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小ムハンマド-その七

日暮れまで、まだ一二時間ある。夜はこのジャマ・エル・フナ広場の屋台でカバブでも食べたいし、一度ホテルに戻ろうかと考えていると、また近くに人の気配を感じた。いささか警戒して振り向くと、あの素人ガイドの少年が、左目の周りを紫色に腫らして、すぐ側に立っていた。今日、彼と一緒に飴をあげた子ども達も二三人、少し離れた所に立ってこっちを見つめている。「ムッシュー、僕ガイドするよ」見ているこちらが目眩を起こしそうな痛々しい顔に、屈託の無い笑みを浮かべ、か細い右手の親指を立てて見せた。こういう所で生きる子ど...

白嘘物語‐つくもうそ物語 | 2012.03.14 Wed 21:44

小ムハンマド-その六

あの男の容赦の無い暴力は嫌悪するが、僕は義憤を燃やしたり、この国の子供たちに同情はしない。あの子たちは「可哀想なこども」ではない。自分の国の常識を、そのまま他国に当てはめるのは短絡だ。そんな事をぼんやり考えていると、カフェのボーイが注文を取りにやってきた。僕は、空腹を抱えて昼まで耐えた経験を踏まえ、持ち帰り用にペットボトルのミネラルウォーターを一本と、ホブズという丸パンを一個、そして喉を潤す為にミントティーを一杯頼んだ。テーブルに運ばれてきた長めのグラスには、切ったばかりかと思われるミント...

白嘘物語‐つくもうそ物語 | 2012.03.13 Tue 20:49

小ムハンマド-その三

子ども達はみなカフェオレ色の肌をして、痩せていて、大きな黒い瞳に長い睫毛が可愛らしかった。写真でも取らせて貰おうかと思い、コートのポケットの中のカメラに手を伸ばすと、一斉に子ども達が手の平を上にしてこちらに突き出し、僕の周りを取り囲んだ。――ああ、何かくれると思ったんだ。僕は慌ててもう片方のポケットに手を突っ込んだ。運が良いのか悪いのか、日本から持ってきたのど飴の袋が入っていた。僕はその袋から飴を取り出し、一個ずつ小さな手の平に乗せてあげた。女の子達は喜んでキャッキャとはしゃいだが、七八歳の生...

白嘘物語‐つくもうそ物語 | 2012.03.10 Sat 20:55

小ムハンマド-その一

ムハンマド、ムハンマド。この国で会った男達に名前を訊くと、大抵ははこう答える。ムハンマド。老いも若きも、ムハンマドだ。 近代的な白い街、カサブランカから長距離バスに乗って、この赤い街、マラケシュに着いたのは、昼少し前の事だ。駅前で、たまたま話しをしたアメリカ人の若いカップルとタクシーに相乗りして、ジャマ・エル・フナ広場までやって来た時、広場はポッカリと黒い地面を空けて、その真中で何人かの少年たちが組体操のようなアクロバット芸を見せていた。大きなタンバリンを持った大人の男が、それを見ている...

白嘘物語‐つくもうそ物語 | 2012.03.08 Thu 22:34

駅の匂い「白嘘物語」第七十五話

 会社勤めってのは難儀なものだ。頑張れ頑張れ、数字を上げろ、自己改革しろ、改善しろ、漫然と仕事をするな。挙句に仕事を楽しめ、笑顔を忘れるな、と来る。 内心、毒づきながらも、そんな会社にしがみついている自分もイヤだ。ノルマを達成出来なかった週の日曜日、ふらりと近所の小さな駅に出かけてみた。近距離のキップを買い、ホームのベンチに腰掛けて線路を眺める。子供の頃は、このホームに滑り込んでくる電車を眺めるのが好きだったっけ。いつの間にか駅は寂れ、ホームに人気はまばらだ。自分の人生は、これからどう進む...

