の生きるつれづれ、創作の裏側、大好きな本や映画、敬愛する人びと、ふるさと高知のことなど、 デビュー書籍刊行前から現在までに綴った90本超に、それぞれ振り返りのコメントを書き下ろし。 現在入手困難な「ほっと文庫」に収録された短編「ゆず、香る」と、 片想いがテーマの恋愛掌編「彼の本棚」の小説2編も特別収録。 (感...

隣り近所のココロ・読書編 | 2016.04.19 Tue 11:33

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