[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]

「さ、母さん入ってください」「克、ここは?」「母さんの家ですよ。僕が稼いで建てたんです。ここなら、父さんにもばれないし、来る事はないと思います。それに、僕のお兄さんの事も心配でしょう?」 克が少し鼻息を荒くしながら、一気に一通りの事をまくしたてた後、静かな空間が漂った。 かなり広いホールの中に、二人だけがポツンと立っている。はたから見れば淋しそうな雰囲気を帯びていたが二人の間には絆が深まろうとしているところであった。
:+: notebook :+: | 2010.07.03 Sat 11:30
JUGEMテーマ:恋愛小説 今月始まる、吉高由里子さん主演のドラマ「美丘」の原作本。買ってしまった…!!そして途中までマックで読んでしまった…!!で、途中で泣きそうになったから家に帰ってきた←本当はマックで勉強するはずだったんだけどなぁ…(遠い目みんな結構勉強してたよorz吉高さん好きだし、何より相手役の林くんが気になってしょうがない私←楽しみだなー^^はぅ…でも7月はテストなのですよ;;
車輪が回り出したら、 | 2010.07.02 Fri 23:44
「あなた、和則がリモコンでテレビをつけることに成功したのよ! その時の和則の喜びようったら!」 滝川が仕事から帰ってくるやいなや、圭が嬉しそうに今日の出来事をわーっとまくし立てたので、ちょっと待てよ、と苦笑いしながら上着を脱いだ。「で? リモコンをいじって、テレビをつけたのか? 自分で?」「ええ、そうよ。しかも自分の見たい番組をつけたのよ」「へえー、賢いんだな」 息子の利発な瞳は滝川の父親、滝川和則に瓜二つで二人はきっとしっかりした大人になってくれるに違いないと期待を寄せているのだった...
:+: notebook :+: | 2010.07.02 Fri 09:26
『それがですね、分からないんです……突然電話が掛かってきて、怯えたような声でマリアさんが――』 電話の向こうでは騒がしい声と電話の音がけたたましく響いてきた。 圭の元マネージャー、矢田はマリアの所属する事務所に就いたのだが、そのマリアさえもやめるということなので滝川は気の毒に思え始めてくる。「怯えたような?」『ええ』「それは、どういうことだ? その時の様子は?」『わたしが受けたわけじゃないので、なんともいえませんが……とにかくやめる、と言ってましたから……ちょっと、忙しいので切らせてもらっても?』
:+: notebook :+: | 2010.07.01 Thu 09:27
「母さん、ちょっといい?」「なあに、克?」 広々とした部屋には、クィーンサイズのベッドに大きな窓があり、その窓から太陽の光がさんさんとベッドを照らしている。 マリアの寝室にノックして入ってきた克は、相変わらずすらっとした長身でその伸びた手は白く、美青年という名詞によく当てはまるものであった。
:+: notebook :+: | 2010.06.30 Wed 09:15
「克……!」 マリアの呼びかけと同時に克が母親の方へ歩み寄っていく。「母さん――それは余計なお世話ですよ」 心底から怒りを表して不機嫌な顔をしながら母親を睨みつける。 そして、母親の傍まで辿り着いたと思うと、通り過ぎて滝川の傍まで歩いた。克は滝川をじっと睨みつけ、こう言ったのだ。「滝川氏――いえ、お兄さんも余計なお世話ですよ」 よそよそしい発言に滝川はカチンときた。
:+: notebook :+: | 2010.06.29 Tue 09:24
――歪みたくもなる 圭はその言葉が強く印象に残っていつまでも脳裏にこだましていた。「あなた、あなたは……マリアさんを許せないの?」「……どうだろう」「このままだと、マリアさんが可哀想すぎるわ。克も可哀想だけど――」 そう言いながら線香を上げて、手を合わせる。「あなたは、どうしてオペラを?」「したかったから」「それもだけど、本当は、マリアさんに会いたくて、でしょう?」 圭の言葉にいつも真意を突かれるので、滝川は諦めて頷く。
:+: notebook :+: | 2010.06.28 Mon 09:21
「線香をあげさせてもらってもよろしいでしょうか?」 フランネリー夫人、もといマリアのか細い声でひっそりとした空気の中で響き渡った。「どうぞ」 滝川の機械的な応答に、マリアがゆっくりとした動作で遺影の前に座る。「和則さん――お久し振りでございます……」 途端にマリアの嗚咽が聞こえ始めたので、圭はハッと振り返る。「マリアさん」「和則さん……この不肖をお許しくださいませ」 マリアは線香を一本取り出して蝋燭の火に付ける。線香に付いた火を手で振り払って消した。
:+: notebook :+: | 2010.06.28 Mon 09:20
どんよりとした曇り空で明日には雨がきっと降るだろうとこのジメジメした感触を滝川が空を仰いで息を大きく吸い込む。 早朝、父親が眠るようにして亡くなって、そのお葬式の準備やらに忙しくてゆっくり悲しむ暇がなかったのだ。 圭もしっかりと手配などをやり、キビキビとした動作で仕切っている。目はだいぶはれていたが――。
:+: notebook :+: | 2010.06.26 Sat 10:53
「とにかく、無理な事はするなよ? 克が来ても無理するんじゃない」 滝川は父親に念を押しつつ仕事に出かけた。残された圭はにっこりと笑って何か飲みますか? と尋ねてきたので滝川和則はいいよ、ありがとうと礼を述べた。「圭さん、克君と付き合ってたんだってね――」「ええ」「別にどうこうするつもりはないが、克君は孤独を漂わせていたね」「そうですね」 わたしも感じました、と相槌を打って義理の父親を見る。真っ青な顔で表情も乏しくなっている。
:+: notebook :+: | 2010.06.25 Fri 14:58
全653件中 191 - 200 件表示 (20/66 ページ)