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JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(64) 三枝は雫を引きずるようにレストランから出るとそのまま足早にホテルのフロントへと急いだ。 雫にはもう怖いものなんてなかった。三枝がいくら怒りに満ちた態度を取ろうが三枝が怖かった事さえ、もう昔しの話のようだった。 リゾートホテルの普通のツインルームに雫を連れ込むと三枝は雫のパーカーとTシャツを性急に剥ぎとるように脱がせたが、雫は逆らわず、されるままになっていた。 そして一糸纏わぬ姿になろ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.24 Thu 08:16
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(63) 「…じゃあなんで恋人のふりなんかしてくれたの?」 「言ってもいいですか?」 「いいよ」 「僕もやっぱり悠が好きだからです。 最初に三枝さんから言われた条件は、悠との秘密をばらさない代わりにひと夏三枝さんの恋人のふりをする事だった…。 それで夏の終わりに悠と三枝さんのどちらかを、その時の僕の気持ちで選んでいいんでしたよね? あれが…僕の中ではまだ有効なんです。 三枝さ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.23 Wed 10:08
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(62) ランチは遊園地に隣接しているホテルのレストランで取ることになった。 遊園地から直接行き来ができるだけあってドレスコードもなく、ラウンジだろうとレストランだろうと気兼ねなくカジュアルで入れるそこで、雫はよりにもよってランチバイキングに行ってみたいと言った。 好きな物を好きなだけ食べられるのは育ち盛りの男子高校生にとっては憧れの場所でもある。 三枝としては、せめて食事くらい静かな個室のあ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.22 Tue 05:02
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(61) 軽井沢から少し上がったところに小さい遊園地がある。 冬になると雪により閉ざされるそこは子供向けの乗り物や親子で楽しめるアトラクションが充実していて、高原の空気を吸いながら、散歩がてらに立ち寄るにはもってこいの場所でもあった。 こののどかな雰囲気は、童心に返るにもちょうどよく、健全な青空の下くったくなく笑う雫の笑顔が至るところで目に入ってくる事になった。 雫にとってここは幼い頃家族と...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.21 Mon 03:35
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(60) たいした切り傷でもないのに、その傷が治るまで雫は三枝の絆創膏を何度も張り替えた。 そしていつの間にか切り傷を見ても震えはおこらなくなっていた。 三枝は雫を傷つけた晩以来、口では煽るような事を言っても、けして最後まで抱く事はなかった。 逝かされるのはいつも雫だけで、三枝を受け入れる事無く、それも口と手の動きだけで逝かされた。 時に射精しないで逝くドライも何度か経験させられた。 ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.20 Sun 01:35
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(59) この治療はとにかくこれが普通だと思わせる事が大切だった。 血管が切れれば血は流れ出る、だがそれを塞げば血は止まる。 この当たり前の事を三枝は何度も何度も雫に言い聞かせていた。 毎日雫を後ろから抱き締めたまま、二人で海外の救命救急もののドラマを見まくった。 それだけに留まらず、日本の救命救急ものや、時には緩急をつけたつもりなのか三枝の茶目っ気でアニメでもそういった手術シーンが出...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.19 Sat 02:14
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(58) 「雫。今暇…?」 「何ですか?」 「やる事ないならDVD一緒に観よう」 珍しく三枝からそんな事を言われて、しばらく放っておかれっぱなしだった雫はつい嬉しくなってしまいその話に飛びついた。 「ここにおいで…」 三枝は自分の隣の空いたスペースをさして雫にそれを促す。 雫は逆らわずその隣に腰掛けると、三枝の腕が伸びて来て少し間を開けていた雫の腰をグッと引...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.18 Fri 11:34
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(57) 雫は遠い目をして自分を見詰める三枝に何か違和感を覚え、時折雫も三枝のことをそっと盗み見るようにしていた。 確かに最愛の人として扱われているとは感じるし、自分もそうしなければと努めていた。 だが、最初と今ではその感じがどこかが違うのだった。 三枝の恋人はいつもただ何もせずじっと見守られるような愛され方をしているのかと思うと、雫の中で何とも言えない悲哀を感じた。 身体を求...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.17 Thu 05:14
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(56) 雫は今更ながらにこの七年もの歳月を悔やんだ。 まだ十一歳だった自分にはそれも出来なくて当然の事だろうが、今の自分は違う。 今までの自分なら殻に閉じ籠り自分の事だけ考えればそれで十分だった。 だがもうそんな子供ではない事を自覚しなければならない事に気付かされた。 姉の露には感謝せずにはいられなくなった。 こうした対外的な場は全て雫の代わりに姉が対応してくれてい...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.16 Wed 06:29
JUGEMテーマ:JUNE/BL/ML 僕の家庭教師さまー軽井沢編ー(55) 雫と三枝の軽井沢での奇妙な軟禁生活も、当初の思惑は何だったのかを忘れるかのように、まったりと静かに時は流れていた。 だがそれこそ三枝の思惑通り、雫は軽井沢の社交場ではすっかり三枝のパートナーとして認識されるようになっていた。 周りから見ればそれは少し歳こそ離れていたが、家柄も申し分なく仲の良い友人の二人にも映っていただろう。 そして時折冗談めかして『二人は付き合っているのか?』とからかわれ...
時の過ぎ行くまま(Rink's Cafe別館) | 2018.05.15 Tue 03:36
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