透きとおった糸をのばして 草野たき少女の心情がとてもいいです。あらすじ(amazon)第40回講談社児童文学新人賞受賞作 親友との仲がうまくいかずに思い悩む中2の香緒(かお)。研究に熱中することでなにかを忘れようとする大学院生知里(ちり)。ふられた恋人を追って上京してきたるう子。奇妙な共同生活をおくる3人の部屋の中、からみ合いはじめる見えない糸。親友の好きな子に好かれてしまい、そのせいで疎遠になった親友をいつまでも待っている主人公。中学生のころって些細なことで、距離が離れたりくっついたり、難しいですね。...
ふしぎの本棚 おすすめ絵本とファンタジー児童書 | 2012.03.15 Thu 09:45
ハーブガーデン 草野たき不意打ちをくらって泣いてしまった。何が不意打ちかって言うと、意外な登場人物が、内面を吐露したところが。最初は「よくあるお話よね」と軽い気持ちで読んでいたのです。今回「ネタバレ」含みます。読んで見たい方は、あらすじより下は見ないでください。あらすじ(amazon)「子どもなんて仕事の邪魔でしかない」電話口での母親の言葉を立ち聞きした由美は、お母さんに嫌われないように自分の気持ちを言わないでいた。けれど、心の中は寂しかった。そんなとき、あこがれのモデルにそっくりな中学生と出会う...
ふしぎの本棚 おすすめ絵本とファンタジー児童文学 | 2012.02.10 Fri 16:09
12/1/6 4~6歳対象で10枚 幼児から小学1~2年対象で15枚 という目標を掲げて、まず4~6歳対象の童話にチャレンジしているところだが、難しい。 子供の発達は目覚しいから、自分の子供たちのことを思い出してみても、4歳児と6歳児では全く違う。幼稚園生で考えると、 年少……3歳~4歳 年中……4歳~5歳 年長……5歳~6歳 という理解でいいだろうか。 孫でもいれば、もっと身近に感じられるのだろうが、幸い、子供たちのその頃のことはよく記憶している。 幼稚園の頃の自身の感覚はこの年齢...
マダムNの児童文学作品 | 2012.01.11 Wed 20:25
JUGEMテーマ:児童文学 11/11/23 文体研究のために、翻訳もすばらしいオランダの女性作家トンケ・ドラフト『王への手紙』を読み、感服。最近、読書感想文という検索ワードで当ブログをご訪問になるかたも多いので、中学生におすすめしたいです。イギリスの女性作家ローズマリ・サトクリフ『第九軍団のワシ』は読んでいる最中ですが、これも中学生におすすめしたい本です。大人が読んでも、すごく面白いですよ。 岩波少年文庫のコーナーには、書店に出かけたときは必ず行くので、背表紙だけは見ていたのですが、手にとったことは...
マダムNの児童文学作品 | 2012.01.11 Wed 20:17
JUGEMテーマ:児童文学11/10/22 児童文学の評論を書きたいと思ったが、採り上げたい日本人作家が見つからない。リンドグレーンで書こうと思ったが、スウェーデンのことに無知であるうえに、スウェーデン語が全くわからないというのではやはり無理だ。例えば『はるかな国の兄弟』に出てくるカルマ滝。死後の世界を特異な構造で描いた作品なのだが、作品の雰囲気と相まって、カルマ滝のカルマとは、仏教用語Karmaなんだろうか、とどうしても思ってしまう。 どうしても知りたいとなると、翻訳家か研究家に出版社を通じて質問し...
マダムNの児童文学作品 | 2012.01.11 Wed 20:00
JUGEMテーマ:児童文学 誰でも一度くらいは胸をうち震わせるような読書体験をしたことがあるだろう。それほど多くの本を読んできたわけではない私にも、衝撃的な読書体験をしたことが何度かある。 なかでも特に強く印象に残っているのは、小学校二年生のときに出会った一冊の本をめぐるエピソードである。 ◇ 小学二年生:寺村輝夫著『消えた...
AMBER-ROOM | 2012.01.06 Fri 03:46
小学生の頃に読んで大好きだった本。タイトルを忘れてしまっていて、覚えているのは、ふしぎな町とピエロの傘…。数年前、雑誌で紹介されているのを見て、十年越しの出会いを果たしました。赤レンガの洋館やクリーム色の本屋、食べても太らないお菓子屋さんが並び、小人やケンタロウスが闊歩する“めちゃくちゃ通り”。住人たちは、魔法使いの子孫!外国のファンタジーのようなスケールの大きさはないけれどもしかしたら私も“めちゃくちゃ通り”に行けちゃうかも?なんて思わせてくれる、身近なファンタジー。一人じゃ何もできなかったリナ...
百万年ピクニック | 2011.12.19 Mon 18:31
今日はグリムの【白雪姫】を紹介します。童話です。子どもでなければ読めない話だと思います。グリム兄弟は19世紀ドイツの言語学者であり民話収集家です。ドイツは現代史に於いても、市民による革命によって自由を勝ち取った経験があって、この白雪姫という物語にもそういう悪しき為政者を追放するという内容が強く含まれています。英語の勉強をしている方は、このグリム童話の英語版がお薦めです。そんなにむつかしくないストーリーですから読みやすい英語になっていて、英語に親しむのには最適なのではないでしょうか。ぜひブック...
明かりの本 | 2011.12.03 Sat 00:20
マチトム史上最大のトリックがとけるか!?マチトムシリーズ第五作。ついにベールを脱いだ大仕掛け。この謎をクリアすることができるのは誰か?シリーズ最大のボリュームで栗井栄太の最新ゲームに挑む! お勧めされて、今回初めて、このシリーズではやみねかおるさんの本を読んでいるわけですが、まだ文体に慣れません。1~4巻と読んできましたが、一番おもしろかったです。ラストが特に好き。ゲームって、そういうことか、と創也が今までゲーム作りに熱中しすぎていて、入り込めなかったところがあったのですが、すごくすんなり入ってき...
ぼくをつかまえてごらんよ | 2011.11.29 Tue 22:09
今日はマリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメーの《フランダースの犬》を紹介します。これはきっと、アニメで知っている人が多いと思うのです。興味をお持ちであれば、菊池寛が翻訳したこの児童文学を読んでみてください。80ページほどの中編小説です。マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメーという名前を聞いたことがないという人は多いと思いますが、これはOuida(ウィーダ)というイギリスの作家の本名です。ウィーダはイギリス人の母とフランス人の父を持ち、イタリアへの移住に憧れ、晩年はイタリアで暮らした作家です。初期のウィーダは、...
明かりの本 | 2011.11.26 Sat 00:07
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