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中学生におすすめしたいトンケ・ドラフト『王への手紙(上・下)』(岩波少年文庫)

JUGEMテーマ:児童文学 11/11/23  文体研究のために、翻訳もすばらしいオランダの女性作家トンケ・ドラフト『王への手紙』を読み、感服。最近、読書感想文という検索ワードで当ブログをご訪問になるかたも多いので、中学生におすすめしたいです。イギリスの女性作家ローズマリ・サトクリフ『第九軍団のワシ』は読んでいる最中ですが、これも中学生におすすめしたい本です。大人が読んでも、すごく面白いですよ。  岩波少年文庫のコーナーには、書店に出かけたときは必ず行くので、背表紙だけは見ていたのですが、手にとったことは...

マダムNの児童文学作品 | 2012.01.11 Wed 20:17

C.S.ルイスの功罪を問うてみたい気がしている

JUGEMテーマ:児童文学11/10/22  児童文学の評論を書きたいと思ったが、採り上げたい日本人作家が見つからない。リンドグレーンで書こうと思ったが、スウェーデンのことに無知であるうえに、スウェーデン語が全くわからないというのではやはり無理だ。例えば『はるかな国の兄弟』に出てくるカルマ滝。死後の世界を特異な構造で描いた作品なのだが、作品の雰囲気と相まって、カルマ滝のカルマとは、仏教用語Karmaなんだろうか、とどうしても思ってしまう。  どうしても知りたいとなると、翻訳家か研究家に出版社を通じて質問し...

マダムNの児童文学作品 | 2012.01.11 Wed 20:00

【児童文学回想録】消えた『消えた二ページ』を追え

JUGEMテーマ:児童文学 誰でも一度くらいは胸をうち震わせるような読書体験をしたことがあるだろう。それほど多くの本を読んできたわけではない私にも、衝撃的な読書体験をしたことが何度かある。   なかでも特に強く印象に残っているのは、小学校二年生のときに出会った一冊の本をめぐるエピソードである。              ◇   小学二年生:寺村輝夫著『消えた...

AMBER-ROOM | 2012.01.06 Fri 03:46

霧のむこうのふしぎな町

小学生の頃に読んで大好きだった本。タイトルを忘れてしまっていて、覚えているのは、ふしぎな町とピエロの傘…。数年前、雑誌で紹介されているのを見て、十年越しの出会いを果たしました。赤レンガの洋館やクリーム色の本屋、食べても太らないお菓子屋さんが並び、小人やケンタロウスが闊歩する“めちゃくちゃ通り”。住人たちは、魔法使いの子孫!外国のファンタジーのようなスケールの大きさはないけれどもしかしたら私も“めちゃくちゃ通り”に行けちゃうかも?なんて思わせてくれる、身近なファンタジー。一人じゃ何もできなかったリナ...

百万年ピクニック | 2011.12.19 Mon 18:31

白雪姫 グリム

今日はグリムの【白雪姫】を紹介します。童話です。子どもでなければ読めない話だと思います。グリム兄弟は19世紀ドイツの言語学者であり民話収集家です。ドイツは現代史に於いても、市民による革命によって自由を勝ち取った経験があって、この白雪姫という物語にもそういう悪しき為政者を追放するという内容が強く含まれています。英語の勉強をしている方は、このグリム童話の英語版がお薦めです。そんなにむつかしくないストーリーですから読みやすい英語になっていて、英語に親しむのには最適なのではないでしょうか。ぜひブック...

明かりの本 | 2011.12.03 Sat 00:20

都会のトム&ソーヤ(5)IN塀戸

マチトム史上最大のトリックがとけるか!?マチトムシリーズ第五作。ついにベールを脱いだ大仕掛け。この謎をクリアすることができるのは誰か?シリーズ最大のボリュームで栗井栄太の最新ゲームに挑む! お勧めされて、今回初めて、このシリーズではやみねかおるさんの本を読んでいるわけですが、まだ文体に慣れません。1〜4巻と読んできましたが、一番おもしろかったです。ラストが特に好き。ゲームって、そういうことか、と創也が今までゲーム作りに熱中しすぎていて、入り込めなかったところがあったのですが、すごくすんなり入ってき...

ぼくをつかまえてごらんよ | 2011.11.29 Tue 22:09

フランダースの犬 マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー

今日はマリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメーの《フランダースの犬》を紹介します。これはきっと、アニメで知っている人が多いと思うのです。興味をお持ちであれば、菊池寛が翻訳したこの児童文学を読んでみてください。80ページほどの中編小説です。マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメーという名前を聞いたことがないという人は多いと思いますが、これはOuida(ウィーダ)というイギリスの作家の本名です。ウィーダはイギリス人の母とフランス人の父を持ち、イタリアへの移住に憧れ、晩年はイタリアで暮らした作家です。初期のウィーダは、...

明かりの本 | 2011.11.26 Sat 00:07

星の銀貨 グリム兄弟

今日はグリム兄弟の『星の銀貨』を紹介します。これは喜捨についての物語です。さいきん、ルターという宗教改革者の本を少しだけ読んだのですが、ルターは自国のキリスト教に関して、利権ばかりを大切にする教会のありかたに異を唱え、キリストはこのような世界を望んではいなかったはずであり、キリスト者は、もっとよりキリストの教えに近い聖書へと帰ってゆけと述べて当時の宗教界を大きく変えてゆきました。ルターは罪から逃れたいという思いの強い人びとに対して、贖宥状(しょくゆうじょう)を買い求めることはないと説き、このよ...

明かりの本 | 2011.11.01 Tue 22:40

ジャックと豆の木 楠山正雄

今日は楠山正雄の翻訳したイギリス童話『ジャックと豆の木』を紹介します。この話を聞いたことがない人はたぶん誰も居ないと思いますが、登場人物とできごとの順序を正確に覚えている人は、もともと記憶力の良い人か、あるいは最近ぐうぜん読んだのか、またはなにか専門的に児童書や物語に関わっている人だけではないでしょうか。記憶力の良い人は、このずいぶん昔に読んだ内容を、一つも順序を間違わずに憶えているのでしょうか? この童話を読み始める前に、ちょっと、この話のあらすじをうろ覚えで書いてみました。ジャックがこう...

明かりの本 | 2011.10.30 Sun 15:57

小説「見知らぬ国のコッペ」

児童向きの小説を書きました。大人も読めるシュールなファンタジーです。153頁ちょっと厚めの本。印刷屋さんで作ったのでキレイに製本されてます。見知らぬ国のコッペ小説153ページ800円 ◆見本◆--------------------------------------------------------------------- コッペちゃんのお家は、丘の上の一家屋。 街から遠くはなれた所にあります。 隣によそのお家や、お店屋さんなんてないのです。 ですので、ごはんの材料やトイレの紙や電球を、お父さんお母さんが、車でお買い物へ行くのです。 「いい子でおるすばん、してい...

苺を食らわば、毒まで! | 2011.10.14 Fri 14:11

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