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ある太鼓叩きが、魔女の呪いを受けて、ガラスの山に幽閉された王女の救出し、そして結婚に至るまでの物語です。 ガラスの山という物語の舞台装置は、これまでも、グリム童話に散見されました。思い出すだけでも(KHM25)『七羽のからす』、(KHM93)『からす』、(KHM127)『鉄のストーブ』などがあげられるでしょうか。いずれも魔女によって、登場者が幽閉される場所です。いずれも主人公が、そこからとらわれの者を助けて、ハッピー・エンディングを迎えるか、あるいはそこへの道筋がつきます。 この物語も例外ではありま...
'ものがたり'散策 | 2017.05.11 Thu 18:43
スイスに『どろぼうの名人』(『世界の民話』発行所ぎょうせい 所収)という、タイトルも内容もほぼ同じ民話があります。ヨーロッパの国々が地続きであることを実感します。 ある日のこと、貧しいお百姓とその妻が仕事の手を少し休めて家の前で腰掛けていたところ、四頭立てのきらびやかな馬車がやってきて中からいかにも金持ちの紳士が降りてきました。お百姓は立ち上がって紳士に近づき、なんなりと用を聞きますと申し出ました。 すると紳士は、じゃがいもの田舎料理を所望し、それを一緒に食べたいというのです。身分の...
'ものがたり'散策 | 2017.05.10 Wed 18:14
グリム童話に時折みられる、気位の高い王女が、結婚の条件を著しく高く設定して、求婚者に挑戦させ、失敗すれば挑戦者が不利益を被りますが、その難関を超えて主人公が結婚を果たすというお話の類型です。 これまでのものだと、(KHM22)『なぞなぞ』や、(KHM52)『つぐみひげの王さま』や、(KHM114)『かしこいちびの仕立て屋』、(KHM134)『六人の家来』などがあげられるでしょうか。 王女の城の最上階には、普通では見通すことのできないものを見ることができる、十二枚の窓があり、番号が増えるほどよく見通すことが...
'ものがたり'散策 | 2017.05.09 Tue 18:36
短いお話です。 むかし、あるところに、抜け目のないお百姓がいました。このお百姓のいたずらの数々は、色々と伝えられていますが、中でも一番面白いお話として、悪魔を出し抜くお話がこの物語では語られます。 ある日夕暮れ時、お百姓は自分の畑の真ん中に炭火が燃えているのに気づき、そこへ行ってみると、その真っ赤に燃えた炭火の上に小さな黒い悪魔が座っているのでした。 お百姓は、悪魔に、お前は宝の上に座っているのかと問うと、悪魔はそうだと答え、それはお百姓がこれまで見たこともないほどの金と銀の山だと...
'ものがたり'散策 | 2017.05.08 Mon 18:20
前記事、(KHM182)『こびとの贈り物』に引き続き、仕立て屋が登場します。この物語では仕立て屋が主人公です。前記事にもかきましたが、仕立て屋が主人公を張ると、彼は、ある独特のキャラクターを発揮します。 これまでも、何度か、そのキャラクターについて言及してきましたが、うまく言葉に表せていなかったように思います。それが、やっとピッタリとした表現が見つけられた思いでいます。なぜなら、それが物語冒頭で、はっきりと言葉にして表現されているからです。 それは、”大ぼらふきでけち”というものです。ある意味、...
'ものがたり'散策 | 2017.05.07 Sun 18:25
仕立て屋と鍛冶屋が一緒に旅をしています。鍛冶屋には背中に大きなコブがありました。 ある日の夕方、日が沈む頃、遠くの方から音楽が聞こえてきて、ふたりは心地よくなり、音のする方へ歩いて行きました。 やがて、もう月が登る頃のことです。音楽が奏でられている場所につくと。そこには、小びとの男女が、手をつなぎ輪になって、楽しそうに踊りを踊っているではないですか。 輪の中には、色鮮やかな服を着たおじいさんが座っていて、ふたりを輪の中に誘います。ふたりは誘われるまま従います。ふたりは小びとの輪の中...
'ものがたり'散策 | 2017.05.06 Sat 18:24
お話の構造としては、(KHM88)『さえずり、おどるひばり』や、(KHM92)『金の山の王さま』が類似としてあげられます。共に主人公が父親のした、異界の者との約束によって、主人公が異界に連れ去られることを物語の発端とします。 グリム童話で、約束をテーマとする物語は多数ありますが、主人公が、異界の者にさらわれるといった設定は、これらの物語に限られます。この三話を比べたりしながら、物語を追ってみます。 むかし、あるところに、粉屋がいました。粉屋は、妻とふたりで満足に暮らしていました。財産は年を追う...
'ものがたり'散策 | 2017.05.05 Fri 18:25
シニカルですが、非常によくできた寓話であると思います。 神さまは、世界を作り、生き物たちの寿命を定めようとしました。神さまはそれぞれの生き物に公平に30年を考えているようですが、決定に際しては、それぞれの生き物の意見を聞いています。 まずは、神様のもとに、ろばがやって来て、わたしは、どれくらい生きればよいのかと神さまに尋ねました。ろばは神さまに30年はどうかと問われると、長すぎると訴えました。 ろばは、神さまに、彼らの過酷な生活を説きます。朝早くから夜遅くまで、荷物を運び続け、休もうも...
'ものがたり'散策 | 2017.05.04 Thu 18:37
末子成功譚の物語に分類されるお話です。 貧しいきこりの夫婦には、三人の娘がいました。ある日、きこりが、手間のかかる仕事を手掛けることになり、娘に森へ弁当を届けさせるように、おかみさんに言いつけておきました。しかし、娘は、道に迷い、弁当を届けることはおろか、家に帰ることさえもできません。上の娘から順に、日をまたぎ、用は授けられます。 娘は、それぞれ、夜、森の中に明かりのついた家を見つけ、一晩の食事と共に宿を頼みます。家の中には、白い髭の老人と、おんどり、めんどり、まだら模様の牛がいました。...
'ものがたり'散策 | 2017.05.03 Wed 18:25
同じパートを用いた物語が、いくつか存在します。事情は異なりますが、地下世界の囚われている王女を助けるべく、主人公を含む三人の男が奔走します。その際、地中世界の小人が重要な役割をになって登場します。三人の男のうち、裏切り者の二人の男は成敗され、最後に主人公が王女と結ばれるというものです。 同じグリム童話なら(KHM91)『土の中のこびと』がそれに当たるでしょう。主人公がハンスであるところも共通です。また個人的に読んだ、ドイツ民話の、『三人の王女』(『世界の民話』発行所ぎょうせい所収)も同じパートを...
'ものがたり'散策 | 2017.05.02 Tue 19:11
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