[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""] 恋愛小説のブログ記事をまとめ読み! 全648件の21ページ目 | JUGEMブログ

>
恋愛小説
  • JUGEMテーマ

ブログテーマ

ユーザーテーマ

恋愛小説

このテーマに投稿された記事:648件 | このテーマのURL:https://jugem.jp/theme/c216/1515/
恋愛小説
このテーマについて
恋愛小説に関する記事のテーマです。
このテーマの作成者
作者のブログへ:「naginoai」さんのブログ
その他のテーマ:「naginoai」さんが作成したテーマ一覧(6件)
このテーマで記事を投稿する
このテーマに投稿された記事
rss

< 16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26 >

第四部 15.

 「あ、和也もう来てたんだ?」 ドアをガラガラと音を立てながら開けるとベンチに滝川が座っていたのを視界の中に捉えたのでホッとして病室に足を踏み入れた。「水羊羹盛ってくれたんだ」 滝川がありがとう、とお礼を述べてお盆を受け取る。「はい、どうぞ」「ありがとう」 彼はまっすぐに父親に水羊羹が盛られたガラスの皿をこぼさないようにそっと渡した。滝川和則は嬉しそうに水羊羹を眺め、綺麗な色だねえと感心しながら一切れを口にぽいと放り込む。 口をもぐもぐと動かせながらしきりに頷く。

:+: notebook :+: | 2010.06.20 Sun 11:41

第四部 14.

  梓にそう突きつけられて意外そうな表情で彼女を見つめる。梓はじっと滝川の目を据えていたが、圭に呼ばれたので元気よく返事をして台所へ駆けて行った。「……分かってるよ」 滝川はそう呟いてくしゃっと髪の毛を掻き揚げる。 圭はベーコンを焼いて目玉焼きの上に乗せてテーブルに運んだ。「よし、あとは紅茶ね……っと」 不意に後ろから滝川に抱きつかれ、ドキリとさせられた。梓は顔をしかめて二人のラブラブなところを見せ付けられて少しばかり不愉快な気分になる。

:+: notebook :+: | 2010.06.20 Sun 11:39

第四部 13.

  梓は落ち着かない様子でリビングルームにある黒のソファに腰掛けて、圭の作っているお茶を待ちながらテレビを見る。そっと滝川と圭の様子を見ると、二人は楽しそうに話をしながらお茶の用意をしている。 この二人には年月を重ねた信頼関係もあり、お互い理解し合っているように見え、梓は思わず下唇を噛んだ。「出来たわ、梓ちゃんお待ちどうさま」 お盆に紅茶カップを載せて運んできた圭は梓の手前にあるガラス張りのテーブルの上にそっと置く。

:+: notebook :+: | 2010.06.17 Thu 20:39

第四部 12.

  どうして――! 納得いかない! あたしの方が魅力的なのに! 和ちゃんは……どうして はだしのままで飛び出て来たので、足に痛覚がし始める。コンクリートはこんなに硬いものか、と思わされ足の裏は所々傷が出来て血がじんわりとにじみ出ている。「誰か――教え、て」 ぜえぜえ、と激しい息切れのために呼吸が苦しく、道端で座り込む。

:+: notebook :+: | 2010.06.16 Wed 21:32

第四部 11.

  圭はそっと彼を見上げると、そこには険しい顔がある――まるで復讐に燃えた孤独な戦士のように。「……あなたは悪くないわ。わたしが、勝手に克を家に上がらせてしまったから」 冷静に話し掛けるが、滝川はそれすらも聞こえてないように思われた。圭は滝川の腕を引っ張ってやめて、と促す。「はーっ……」 彼の大きなため息が静かなリビングルームにぽっかりと浮かぶように出て来る。しんと静まり返ったリビングルームはその無残さを語っているような物悲しげな雰囲気を帯びていた。

:+: notebook :+: | 2010.06.16 Wed 11:14

第四部 10.

  翌日の夕方、圭は信じられないものを目のあたりにする。それは新聞の芸能ニュース欄に自分と克の事が報道されたものである。 ――まさか、一緒にいるところを見られたにしてもここまで出鱈目を書かれるなんて! 自分の愚かさを呪う。どうしてこんな事になると予想しなかったのか――それとも克の思惑なのか? 彼女は混乱してしまう。 その時に電話が鳴り始める。気を取り直して電話に出る。「はい、穂積です」『あんたが穂積圭? いい気になんないでよ! 克様はわたし達のものなんだから――』

:+: notebook :+: | 2010.06.15 Tue 09:54

「玉蘭」 桐野夏生

桐野さんの作品を読むのはなかなか体力がいるのだけど、手持ちの本も少なくなってきて、どうかな〜と思いながら読み始めました。ここのところ心身共に弱っているもので(._.)最初は現代の男女の恋愛ものだと思っていたのですが、時代が遡り登場する男女。その4人の心情が交錯し、淡々と語られていく。4人それぞれの過去と現在(生きている今の思い)の思いが語られ、女性ならではの心と体の繋がりを求めたり、男性ならではの体の繋がりを求めたり、それぞれに共感できる部分はありました。最初は質視点で浪子ってなんて女だ!と思っ...

kuuの読書感想 | 2010.06.14 Mon 18:05

第四部 9.

 「おねが、い……克……」 唇を離すと圭はそう言って身体をよじらせる。克の手によってブラウスのボタンを外され、ブラジャーが露わになる。その純白の下着は光を受けてより一層白く映えている。 克は圭の胸元に口付けをして舌を出して鎖骨辺りを舐め始める。その彼の吐息がかかったところに敏感になり、彼女の口から喘ぎ声が漏れる。「克……やめ――」 力なく弱々しい声で抵抗しながらも克を制しようとする。 彼は素早く圭の背中に手を回してブラジャーのホックを外す。「いやっ……! やめてぇ!」 その叫び声も空しくリビングル...

:+: notebook :+: | 2010.06.14 Mon 09:28

第四部 8.

  圭の事務所もひっきりなしに電話が掛かってきて矢田もその他のスタッフも目が回るほどの忙しさに対処しきれなく軽い眩暈を引き起こす者もいた。「マスコミの力って大きいのね……改めて思い知らされたって感じだわ」 そう言って窓の外を眺めながらため息をつかせる。どうしたら収まってくれるのだろうか、と矢田に声を掛けると矢田は首を振っただけであった。「噂は七十五日っていいますからね……」 別のスタッフがゲンナリと机に伏す。短いようで長い、とまた別のスタッフがぼやく。

:+: notebook :+: | 2010.06.12 Sat 22:57

第四部 7.

 「おい――お前何した?」 シャワーを浴びて来た滝川がリビングのソファーに寝転んで滝川の携帯を握り締めている梓を見て大体の想像がついた。「何って? 圭さんに諦めてもらうよう言ったの」「お前な! いい加減にしろっ!」 カッとなって従兄弟に手を上げようとしたがハッとして寸前で止める。 顔を引っ込めて目をつぶっていた梓はそろり、と目を開く。そこには深いため息をつく滝川の姿があった。

:+: notebook :+: | 2010.06.11 Fri 19:44

このテーマに記事を投稿する"

< 16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26 >

全648件中 201 - 210 件表示 (21/65 ページ)

[PR] レンタルサーバー heteml [ヘテムル]
あなたのクリエイティブを刺激する、
200.71GBの大容量と便利な高機能!