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「薄暮」　篠田節子

JUGEMテーマ：Book review 内容（「BOOK」データベースより）亡き画家は、夫である以前に彼女にとっての神なのかもしれない。田園を美しく輝かせる一瞬の光が、雪国に厳しい冬の訪れを告げる―。封印されていた一枚の絵が脚光を浴びた時、「閉じられた天才画家」は妻の元を離れ、郷土の人々の欲望と疑心がうごめき始める。著者の新境地を示す傑作長編。すでに亡くなっている画家の絵を巡って色々な人の思惑や人生が交錯する長編です。ミステリーの色合いもあり、読んでいるうちに真相が知りたくなり読む手が止まりま...

ものモノmono | 2009.11.15 Sun 22:51

書評：優雅で感傷的な日本野球

JUGEMテーマ：Book review 「優雅で感傷的な日本野球」高橋源一郎（著）河出書房新社、１９８８年最近はまり始めた高橋源一郎の２１年前の小説である。この小説もデビュー作「さようなら、ギャングたち」と同じようにハチャメチャで奇想天外なストーリーで構成されており、デビュー作で感じたぶち壊しのエネルギーがまだたっぷりと残っている。そしてこの小説の面白さはストーリーそのものだけではなく、小説全体の構造にもある。この小説の中の様々なストーリーの起点になっているのは、最後の章に出てくる阪神ファンの劇作家によ...

２σの向こうに | 2009.11.14 Sat 23:21

シュガーレス・ラヴ

Book review前回呼んだ「おひさまのブランケット」はかなりの少女小説でしたが、今回の本自体のテーマは、あらゆる女性が悩むであろうストレス。・骨粗鬆症・アトピー性皮膚炎・便秘・突発性難聴・睡眠障害・生理痛・アルコール依存症・肥満・自律神経失調症・味覚障害をそれぞれ題材にした10話が収録されています。私のお気に入りは「観賞用美人(便秘)」「眠らぬテレフォン(睡眠障害)」「秤の上の小さな子供(肥満)」です。明るい話ではないですが、病気を理解しているからこそ書ける内容だと思います。嫌いじゃないです。

corduroy | 2009.11.14 Sat 13:51

書評：タクシードライバーほど面白い商売はない

JUGEMテーマ：Book review 「タクシードライバーほど面白い商売はない」中嶋浩（著）東洋経済新報社、２００３年今までおそらくはなかったであろうタクシードライバーの入門書である。これまで数え切れないほどタクシーを利用してきたけれども、実際のタクシードライバーの仕事について詳しく知る機会はなかなかなかった。なんとなくそういうことをドライバー本人に聞いてはいけないという気がしてきたのは、やはりどこかにタクシードライバーという職業を低く評価する自分がいたからではないかと思う。そういうことを聞くの...

２σの向こうに | 2009.11.13 Fri 12:47

書評：パピヨン

JUGEMテーマ：Book review「パピヨン」田口ランディ（著）角川学芸出版、２００８年どういう分類に属するのか良くわからない本である。ノンフィクションなのであろうが、その大半は末期がんの自分の父親を看取る体験談に自分の感情を加えて書き綴ったものである。それにしても僕は田口ランディという作家をずっと男だと思っていた。だってランディって普通は男の名前でしょ？　そしてこの本も題名からして当然小説なのだろうと思って手にした。知識不足であり、よく確かめなかった僕が悪いのであるが、なんとなくトリッキーで誠実さ...

２σの向こうに | 2009.11.12 Thu 13:24

「昭和史の論点」

JUGEMテーマ：Book review「昭和史の論点」（文春新書）：坂本多加雄,半藤一利,秦郁彦,保阪正康昭和史といいながら・・・戦争にいたる経緯と転機になった事件について真相を追求しようとした内容です。４人が自由に意見、感想を披露していた面白いです。現在の日本社会の問題点となるようなことも指摘されており、なかなか面白いです。それにしても・・・歴史と言うものはここまで生臭いものだったのかと思わされます。結局は人の気持ちがどのように変化していくかということだと思います。一人一人が雰囲気に流されることで...

パパの１０５円で読書 | 2009.11.11 Wed 06:09