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これまで読んできたグリム童話に、この物語と類似の物語がいくつかあります。(KHM9)『十二人の兄弟』、(KHM25)『七羽のからす』。いずれのお話も世界の民話、昔話の分類体系の世界標準、アールネ・トンプソンのタイプ・インデックスの451が割り振られています。兄を救う、妹の物語の類型と言っていいと思います。 特に、この物語と『十二人の兄弟』は出だしこそ違う物語ですが、途中からは大筋で一緒といっていいくらいです。大きな違いは、題名でわかるように、魔女によって、兄達がカラスに変身させられているか、白鳥に...
'ものがたり'散策 | 2017.02.08 Wed 18:59
このお話しの主人公、犬のズルタンは、もう年老いたため、役立たずになって、主人に殺されようとしています。ここで『ブレーメンの町楽隊』のように、人の元から逃げ出す、快活な物語を想像したのですが、お話しは、ズルタンの親友の狼をまみえて、あくまで主人のもとに残る方向で進みます。つまり犬という存在の忠誠心がこの物語の骨子です。 そして、ズルタンは親友の狼に助けてもらい、無事、自身の延命に成功します。しかし親友とはいえグリム童話の狼です。ただでは引き下がりません。狼は、ズルタンに貸しができたとばかり思...
'ものがたり'散策 | 2017.02.07 Tue 18:28
グリム童話を含む民話や昔話について、気になっていることがあります。ある一定数なのですが、民話や昔話は残酷であるとする人の存在です。確かに残酷な描写が出てくるものもあります。では民話や昔話は残酷かというと、わたしは、そうとばかりは思いません。ドイツ文学者の小澤俊夫さんの考え方に与する者です。 小沢さんは著書で述べています。民話、昔話は、極めて主人公中心の物語が多く、聞き手や読み手は、主人公に共鳴せざるを得ない構造をしていて、予兆としての残酷さはが描かれていたとしても、決して予兆の通りにはなら...
'ものがたり'散策 | 2017.02.06 Mon 18:51
この物語には、継母が、継子の首を落として殺し、体を細切れにして、シチューにし、父親に、こっそり食べさせてしまうというエピソードを含むので、グリム童話に時々ある残酷な物語の中においても、その残酷さにおいて筆頭にあげられることもあるようです。 しかし、力点はそこにあるのではなく、継子が、骨からの復活することにある、とする考え方が主流のようです。 継母は、グリム童話にお決まりの魔女と、同等の残忍さをもって描かれます。そして、ついには、行きがかりとはいえ継子を殺してしまうのでした。 さらに...
'ものがたり'散策 | 2017.02.05 Sun 18:42
三人の姉妹が、”開けてはならない扉”を開けてしまい、それぞれに、試練が与えられ、どう対処するかということのてんまつが語られます。 ”開けてはならない扉”というモチーフは、『マリアの子』にもありました。そして『マリアの子』同様、このお話しでも、主人公に真実の告白が求められています。 しかし、真実の告白求めてくる対象が、『マリアの子』では、”善”に与する”マリア”であったのに対して、このお話では、”悪”に与する”魔術師”ということで、おのずと対処のしかたが違ってくるのでしょう。 上二人の娘は、ここ...
'ものがたり'散策 | 2017.02.04 Sat 18:18
お馴染みの、おやゆびこぞうの冒険譚なのですが、その父親が仕立て屋という設定です。 それぞれのキャラクターは、単独で主人公を張る場合が多いのですが、この物語のように仕立て屋が主人公の父親という設定も珍しくありません。その場合、ときに感じられる、仕立て屋としてのキャラクターは、あまり表に出しません。今回もそのパターンです。 しかし、この2つのキャラクターが共演していることで、気になったことがあるので、そのへんのことについて述べてみたいと思います。それは、2つのキャラクターの共通点と差異です。 ...
'ものがたり'散策 | 2017.02.03 Fri 18:29
(KHM42)『名づけ親どの』は、どこか不完全で、しりきれとんぼの感が否めませんでした。この物語はその物語の不足分を補ってくれます。言わば『名づけ親どの』の、ある意味、完全版といったところでしょうか。 主人公は、子どもの名付け親を頼んだ父親から、名付けられた子どもが成長した後のものとなります。また、名付け親さんの正体もはっきりします。もうすでに、その片鱗は見せていましたが、この物語ではっきりとしました。死に神です。 また、死に神が、名付け親になるいきさつで、名付け親となる候補が、他に二名登場し...
'ものがたり'散策 | 2017.02.02 Thu 19:17
ある貧しい子沢山の男が、新しい子の名付け親になってくれる人の宛がなくなって困っていたところ、ある夢を見ます。夢は、ある男を名付け親にするように告げました。 男は、夢のお告げとばかりに喜んで、そのある男に、名付け親になってもらうのですが、そのある男は、彼に、不思議な術を授けます。それは、病人の前に出れば、その病人が助かるか、それとも死んでしまうのかが分かり、助かる場合は、命を救うことができる、というものでした。 あるとき王様の子どもが病気になり貧しい男はその術を使って、二度、命を救います。...
'ものがたり'散策 | 2017.02.01 Wed 18:38
めんどりとおんどりが、あるとき旅に出ることになり、おんどりが美しい馬車を作ります。馬車は四匹のネズミに引かせました。 物語が綴られてゆく過程で、この一団には、新たな成員が、猫、石うす、卵、あひる、留め針、縫い針という具合に加わっていきます。 そして、彼らは、コルベスさんのところへ向かっていることが、突然明かされます。そして、留守にしている彼の家につくと、各員は所定の位置に着くのでした。 そこへ、コルベスさんが帰宅すると、次々に彼を襲います。しかし、コルベスさんが襲われる理由が、一切説明...
'ものがたり'散策 | 2017.01.31 Tue 18:26
何かを判断する場合、現代では、とかく思考が優先されるので、それは、申し訳程度につけられるくらいの根拠にしかならないかもしれません。それは直感ともいうべきものです。この物語では、その直感が、モチーフの一つとして、重要な役目を果たしています。 そして、この物語では、特に、女性の直感が扱われます。女性の勘と呼べばよいのでしょうか。鋭いと言われるそれですが、世の女性に、民話として語り継がれてきた、知恵として考えることもできると思います。 勘というと聞こえが悪いかもしれませんが、直感とは、ある意味...
'ものがたり'散策 | 2017.01.30 Mon 20:06
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