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JUGEMテーマ:小説/詩 クリニックの日は、やってきた。 いやがおうにも、やってきた。 練習でも、できない事を、みんなの前で披露できるわけがなかった。 なんか、「ギロチンの刑に処される日」の気分だ。(オーバーだけどそれくらい処刑に思えた) みんな、上機嫌だ。 どうしてなんだろうと、私なんかは思う。 「曲を演奏できない子がいる」なら、その子を抜かすか、その子ができる範囲のもので、何とか「いい演奏を」と願うものだと思うのだが、この人達はそうじゃないんだ...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2022.12.30 Fri 13:46
JUGEMテーマ:小説/詩 季節は地味に進んでいく。 「U子」達のバンドのメンバーである短大生たちと、また、クラーク会館でおしゃべりをしていた時だった。 「姫さぁ〜、なんか楽器できないの?」 と「T.Kちゃん」にタバコを吸いながら言われた。決して、優しい言い方ではなかった。 「う〜。できないんだよ〜。」 そう答えると、更に追及が来た。 「家に楽器とかないの?」 「ないよ〜。って・・あ、そういえば、友達から安く買ったギターがあるけど。。。」 「T.Kちゃん」の目がキ...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2022.12.29 Thu 15:53
JUGEMテーマ:小説/詩 「☆ファンクラブ」の子たちは以来、何かのイベントやライブの度に、私に満面の笑みで「お姉さ〜ん!!!」と声をかけてきて、一緒にくっついているもんだから、そのうち、「Ugeさん」をはじめとして、色んな人達から「なんで、あんたが、高校生のガキたちにしっぽ振って取り入ろうとしてんやろね?あれ、☆君のファンの子たちやろ?しつこくて、この間も説教してやったけどわからへんのやわ。あんた、何やろな、☆君には彼女がおるねんよ?何の目的やろね?」と、白い目で見られて嫌味を言われるこ...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2022.12.28 Wed 10:36
JUGEMテーマ:小説/詩 本番ライブは、何回かあったのだが、一番のメインイヴェントは、当時札幌で有名だった、「プロとアマチュアが競合するライヴ」の、 「ツーアウトフルベース」コンサートだった。 何日間かかけて、札幌の大谷会館というところで催されていた。 私達は、そのコンサートで、演奏するのだった。 ちょっとライバルっぽいような、他の大学の軽音も(特に北大の場合、同じ国公立の教育大とかが、意識されるものだった)参加していて、「あいつらより、ド〜...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2022.12.27 Tue 12:17
JUGEMテーマ:小説/詩 私のパートの音を失った後、とりあえず、働かない頭で考えれたことは、 「HO.M」嬢とも、「I.Zさん」とも違う音階を歌えばいいということだった。 かといって、自分は音楽の知識も皆無であり、ど音痴だから、まずは、他の二人にかぶらない音を地味に出せばいいのではないか?ということだった。「Miyaさん」が、分からなかった「パート音」だから、自己流でいいと思ったのだ。 のちに、自分がバンドをやって、オリジナルの曲のメロディーを全部作れた日々はここか...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2022.12.26 Mon 12:55
JUGEMテーマ:小説/詩 サークル会館の焼け跡で、練習は始まった。 私はとにかく、最下位のカーストにいたわけで、「1年目」でありながら、「Se.H」のベースに抜擢されていた「ドラえもん」というニックネームの男の子にも、言われた。 「僕は、このバンドの最低の立場にいるけど、君はもっと下だね。」 「ドラえもん」は、気が強いが、割といい奴で、時にお互いの最寄の地下鉄「北34条駅」の2階の喫茶店(当時あった)で、お茶のみをしたりした仲でもあった。 ...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2022.12.25 Sun 13:31
しゃんしゃんしゃん。 たくさんの鈴の音が鳴っているような錯覚に陥る。 街の中はどこを見ても、様々な彩度の赤・緑・金。たまに白と青。この時期独特の飾り付けを施されたもみの木は誇らしげに輝き、夜の闇の中で昼間とはまた違った顔を魅せている。ちらちらと極稀に舞い落ちてくる白い雪に出来すぎ感を抱きながらも、それは間違いなく心が躍る光景だった。 いつもならば。 振られた。 浮気された挙句に、私が振られた。 こんな大事な日に恋人よりも仕事を取ったからと、クソみたいな理由を口...
雪乃に!サイコロ振らせろ!! | 2022.12.24 Sat 23:49
JUGEMテーマ:小説/詩 熱田氏は、私の部屋の壁をゆっくりと見回し、天井を見上げ、床を見下ろした。 私はそれを眺めながら、昔バイトしていたコンビニの店長を思い出していた。 清潔好きな女性で、店内の清掃や整理整頓、棚上の商品の並びやフェイスアップに厳しいのはもちろん、学生バイトに対しては私生活においても“きちんと”するようにと、ことあるごとに説教していた。 いわく、 「部屋というのは、いつ誰が来てもいい状態にしておかないといけない」 と。 特に尊敬し...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2022.12.23 Fri 17:32
JUGEMテーマ:小説/詩 私は、どんなことを言われてもされても、口は返さなかった。返せる性格ではないと言えた。 クラーク会館で、例の短大生グループとおしゃべりをしていた時に、みんなの「呼び名」を決めたことがある。 それぞれ、名前は最後の「子」を取って「ちゃん付け」だったが、「Nちゃん」と私は最後の部分だけ違うから同じ呼び名になってしまうね?と、みんなで悩んだ時、「じゃあ、”姫”ってのはどう?」と言ったのは、「Nちゃん」だ。ちょっと「T.Kちゃん」からは、え〜?み...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2022.12.23 Fri 10:45
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