白嘘物語‐つくもうそ物語 | 2012.02.16 Thu 23:00

待ちあわせ「白嘘物語」第六十四話

授業が終わったら、高台にある神社で待ちあわせしようと、あの娘に言った。時間は言わなかった。時計の針に急かされたり、じりじり待ったりするのが嫌だったからだ。賽銭箱の中を覗いたり、狛犬の顔を眺めたりして時間を潰す。そのうち立ち疲れて、鳥居の前の石段に座って待つ事にした。そろそろ日が暮れる。もう小一時間は経っただろうか。あの娘は来ない。振られたのかな?それとも場所を間違えたのかな?数羽の鴉が、アハハハハと笑いながら頭上を飛んでゆく。帰れ、帰れと嘲るように笑っている。「白嘘物語」第六十四話  JUG...

白嘘物語‐つくもうそ物語 | 2012.02.14 Tue 23:29

覚醒しない・・・

JUGEMテーマ:短編小説 「わかってるのか?もう 何度も話してるはずだ。」もう何度も 耳の奥に繰り返し声が響く。「おまえは 何のために この人生に転生した?」「おまえには 伝えるべきことがある。そうではないのか?」・・・・小さい時から お話し作りが好きだった。心の奥底から 湧いて出てくる言葉の嵐に、 自分をもてあましたことがあった。この湧き出るアイディアの泉は何だろう。汲んでも汲んでも 湧き出る泉。泉に映る 月の影。ルナが 私を見つめている。泉に映るルナは この長い生涯 私を捉えて離さない。...

シリウスの泉   | 2012.02.13 Mon 14:36

車窓より海を臨む「白嘘物語」第三十三話

朝起きると、とっくに会社の始業時間を過ぎていた。寝起きのぼんやりした頭で携帯を見ると、何度か会社から電話が来ていたようだ。携帯と時計を交互に眺めた後、私は携帯の電源を切ってしまった。 もういいや、今日は休みだ。私は普段着に着替えると、そのまま駅に向かった。駅でお弁当とお茶を買い、適当な電車を選んで旅に出る事にしたのだ。 平日の午後の長距離電車はガラガラで、お弁当を食べて車窓を眺めているうちに眠くなってきて、そのうち私は寝入ってしまった。目が覚めた時、窓の外には灰色の海が広がり、空は茜色に染まっ...

白嘘物語‐つくもうそ物語 | 2012.02.10 Fri 21:55

鍵穴「何処にも無い国の物語」

古い館でございます。木と石と金属が、程良く調和して穏やかなものです。ドアも立派でございましょう?ああ、鍵でございますか?このドアの鍵は、もうどこへ行ったやら覚えておりません。ええ、いつも開けっ放しなので鍵など必要ないのですよ。え?寒いから閉めましょうとおっしゃる。はぁ、まぁ、どうしてもとおっしゃるなら閉めないでもございませんが、どうもあまりよろしくないのですよ。ドアを閉めますとね、誰かが覗くのです。その、鍵穴から。本当ですよ。私も目と目が合って、腰を抜かした事があるのです。でも、ドアを開けっ...

白嘘物語‐つくもうそ物語 | 2012.02.05 Sun 23:08

緑は青「白嘘物語」第九話

小さな小川の上に丸木橋がかかっていた。雨上がりの森の中だ。今は五月の終わり。水芭蕉を見に来たのだが花はすっかり終わってしまい、葉ばかりがわさわさと大きく茂っている。 意外と水芭蕉とは大きな植物だ。 ふと見ると、小川の中を幼女が歩いている。裸足で、緑色の雨合羽を着て、ばちゃばちゃと嬉しそうに水音を立てて。とても楽しそうだったので、思わず声をかけた。「ねぇ、水は冷たくないの?」幼女がくるりと振り返って私を見た。黒いつやつやした真ん丸な目だ。そして、ククッと笑うと、そのまま、すーっと水の中に身を...

白嘘物語‐つくもうそ物語 | 2012.01.28 Sat 22:42

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