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気がつくと授業も終わっていて圭ただ一人が教室に取り残されている。「あ……終わったんだ……」 周りを見回してようやく気付く。 どうして、わたしはこんな思いを――
:+: notebook :+: | 2010.06.02 Wed 09:37
克に申し訳ないと思いつつ彼に抱きついてホッと安堵する圭は、滝川の顔を見ようとこっそりと上目遣いで見つめる。「ん? どうかした?」 滝川は圭の視線に気付いてのんびりとした口調で訊ねる。圭は頭を振って何でもないわ、とにっこりと微笑む。
:+: notebook :+: | 2010.06.01 Tue 09:41
「好き、滝川君が最初見た時から好き」 圭は潔く決心して彼に思いを告げる。「俺が、お前に話し掛けた時か?」「違うわ、食堂で初めて目が合った時。自分では気付かなかっただけで本当は惹かれてたと思うの」 だからこんなにも気になってたんだわ、と付け加える。
:+: notebook :+: | 2010.05.31 Mon 09:26
今……なんて? 圭は一瞬我が耳を疑う。何故って――あの滝川が自分を好きだと告白してきたからだ。『おい……聞いてるのか?』 彼の声がいやに脳裏に響いてきたので、ハッとする。
:+: notebook :+: | 2010.05.30 Sun 11:13
「なん……で?」「いいから。もうちょっと居てくれてもいいだろ?」 強気な滝川に戸惑いを隠せない圭は、彼がベッドの上に腰を下ろした後もそのまま突っ立っている。「こっち来てすわれよ」
:+: notebook :+: | 2010.05.29 Sat 11:55
「どうぞ」 滝川が鍵を差し込んでドアをあけた時に掛かった言葉がそれだった。圭は少し躊躇しながらも彼の部屋の中に一歩、踏み込む。 まるで別世界に踏み入れるような感覚で、緊張と好奇心で一杯であった。「うそっ……綺麗にしてるのね……」 途端に自分の部屋のだらしなさに恥ずかしくなってきて顔を赤らめる。
:+: notebook :+: | 2010.05.28 Fri 15:21
「この後、どうしたい?」 ドライカレーを食べている途中で滝川がいきなり声をかけてきた。それまでは黙々と食べていたのに、唐突に訊ねられたので圭は咳き込む。「ゲホッ……任せるわ」 彼女は水の入ったコップを口にあててぐいっと一気飲みする。滝川は少し考え込みながらドライカレーをスプーンで口元まで運ぶ。
:+: notebook :+: | 2010.05.27 Thu 09:16
滝川は黙ったままで、圭は後になってしまったと思い、気まずくなり始める。「あの……失礼な事を言ってごめんなさいっ」 圭が勢いよく立ち上がって滝川に向かって頭を下げた。滝川はそのまま黙っていたが、ようやく口を開く。「……確かにお前の言うとおりだよ」
:+: notebook :+: | 2010.05.26 Wed 09:11
「ねえ、どこへ行くの?」 圭が訝しげに尋ねると、黒髪の男はにやつきながらまあお楽しみに、とだけ答えるばかりである。今二人が乗っているのは地下鉄であり、行き先を教えてくれないまま彼の目的駅に着く。「降りるぞ」「えっ……はい」
:+: notebook :+: | 2010.05.25 Tue 10:30
気がつくと全身がじわり、と汗で滲んでいる。今日は珍しく暑い日だと窓から差し込む太陽の光が圭の胸を照らしている。鬱陶しそうに起き上がると、カレンダーを見る。 ああ、そうか……もうすぐ8月なんだ。
:+: notebook :+: | 2010.05.24 Mon 10:26
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