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「小説」はなんとなく堅苦しい。
もっと気軽に、じゆうな感性で楽しんでほしい。
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Monkey interview

JUGEMテーマ:ものがたり   「最初のアブダクションは、ベランダだった」  フローティング・チェアに深く身を沈め、猿は煙草に火をつけた。 「あのときもこんな風に、煙草に火をつけたところだったんだ」  猿の耳の後ろ辺りから左右それぞれに六本ずつのコードが伸びていて、それがフローティング・チェアーに繋がっている。 「最初の一口を吸ったところで記憶を失い、気がついたときは自室のベッドに横たわっていたよ。何故か衣服は泥まみれだった」  フローティング・チェアーからはムースの角のよ...

pale asymmetry | 2018.08.25 Sat 21:07

Secret base

JUGEMテーマ:ものがたり    その部屋は建物の最上階にあり、壁の上部と天井一部にステンドグラスが填め込まれていた。ステンドグラスは虹の七色に白が加わった八色で模様が構築されていて、そこから八色の柔らかな光が降り注ぎ、部屋の下層に優しく降り積もっていた。天井までが相当に高い部屋だったので、私は最初ラグーンの内側に沈んでいるような気分になった。そしてしばらくすると花畑に埋もれているような気分に変わった。細かく複雑なステンドグラスの模様が、この部屋をあらゆる事象の深層的なものに記号化し...

pale asymmetry | 2018.08.23 Thu 20:52

Smile of charcoal

JUGEMテーマ:ものがたり    男は目を覚まし、釜の前で蹲っている自分に気づく。四肢をたたみ、世界から隠れるように丸まっている自分に。赤茶色の汚れた犬が、男に身を寄せ同じように丸まっていた。そいつは男の飼っている犬ではない。この山で暮らす野良犬だった。気が向いたときにだけこの炭焼き小屋を訪れるだけの間柄だった。しかし年老いて行くにつれて、この場所に住み着くようになっていった。男もまた年老いていたのでそれを拒むことはせず、いつしか同じ飯を食うようになっていた。  男はひどく喉が渇い...

pale asymmetry | 2018.08.16 Thu 21:04

Sandstorms and blue sunsets

JUGEMテーマ:ものがたり    激しい砂嵐。視界は限りなくゼロに近かった。彼はほとんど手探りで作業を進めていく。砂に半ば埋もれたソーラーパネル群を探しだし、それらを取り囲むように装置を設置していく。冷却システムは全開で稼働しているはずなのに、機動服の中で彼はすぐに汗だくになった。 「本当に、この砂嵐は止むのか?」  彼は不機嫌に叫ぶ。 「ああ、スパコンがそう予想している。三十分以内に止むんだそうだ」  オペレータの冷静な声が、返ってきた。 「くそ、どこかから砂がスーツ...

pale asymmetry | 2018.08.15 Wed 21:42

唇に青ざめた薔薇

JUGEMテーマ:ものがたり    袋小路に迷い込んでしまうのは、意味を求めているからだ。意味は求めるものではない。誂えて纏うものだ。『賢い弟子』とは、そういう職業でもある。   『痛い、とても痛いわ。いいえ、痛かった、とても痛かったのよ』 「解ります、お師匠様。けれどもう鋭利な言葉はあなたには似合いませんよ」 『めちゃめちゃに引き裂かれたのよ、あのクソ野郎に』 「ええ、よく存じております。でもあなたは淑女なのですから、下品な言葉は控えて頂かなければ」 『クソをクソとい...

pale asymmetry | 2018.08.14 Tue 21:32

Ferns

JUGEMテーマ:ものがたり    山中の小道を、私は歩いていた。道は細かくうねり、一方の側は急激に立ち上がる壁で、もう一方は奈落に続くような急斜面だった。しかし道はちゃんと舗装されていて、斜面側にはガードレールまで設置されている。道は那由多の樹木や植物に取り囲まれていて、空はその隙間に尖った斑として散りばめられているだけで、落ちてくる陽光もとてもか弱かった。植物の大半はシダ類で、空気は高熱を孕んでいて、時間はひたすらに沈んでいるようだった。  私はピンクと白の縞模様の靴下と紅色の...

pale asymmetry | 2018.08.06 Mon 21:37

hide-and-seek

JUGEMテーマ:ものがたり    その街は十年前に水没していた。十年間水面下に没したあと、今朝浮上したばかりだった。だからその街に人間の姿はない。人間というものが存在していた気配があるだけだ。それは石造りの家であり、家具であり、旗だ。たくさんの旗が、久しぶりに風を孕んで踊っていた。十年間水流による緩慢なはためきしかできなかった憂さを晴らすように。旗には紋章が織り込まれていて、それぞれの紋章にはもちろん意味があったけれど、それを知る人間はもういない。  街は小さな人工島の上にあ...

pale asymmetry | 2018.08.05 Sun 21:03

War and Demon

JUGEMテーマ:ものがたり    空全体が黄土色に暗んでいるのは、破壊兵器のせいだ。 「ある男がいた。愚直な男だった。長く長く続く世界戦争を終わらせる方法はないかと、男は深く深く思考した。そして男は儀式を行い悪鬼を召喚した。そして悪鬼に己の全てを差し出し、その代償として終戦を貰い受ける契約を交わそうとした。しかし悪鬼はせせら笑った。争いや憎しみや悲しみこそ俺様のエナジーなのに、そんな契約を受けるわけがなかろうと。そこで男は、自身を悪鬼にしてくれと願った。悪鬼は男から魂を奪い、その代...

pale asymmetry | 2018.08.04 Sat 20:28

墨をする

JUGEMテーマ:ものがたり    墨をする。静かに丁寧に。心を澄み渡らせて、私は墨をする。部屋の隅で、炭火にあたりながら墨をする。そして私はその墨で、『済』と描く。とても上手にかけたので、それを持って銀行に出かける。  カウンターで行員の女性にそれを差し出すと「大きな葛籠にされますか、それとも小さな葛籠にされますか」と尋ねられた。 「それぞれのサイズを教えて下さい」と私が言うと、「大きな方は一辺が二百四十メートルの正六面体で、小さな方は一辺がコンマゼロ二ミリの正八面体です」と教...

pale asymmetry | 2018.08.03 Fri 21:27

Seaside Morning Glory

JUGEMテーマ:ものがたり    川沿いの遊歩道を歩いていた。そろそろ日付が変わろうかという時刻。中天に満月が鎮座していて、その月光を浴びていると、ここが何処なのかも私が誰なのかも解らなくなってしまいそうだ。嘘だ。本当は、仕事帰りがこんな時間になる自分のことを忘れてしまいたいだけだ。月が、私を連れ去ってくれてもいいのに。古の姫のように。  重い身体を強引に進めていると、川の上に丸テントが浮かんで見えた。月光に照らされその純白色が綺麗に輝いていた。幅が五メートルくらいの川と同じぐらい...

pale asymmetry | 2018.08.02 Thu 21:38

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