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JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(75)★ せっかく腕を開いて招き入れていると言うのに、いつまでも呆然としている三枝を自ら引き寄せるようにして、雫は三枝の首に両手を回した。 そしてそっと自分から三枝の薄い唇を啄んできたのだった。 何度も何度もそうして軽く角度を変えては三枝の唇に自分の唇を押し付けてくる。 それはバードキスと言われるように、可愛い小鳥たちがよく番のくちばしをくすぐり合うように啄ばむ姿に似ている事からそう呼ばれるキ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.06.04 Mon 05:09
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(74) 名前も知らないコロンだったけれど、この香りは大人の三枝にはよく似合っていると、この夏の間ずっと感じていた香りだった。 そしてそれは決して嫌いではない匂いでもあった。 そんな三枝に安心しきって身を委ねているとその耳元に、三枝の絞り出すような声が届いたのだった… 「雫…お願いだ…最後に抱かせて欲しい…」 雫は思わず三枝の手を振り払う...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.06.03 Sun 08:40
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(73) 三枝は他に守らなければならない吉澤の存在がある事に気づいてくれた。 同じように自分にも悠が居る。 三枝がこれから先の未来を吉澤に献身的に尽くして行くだろう事と同じく、雫も悠の深い心の闇と対峙しながら彼と共に在ろうと思っていた。 お互いに自分でなければその痛みを癒すことが出来ない相手だと思う。 これから先どう転ぶかは分からないそんな未来だったが、雫の心の封が解かれた今となってはそんな悠への気...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.06.02 Sat 04:57
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(72) 三枝にベッドに降ろされ唇を奪われた。あまり良いとは言えない家族連れ向けのツインルームのベッドは二人の男を抱き留めるには慣れてはいないらしく、ギシギシと安っぽい音を奏でていた。 ベッドに降ろされた雫のガウンは簡単に紐解かれて前が肌蹴てしまう。 そこにはまだ軽井沢に来た頃と同じ何も跡など付いていない綺麗な肌が晒されていた。 もうそれくらい三枝には抱かれてはいなかった事が分る肌の白さだった。 (前...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.06.01 Fri 12:21
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(71) 悠にはある面、雫が抱えるトラウマと同等かそれ以上の闇があるのではないかと疑っていた。 それはまだ悠の事を深く知らない頃の事だったが、自分は遺伝子操作されて生まれてきたのだと騙された事があった。 勿論そんな事実はなく、今は悠の両親がどちらも科学分野ではトップレベルの頭脳の持ち主で、その二人から生まれて来たという事を遺伝子操作されたも同然だという意味での、悠なりのブラックジョークだとわかっ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.31 Thu 04:26
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(70) 「また、そうやって結局君を泣かせてしまったね…」 「ううん、これは嬉し涙だから…悲しくないです…」 三枝は雫の身体を更にぐっと胸に抱き寄せた。 雫もそれに逆らうことなく感極まって思わず自分から三枝の背に腕を回してその胸に顔を押し付けて泣いてしまった。 温かな心音が聞こえてくる三枝の胸に顔を埋め、この広い胸に抱き締められたら、きっと吉澤さんも元気になる…そのは...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.30 Wed 06:10
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(69) 「譲は僕が名前を呼び続けたけれどなかなか目を覚ましてはくれなかった。 実習なんて限られた時間ではもう無理だと諦めかけていたある日、譲に反応があった。 僕の手の中で譲の痩せて細くなった指が微かに動いた気がしてすぐに名前を耳元で呼んだ。 すると譲の瞼が微かに動いたんだ。 そしてその目は開かれた。 そんな奇跡が起こるなんてある訳がないと主治医は思ったらしいけど、僕はそう信じてた。 …...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.29 Tue 04:41
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(68) 「まさか三枝さんから吉澤さんの事が聞けるとは思いませんでした。 吉澤さんの傍にはずっと三枝さんが居てくれてたんですね…よかった。それを聞けて安心しました」 「…それがずっとではなかったんだ。 僕だって雫と同じだよ、あの頃の僕はまだ高校生で何も出来ない子供だった。 譲の事は知りたくても誰も教えてくれなくて、吉澤家は自殺を図った譲の事を隠したかったんだろう。 面会謝絶だからと入...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.28 Mon 13:03
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(66) 思い出し笑いのような変なニヤケた笑いを醸し出していた雫は、場が和んだ頃合いを見計らうかのようにフッと真面目な顔になり三枝に視線を戻す。 「三枝さんは、その守りたい人の所に行ってあげるんですね?」 三枝もとうとう観念してその言葉を繰り出した。 「ああ、そのつもりだよ。 あまりに近くに居すぎると、それが友達としてなのか?恋人としてのなのか?愛情の履き違えってあるよね。...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.26 Sat 05:16
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(65) 「何を隠そう…悠は二人でいる時、僕に下着を付けさてくれなかったんです…それも丸見えじゃ面白くないとか言って…ちらっと裾から覗くようにとか、そんな変なこだわりとかばっかあって…、だからそれに慣れちゃったせいか…三枝さんて普通だって…思った事もありました」 その告白には三枝はまた盛大に吹き出し、余りの事にむせ返ってしまう。 だがそれを聞いて『まさかそ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.25 Fri 13:23
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