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整体師 諸星玄丈(再)67

JUGEMテーマ:連載第二章 玄丈先生の懸念4 奇怪な噂(3)   以上が気功師の予言の要旨であるが、未来の予言はともかく、この気功師がこれまで発表してきた伊豆の地震をはじめとする過去の予言については、ぼくの眼から見てもかなり確度が高いように思えた。 しかも、ぼくが噂を調べてから数日後、気功師の予言どおり、東京に小さな地震が起きたのである。たいした地震ではなかったため、世間はあまり騒がなかったが、一週間後にまたどかんときたときは、さすがに少々騒ぎになった。 このときの震源は東京湾で、震度三を記...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2010.01.25 Mon 10:07

整体師 諸星玄丈(再)66

JUGEMテーマ:連載  第二章 玄丈先生の懸念4 奇怪な噂(2) 伊豆沖地震を的中させてからというもの、気功師の予言は勢いづき、その恐怖じみた内容はさらにエスカレートしていった。その予言内容を紹介しよう。 ――近いうちに、やや大きな地震が東京に起き、ケガ人が多少出る。しかし、それはまだ予兆でしかない。もし、人々が悔い改めなければ、さらに大きな地震が、来月、つまり八月半ばに東京にやってくる。 ――さらに、もっと大きな壊滅的地震が今世紀末、すなわち二年後の一九九九年に東京を襲う。その場合、地震の揺れ...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2010.01.24 Sun 07:18

整体師 諸星玄丈(再)65

JUGEMテーマ:連載  第二章 玄丈先生の懸念4 奇怪な噂(1) ダイヤモンドホープ社の説明会から何日かたち、ようやく気持ちが落ち着いてきたころであった。奇妙な噂がぼくの耳に入ってきた。 ――今世紀中に東京に大地震が起き、しかも富士山までもが噴火する――という天災の噂である。 加藤さんから地震の話を聞いていたぼくは少々気になり、噂を調べてみようと思った。その結果、噂の出所は、ある人物がラジオ番組に出演したさいに語った内容であるとわかった。その人物は、かなり名の通った気功師らしい。 その気功師によ...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2010.01.23 Sat 09:29

アースルーリンドの騎士外伝。『幼い頃』冒険の旅 144

登場人物紹介 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…) テテュスが心配そうに、長く切れ込む傷が幾つもあるのに気づいて尋ねる。 「アイリスの戦った敵と、オーガスタスも戦ったの? だからオーガスタスはもっといっぱい、傷ついてたの?」 アイリスは、そうだ。と頷く。 「とても、素早くてね。 障気に憑かれると、限界を超えてその生き物の能力が発揮されるから………」 一通り塗りおえると、ローフィスはゼイブンに振り向く。 「光の粉を、くれ」 ゼイブンは懐から袋を取り出し、ローフィスに手渡す。 ...

アースルーリンドの騎士 | 2010.01.23 Sat 01:00

整体師 諸星玄丈(再)64

JUGEMテーマ:連載  第二章 玄丈先生の懸念3 ダイヤモンドホープ社の説明会(9)「あの会場に、以前ぼくをひっかけた男がいたんですよ。前田という男なんですがね。忘れもしない顔です。ですからこれはもう絶対インチキ商法に決まってます。ダイヤを売れば儲かる、売れなかったら在庫は返却してよい、と言葉巧みに信じ込ませてダイヤを買わせ、あとは知らん顔をするんですよ、きっと」「ええ、そうなの? でも、会場の人たちはみんな燃えていたじゃない」 敦子はまだ不審そうな顔つきでぼくの顔を見ている。「会場にいた人...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2010.01.22 Fri 07:08

整体師 諸星玄丈(再)63

JUGEMテーマ:連載  第二章 玄丈先生の懸念3 ダイヤモンドホープ社の説明会(8)「あの野郎、とっちめてやる」 ぼくはそう呟いて前田のいる方へ走っていこうとした。 だが、会場は満員で思うように進めない。人をかきわけ、かきわけして先を見ると、もう前田の姿はなかった。 その瞬間、ぼくは体が凍りつくような感覚を身体に覚えた。「ここはまずい!」 ぼくは心の中で叫んだ。 ここは危ないところだ。前田がいることが何よりの証拠だ。ぼくはあわてて敦子の方に戻り、彼女の袖を引っ張った。「どうしたのよ、げっしん...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2010.01.21 Thu 09:49

整体師 諸星玄丈(再)62

JUGEMテーマ:連載  第二章 玄丈先生の懸念3 ダイヤモンドホープ社の説明会(7) 講演が終わっても、会場はまだ興奮が覚めやらぬ雰囲気だったが、ここでアナウンスが流れた。 ――リーダーシップ理論の権威、巽治朗先生がお出でになりました。みなさま、拍手でお迎えください。 紹介された巽は壇上で簡単な挨拶をした。 ――それでは、みなさま、しばしご歓談ください。私どものトレーナーがご挨拶とご説明にまわりますので、よろしくお願いいたします。 しばらくすると、京子が、ぼくと敦子の前に巽を連れてきた。「こちら...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2010.01.20 Wed 08:18

アースルーリンドの騎士外伝。『幼い頃』冒険の旅 140

つなビィ -tuna.be- 登場人物紹介 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)  ウェラハスはそっと言った。 「傀儡(くぐつ)の凶王」 『神聖騎士か…………』 が、言った途端、空間がびりびり…!と震える。 『お前…さっきの奴らより格上だな…? 光の量が………』 「私にもっと発光されたく無ければ、直ぐにこの空間から撤退しろ。 見た所に寄るとまるで蜘蛛の巣のように随分、罠を張り巡らしたものだ。 が…甲斐が、あったようだな?」 無数にある洞窟内からの入り口に、ウェラハスは首をすくめ、周囲を取り巻く腐り...

アースルーリンドの騎士 | 2010.01.19 Tue 12:41

整体師 諸星玄丈(再)61

JUGEMテーマ:連載  第二章 玄丈先生の懸念3 ダイヤモンドホープ社の説明会(6) キャプテンはそのまま黙り込んでしまい、重苦しい沈黙の時が流れた。 ところが、やがて彼はさっと眼をあげて、意外な事実を告げたのである。「実は、そのあと不思議なことが起きたんです」 おや、キャプテンの声が変わっているぞ。「人のことを思いやるんだと気持ちを入れ替えたら、どういうわけか売り上げが前よりさらに伸びだしたのです」「おー」 聴衆が驚愕の声をあげた。「それからは、勢いがまったく止まりませんでした」「ほー」 ...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2010.01.19 Tue 11:15

整体師 諸星玄丈(再)60

JUGEMテーマ:連載  第二章 玄丈先生の懸念3 ダイヤモンドホープ社の説明会(5) まわりの様子が気になったので、チラッとうかがってみると、みな一様にほほえみ、うなずいている。キャプテンの言っていることが、自分の身に起きたことのように思っているんだ。 キャプテンの声がまた聞こえてきた。「売り上げは雪ダルマのように増えていき、すべてが順調に回りだしました。正直に言うと、このころは自分がセールスの天才ではないかと思っていましたね」「すごいぞ。さすがだ、キャプテン」 あちこちから称賛の声があがっ...

ブログ小説 整体師 諸星玄丈 | 2010.01.18 Mon 09:54

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