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「小説」はなんとなく堅苦しい。
もっと気軽に、じゆうな感性で楽しんでほしい。
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岬という顕在性

JUGEMテーマ:ものがたり   「私は王ではありません」  山羊の頭蓋骨の男は言う。言葉は世界の外側からインパクトドライバーでねじ込まれたように響いた。彼がこの世界の法則に従う必要はないのだということが、表現されている響きに違いなかった。もちろんそれは彼が全てを掻き乱す存在だということではなく、つまりそんな単純で稚拙なルールではなく、彼は従っても良いし従わなくても良いという裁量権を有しているということだ。僕はそれを羨ましいとは思わない。盲目に従う方が遙かに容易く安静だということを...

pale asymmetry | 2019.04.13 Sat 20:49

City of luminous insects

JUGEMテーマ:ものがたり    細い林道、というよりはほとんど獣道のような道をマウンテントレールモーターサイクルで進む。両側から被さる木々の圧迫感を気持ちで撥ね除けながら、あるいは半ば抱きしめられてもいいやと開き直りながらスピードを上げてみたりする。少し目線を上げると青緑の無数の葉の輪郭が陽光で輝き滲んでいる。その一つ一つが天使に思えた。すると私は天国へと疾走しているのだろうか。そんなに品行方正な人生を歩んできてはいないけれど。  唐突に空間が開け森が終わる。もちろんそこは天国で...

pale asymmetry | 2019.04.12 Fri 21:23

魔女と瑞姫

JUGEMテーマ:ものがたり    瑞姫の機嫌がすこぶる良くないとかで、祖母が水源の滝に行かなければならなくなった。いやちょっと待って、今年の当番魔女は、祖母ではなかったはず。と私が指摘すると、その当番魔女が瑞姫の機嫌を損ねてしまったらしい、と祖母が言う。それで私の車で、当然私の運転で、水源まで送れと言う。私の車は四駆でしかもサブコンパクトカーだったから、水源までの細い悪路を走破することは出来るのだけど、道に張り出した木々の枝で車体に細かな傷がつくので正直嫌だった。けれど水がなけれ...

pale asymmetry | 2019.04.08 Mon 20:58

Strange alley

JUGEMテーマ:ものがたり    突然の雨に、路地に逃げ込む。細い路地は両側に商店がぎっしりと並び、その両側から伸びる軒が重なり合っている。だから空は見えなかったけれど、雨に降られることもなかった。それでも空気は湿っていて重かった。その路地に足を踏み入れたのは初めてのことだったので、それは雨のせいではなかったのかもしれないが。  蛇行してどこまでも続いていく路地は、犇めく店舗の軒に異常に過剰にぶら下がるオレンジの電球の光で溢れていた。にもかかわらず、そこかしこに散らばる闇の欠片が、...

pale asymmetry | 2019.04.06 Sat 21:24

影、或いは展開する清浄明潔

JUGEMテーマ:ものがたり    庭の隅から生け垣の裾を擦り抜けて、それは控えめに転がり出た。  空は雲一つなくきっぱりと覚醒した青、緩やかな南西風はびしょ濡れ小僧。そんな朝に、私は縁側で食後のエスプレッソを飲んでいた。その私に挨拶するように、それは庭の真ん中まで転がり進んだ。  卵のような形をしていた。でもその形は時々揺らいだ。最初それは灰色一色だったけれど、庭の中央に達すると薄青と橙と赤の三色が鬩ぎ合うように、或いは群舞するようにそれの表面で形とは別に揺らぎ始めた。とても透明...

pale asymmetry | 2019.04.04 Thu 20:36

Order and harmony

JUGEMテーマ:ものがたり    その昔、少年は蛙になってしまったことがあった。小さな青緑の蛙。両の眼球だけが鮮やかな金色をしていた。その美しい眼球に魅了され、少年はその蛙を掴んだ。野山で存分に遊び、傷だらけになった手で。その蛙の身体を覆う粘膜が、猛毒であることを知らずに。触れた瞬間に、少年は全身が硬直するのを感じ、そのまま視界が暗転した。そして気づいたときには蛙になっていた。  世界が大きくなった。風の話し声が聞こえた。川の流れが空気を攪拌しているのが見えた。降り出した雨が、無限...

pale asymmetry | 2019.04.01 Mon 21:24

三色の茶碗

JUGEMテーマ:ものがたり    近所の神社で定期的に開かれる骨董市に出かけた。特に探しているものがあったわけではないので、適当にぶらぶらする。すると綺麗な茶碗を見つけた。艶の強い青緑のお茶碗で、何だか愛らしく思える。その色合いも、その形も。値札を見るとそんなに高くなかったので、購入することにした。でももし値段が高かったとしても買ってしまったかもしれない。それくらい、何というか『ピン』ときたのだ。こういうのをまさに衝動買いというのだろうと思えた。  その茶碗を欲しいと店員さんに言う...

pale asymmetry | 2019.03.29 Fri 22:14

桜花のオルガン

JUGEMテーマ:ものがたり    夜はまだまだ冬色だった。銀色の半月が、輝きを散りばめて熱を奪っているように思えた。兄さまの熱を、僕の熱を、世界の熱を。その熱は別の世界へと運ばれ、その世界を灼熱にしているのかもしれない。そうなら良いのになと思った。たとえそれが悪しき蹂躙であったとしても、消えてしまうよりはずっと良いと思えたから。  僕がそんなことを考えてしまったのは、桜花のせいかもしれない。月下の桜花はとても可憐だったけれど、どこか狂おしい精気を放っているように感じられたから。 ...

pale asymmetry | 2019.03.27 Wed 20:47

ふたえあくび

JUGEMテーマ:ものがたり    大陸西端の小さな都市では、毎年春分の日に不思議な現象が起こるのだそうだ。その現象を体験取材するために、私は西端の都市まで出かけていった。もちろん春分の日に。 「その現象は、『ふたえあくび』と呼ばれています」  私を迎え、案内をしてくれる役場広報課の女性が言う。彼女はこの都市の出身で、ずっとこの都市で暮らしてきたのだそうだ。年齢は訊かなかったけれど、外見からは30代半ばに見えた。 「ふたえあくび? どういった意味ですか?」 「重ねる二重に、生理...

pale asymmetry | 2019.03.22 Fri 21:44

もんどり打つキャタピラのような

JUGEMテーマ:ものがたり    ポッペン、ホッペン、コッペン。とビードロのような音色が聞こえる。この音を聞くのは40年ぶりだ。40年前にこの音を聞いたとき、私は13歳だった。それは祖父の命が霧散しようとしていた夜のことだった。確か満月の夜だったと思う。或いは一日二日満月からはずれていたかもしれないが、満月に近い夜であったはずだ。冷めた金色の光が風景に満ちあふれていた夜だったから。  私はその日、母と共に祖父母の家を訪れていた。祖父の臨終が迫っていたのだ。その知らせを受けて、祖父を看取...

pale asymmetry | 2019.03.21 Thu 20:55

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