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時刻は八時八分前。 鏡に映る銀鼠の着流し。眉間に皺、瞼を閉じてぶつぶつと呟く。部屋には男一人。ペットボトルのお茶、背もたれのない椅子、ロッカーの隣のドアが開く。入ってきたのは栗皮の男。 「おう熊さん」 「よう八つぁん」鏡の前の熊五郎が笑いかける。「今日はまた寒いね。ところでこの前あんたがやった噺だが」 へえと返事する八五郎の顔がやけに青白い。 「死んだ奴が何度も生き返るのかと思ったら、違うんだな。死んだら死体は転がったまんま、次の奴はそれを頼りに進む。持ってた武器を使い罠を避けて。でも...
水平線上の雨 | 2022.12.11 Sun 13:51
JUGEMテーマ:小説/詩 誰のことも考えられない、考える気持ちがない 自分だけが被害者で、自分だけがケアーされるべき存在 自分の苦しさを分かっていたわって欲しい 自分の言うことは「聞け」 自分が、自分が、自分が…を繰り返す時、 その闇は真っ暗になる 人を思いやる気持ちをなくし、自分だけが思いやられるべきと考え、 ”周りの無理解を嘆き、自分への態度を毒づく。” どんなに周...
Jupiter〜夢を失わずに〜 | 2022.12.10 Sat 12:49
JUGEMテーマ:小説/詩 翌朝、洗面所の鏡を覗くと、やはり私の顔は無傷のままだった。 一体、どういうしくみなのだろう。 私の中に、ある意味“興味”と呼べるものさえ生まれた。 間違いなく痛いのに、間違いなく触感はあるのに、間違いなく蹴転がされているのに、どうしてその痕跡はまったく残っていないのだろう。 錯覚なのか。 やはり私自身の精神の部分に、何か重大な問題が生じているのだろうか。 もしそうだとすれば、私の行くべき所、頼るべき機関は、あんなぼった...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2022.12.09 Fri 20:59
JUGEMテーマ:小説/詩 熱田氏は別れ際、また電話で連絡をすると言った。 私は咄嗟に、電話ではなくメールで連絡するようにと依頼した。 依頼しながら、たとえメールが届いたとしても恐らく返信しないだろうと思った。 ことによると読みさえもしないかも知れない。 もう、この人間に会いたくない、声も聞きたくない、と思った。 恐らく電車を乗り継いで帰ったのだろうが、私は気づくとマンションの自室のドアの前に立っていた。 昼を大分回っていたが、何も食べたくない、口にしたく...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2022.11.29 Tue 12:23
JUGEMテーマ:小説/詩 結論から言うと、そのサイトの主への連絡先は、見つからなかった。 だがそのサイトが相互リンクしている他のサイトの中に、主が運営(というのか)している浄霊施設(というのか)への連絡先メールアドレスの表記が見つかった。 私はそのアドレスに、相談メールを送った。 文面はこうだ。 「数ヶ月前から私の腰を蹴りつづける足の霊に悩まされています。この霊を浄霊していただけないかと思い相談いたします。よろしくお願いします。連絡をお待ちしております」 送信...
葵むらさき言語凝塊展示室 | 2022.11.11 Fri 17:50
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