[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]
このお話は、『ものわかりのいいハンス』や、『かしこいエルゼ』と同じことを語る、別バージョンのお話しとすることができるでしょう。特に『かしこいエルゼ』とは、物語のパーツさえ、同じものが用いられていたりします。 これらの物語は当たり前のことが理解できない相手に対した時、どういうことが起こるか、というお話であると思います。そこには、コミュニケーションが成り立たない世界が展開し、そこへ迷い込むものを苛立たせます。 彼らは、言われたことしかしません、自分の頭で考え行動することができません。でき...
'ものがたり'散策 | 2017.02.16 Thu 18:20
ある日、ある王国の宮殿の庭に現れた黄金の鳥を、三人の王子は捕らえようとしますが逃げられてしまいます。三人は、王さまに、それを捕らえるよう命令を受けて旅に出ます。 そこへ一匹の狐が現れて、王子たちを助けようと忠告を与えるのですが、上二人の兄は狐のいうことなど気にも掛けず、それどころか旅の途中で遊び呆けている始末。末の弟だけが狐のはなしを真面目に聞きます。 しかし彼は正直過ぎました。狐の、せっかくの忠告より、その場の人としての行動を優先させてしまい、失敗を繰り返します。狐の忠告は役に立ちませ...
'ものがたり'散策 | 2017.02.15 Wed 22:16
トールキンの『ホビットの冒険』のゴクリを思わせるような小人が登場します。『ホビットの冒険』と同じように、謎かけの勝負を挑んできて、主人公に敗れてしまいます。その謎かけの問題とは、小人自身の名前を当てるというものです。小人の名前は、題名にもなっている、ルンペルシュティルツヒェンと言います。 主人公は、粉屋の美しい娘です。父親がたまたま王さまにあった時、見栄を張って、ついこんなことを口にしてしまいます。娘はわらを紡いで金にすることができると...。娘は、これにより、王さまに、いいように利用され...
'ものがたり'散策 | 2017.02.14 Tue 18:27
とある三人の兄弟が、貧しさのため、幸運を求めて森をさまよいます。すると不思議なことに、さまよえばさまようほど、価値の高い宝物に出くわします。 上ふたりの兄は、とりあえずの金品を手に入れて満足し、家に戻るのですが、末の弟は、野心家で、足ることを知らず、または欲をかき、次に見つかるものは、もっといいものであろうことを期待して、森をさまよい続け、ついには強大な力を手に入れます。そして、国王となるのでした。 末の弟の視点からは、末子成功譚と考えることもできますが、多くの読者は、彼を、失敗者と感じ...
'ものがたり'散策 | 2017.02.13 Mon 18:37
グリム童話の中では一番好きなお話しです。 白雪姫の美しさに、母親である女王が妬みの感情を持ち、幾度となく女王は、白雪姫を殺そうと画策します。そのたびに白雪姫は森の小人に助けられるのでした。しかし女王は、しつこく、あの手この手と、白雪姫を殺しにやってくるのです。 とうとう毒りんごで、本当に白雪姫は殺されたのかと思いきや、現れた王子様に拾われて、またしても生き返り、二人は結婚式を挙げます。その結婚式に招待された女王は、のこのこと出かけて行き、その場で処刑される、というおなじみの物語です。 ...
'ものがたり'散策 | 2017.02.12 Sun 18:20
ある王さまに、美しい娘がいました。しかし、その王女は、高慢で、わがままで、手の施しようがありません。彼女は、結婚を申し込んでくる者を、皆、断ってしまい、そのうえ、彼らに、なんぐせをつけます。 その中にはつぐみひげの王さまも含まれていました。彼は、王女に、つぐみのくちばしのような顎をからかわれて、以後、そのようなあだ名がつけられてしまったのです。 王様は、娘に、ほとほと困り、とうとうさじを投げてしまいます。こうなったら、誰でもいいから、城に物乞いにきた乞食にでも、娘を差し出して、結婚させて...
'ものがたり'散策 | 2017.02.11 Sat 18:30
みつけ鳥とは、森の管理人が、森で拾って育てた男の子の名です。森の管理人にはレーンヒェンという娘がいます。子どもたちは仲良しに育って互いに相手を唯一無二の存在としています。物語のなかで繰り返されるお互いの忠誠の確認でもそれは知れます。 家には、料理番のザンネおばあさんがいるのですが、彼女がある日恐ろしい計画を立てているのをレーンヒェンは知ります。みつけ鳥をゆでて料理しようというのです。 レーンヒェンは、この危機を何とか逃れようと、みつけ鳥を連れて、森へ出て、隠れるために変身を繰り返します。...
'ものがたり'散策 | 2017.02.10 Fri 18:58
一般的には、フランスのベロー童話集でおなじみの『眠れる森の美女』の類話という扱いなのでしょうか。ベロー童話集のほうが年代的にも先ですし、物語としても『眠れる森の美女』のほうが知名度も高いでしょう。 グリム兄弟は、グリム童話初版から第二版へ版を重ねた際に、かなりの数のフランス起源の童話を削っています。しかし、この物語は自身の国であるドイツにも広く伝搬してきた歴史があるので残したようです。 美しい物語です。この物語に描かれているのは、ある一つの不手際のせいで起こる、失われた、百年の年月と...
'ものがたり'散策 | 2017.02.09 Thu 18:23
これまで読んできたグリム童話に、この物語と類似の物語がいくつかあります。(KHM9)『十二人の兄弟』、(KHM25)『七羽のからす』。いずれのお話も世界の民話、昔話の分類体系の世界標準、アールネ・トンプソンのタイプ・インデックスの451が割り振られています。兄を救う、妹の物語の類型と言っていいと思います。 特に、この物語と『十二人の兄弟』は出だしこそ違う物語ですが、途中からは大筋で一緒といっていいくらいです。大きな違いは、題名でわかるように、魔女によって、兄達がカラスに変身させられているか、白鳥に...
'ものがたり'散策 | 2017.02.08 Wed 18:59
このお話しの主人公、犬のズルタンは、もう年老いたため、役立たずになって、主人に殺されようとしています。ここで『ブレーメンの町楽隊』のように、人の元から逃げ出す、快活な物語を想像したのですが、お話しは、ズルタンの親友の狼をまみえて、あくまで主人のもとに残る方向で進みます。つまり犬という存在の忠誠心がこの物語の骨子です。 そして、ズルタンは親友の狼に助けてもらい、無事、自身の延命に成功します。しかし親友とはいえグリム童話の狼です。ただでは引き下がりません。狼は、ズルタンに貸しができたとばかり思...
'ものがたり'散策 | 2017.02.07 Tue 18:28
全147件中 91 - 100 件表示 (10/15 ページ)