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「呪われし御子、国を滅ぼす皇子、僕はそんな運命をあきらめて享受していたわけじゃなかった。自分で信じてたよ。僕はそんなんじゃない。頑なに、そう思い続けてた。誰もかえりみてはくれなかったけど、傷つけられてばかりだったけど、僕の両親、僕の兄弟、それらを僕は、憎んではいなかった。絶対、自分の運命に甘んじて、抗わず、戦わず、流されるだけにはなったりしない。ここで負けて全て憎んでしまったら、僕は本当に予言の通りの存在になってしまう。 ……はじめのうちはね。そう思って。 でも、兄上にあってから、変わったんだ...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2011.11.04 Fri 09:16
※※※ 遠い日。 皇国を滅ぼす白い皇子。エルティアナはそう呼ばれていた。 エルティアナは呪われし御子。誰からも疎まれ、蔑まれ、産みの母すらも彼女を怖れた。 彼女を愛したのはただ一人、アルセイスだけだった。 皇子と呼ばれる少女に、アルセイスはいつも花を贈った。アルセイスは正義感の強い男だから、その優しさは、はじめはただエルティアナの境遇を憂え、同情の心から来ただけだったかもしれない。しかし時と共にまばゆく成長していくエルティアナに、アルセイスは心奪われずにはおらなかった。いつしか、エルティア...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2011.11.03 Thu 22:00
風は強かった。雲は飛ぶように流れていた。月光は明滅をくり返し、初老の男の寝顔が、闇の中現れては消え、消えては現れる。エルティアナは、蒼白な顔で、それを見下ろしていた。 力の律動を感じて、少女は体を震わせていた。 広がっていく、不可視の黒い炎。 死を誘う、暗黒の炎。 兄が放ったにしてはあまりにも禍々しいゆらめきに、エルティアナは後ずさった。黄泉の国から呼び出された煉獄の炎は、憎悪を糧に燃え上がるという。一度動き出したら全てを燃やし尽くすまで尽きることない、人を殺すための黒い魔術のなれの...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2011.11.03 Thu 18:50
「ごめん、泣くつもりなんか、なかったのに」「何を言う。泣きたいときは思い切り泣け。泣いているお前も、可愛い」 しかしエルティアナは、あきれた顔で男を見上げる。 「兄上って、いつもそんなことばっかりだね……」「…………」 エルティアナは吹き出してくすくすと笑いを漏らしたが、すぐに強く真剣な目つきになり、涙を拭いながら言った。「兄上を、ここから出してあげたいんだ」「エルティアナ、それは」「兄上は皇子様だったのに。僕、知ってる。みんなが兄上のことを好きだった。なのにどうして兄上がこんな目にあわな...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2011.11.02 Wed 18:55
R12※物語進行の都合上、本作は若干の性的・反社会的表現を含みます。 終わらない物語。 過去も未来もない。 忘却の海に取り残された、 それは永遠(とわ)に、凍てついた時間。 闘神伝説BRUSTER【エルティアナ】 そこは、死への道のような、地下深くの回廊。冷たくかび臭い石壁に揺れる炎が、死神の笑いのように不吉に揺れている。 その火影に白い着物をまとったか細い人の姿が照らし出された。年のころは十三、四歳ほどだろうか。透き通る白絹の肌、凛として誇り高い顔立ち。青い硝子玉のような瞳に宿る、強い意志...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2011.11.02 Wed 18:52
JUGEMテーマ:連載オパール三十一番目に近付くにつれ“最果ての地−シルフィード”は豊穣歳の準備が着々と整いつつあった。都市中に伝統あるお化け南瓜が飾られ一足早く母親が作ってくれた仮想衣装を着た子供たちが、はしゃいでいるのは見慣れた光景だ。こんな微笑ましい光景を悪意に利用する人間が一人。「…館長!! 何処ですか!?」「この時期になると館長の脱走癖が活発になるよね。お化け南瓜ばっかだから見付けるの大変だし…本当〜困っちゃうよね〜」じゃあ、俺はこれから彼女とデートだから。アールはリアの肩を叩き、リアが振り向くと...
*SKULLNIGHT* | 2011.10.28 Fri 23:53
今日には塗り上がらなかったので 描きかけごめん。でアップします。 無謀でした。 下書きでどんだけ時間使ったことか……。 こういう構図をささっ!と描ける腕じゃないんで(涙) パスするつもりだったけど 描けるかな?と描き始めたのが敗因。 文短いのに…(涙)(涙) ギデオンは兵を置き去りにしたディアヴォロスが、ワーキュラスと囁き更に、ローフィスと会話しながら、道を外れとんでもない場所に入り始めるのに慌てる。 岩山を登り始め、その険しさに眉を寄せ、が遅れまいと、馬を急かせた。 ...
アースルーリンドの騎士 | 2011.10.26 Wed 19:16
JUGEMテーマ:連載 「いやあ、参ったね!」 「何が?」 いつもの堀川ビリヤードの常連客の間でこんな会話が流れた。 世話焼きの石黒が他の常連客を捕まえては、こう切り出すのだ。 「お嬢とウッシー氏は3位タイ、ベストなんちゃら賞ももらったのは、まあ、妥当っちゃ妥当やけど」 「で、それで?」 「あのビギナーの、球歴数ヶ月の、あの佐倉ちゃんが、なんと!」 「だからさ、もったいぶらずに言ってよ〜」 ここまで期待を持たせたら、石黒のニヤニヤが止まらない。
Race to Eleven 〜 レース・トゥ・イレヴン | 2011.10.25 Tue 22:50
JUGEMテーマ:連載 「ありがとうございました!」 「お疲れ様でした」 そんな声がプレイヤー同士、そしてギャラリーや運営者からも聞こえ出した。 そして・・・ 「優勝おめでとう」 最後に闘った4名の選手たちはお互いに固い握手を交わして健闘をたたえ合う。すでに敗れてしまった出場者やギャラリーたちは彼らの周りを取り囲んだ。
Race to Eleven 〜 レース・トゥ・イレヴン | 2011.10.19 Wed 02:33
JUGEMテーマ:連載 「どうする?」龍は佐倉に問いかけた。佐倉はじっとテーブルを見つめている。 「攻めるか、あるいは守るか・・・」 龍はわざとどちらのプランの狙い目についても詳しく告げず、このラックを佐倉に預けた格好だ。ここで佐倉が迷っていたり黙っていたら、龍は自分が提案する答えをすでに持っていた。 ところが彼女はすぐに答えたのである。それは「守り」だった。なんとなく、直感が彼女にそう言っているのである。 龍はこくりと頷くと、そのプランの詳細を彼女に説明した。
Race to Eleven 〜 レース・トゥ・イレヴン | 2011.10.11 Tue 01:25
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