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死神と。4

JUGEMテーマ:オリジナルファンタジータケルはいたってマジメとまでは言いがたいが不良でもなく、それといって目立つタイプでもなく、ある程度整った顔立ちをしているもののそれを目立たそうとする花に多少かけている。何事にもあまり力を入れないといった印象の青年であった。今年の春。高校を卒業をしたものの、大学に行くでもなく、就職をするでもなく、ただ、どうしようかと漠然と未来を描いている。大学にいけないわけではない。すでに他界している両親がしばらく生活に困らないだけの財産は残してくれているしその家もしっかりあ...

あたまのなか。 | 2010.03.24 Wed 23:47

死神と 3

JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 足早にタケルは それ の前を通り過ぎた。今日はホントに心地よい風が吹いている。がしぃっ「え?!」ふと足をとられてタケルは思わずよろける。「な・・・に?」振り向いて辺りを確認する。「なんだこれっ」まんじゅう。と思った それ が足に絡み付いている。よく見ると野球ボールぐらいの大きさの白い丸の下に、黒い布がついている。その黒い布がタケルのあしに絡み付いているのだ。足を振り払い、手で払いのけようとした。ら、「タケル。本庄 タケル だろ?」 まんじゅうが。。。。 ...

あたまのなか。 | 2010.03.22 Mon 21:39

オリジナル小説 死神と 2

JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー それ は ぽつんと道の端に落ちていてた。タケルがまんじゅうと思った それ は野球ボールぐらいの大きさで丸く、ややクリームがかった白であった。 なんだろう。と思ったものの、拾い上げる気はない。じぃっと見る気もない。一瞬ためらったものの、そのまま視線をそらして家路に向かう。ありふれた日常の一ページである。で、あるはずっだった。

あたまのなか。 | 2010.03.22 Mon 21:39

オリジナル小説 死神と 1

JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー まんじゅうが 落ちている。タケルはつぶやいた。 今日は良い天気である。昨日までのじめじめした空気も今日の風がさらりと吹き払ってくれる。季節は四月。四月。だというのに、社会人でも学生でもないタケルはとりあえず求人のフリーペーパーを近くのファーストフード店にとりに行った帰りであった。いつも 見慣れた家までの道。高校生の頃は気がつかなかったが、近所にこんなにも綺麗な桜の木があったのか。ひゅるりと落ちてくる花びらをぬぐいながら空を見上げた。「あぁ。良い天気だな...

あたまのなか。 | 2010.03.22 Mon 21:38

CELEST 第1章7

JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー    ¶7   「アルファ!」 ロゼは馬を寄せた。「お前がここにいるってことは主人もここだな」 馬を下り、手綱を持ったまま、なだらかに傾斜した草地に踏みこんだ。後を黒鹿毛がついてくる。こんな夜は暗くてやっかいだ。星々の弱い光などこの草原までは届かない。 目をこらして人影を探す。闇より濃い草原に、夜の甘い風が吹き渡る。密生した草が葉裏を返してほの白く光った。鼻腔をくすぐる青々とした香り。 どこだ? ロゼはとりあえず、草地の頂上にのぼって人影を探し...

そらのあお | 2009.06.19 Fri 22:48

CELEST 第1章6

JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー ¶6 「この本も荷物に」「はい」 半裸で読書していたセレストはベッドを抜け出した。下は黒い綿ズボンだ。傍らで荷造りしているヘザーにかまわず、クロゼットを大きく開けた。短い靴下をズボンと結び、太腿まである茶色いブーツを履く。ヘザーは旅行用の鞄の底に本をつめていたが、手を止めて主人を仰いだ。「セレスト様?」 黒い長袖シャツを着こんだセレストはちらりとヘザーに目をやって、シャツの乱れを直しながら言った。「目が冴えてしまったから、見回りに出る」「でも」「すぐ戻るよ...

そらのあお | 2009.06.17 Wed 20:11

CELEST 第1章5

JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー  ¶5   「今年はラーン様が入ったんだよね」「あの方は女じゃないな」「ダーナも応募すればいいのに。きっと受かるよ」「ああいうのは性に合わなくてな」       「あっ、ご主人だ!」 エフの攻撃が瞬間止まった。ロゼは容赦なくエフの手から剣を叩き落とした。エフはロゼの届かないところへ剣を蹴りとばそうとしたが、目前で大きくはらわれた一撃を避け、足が滑って仰向けに倒れてしまった。ロゼの剣が首筋をぴたりと狙う。「こらっ!よそ見はできるようになっ...

そらのあお | 2009.06.16 Tue 22:03

CELEST 第1章4

JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー ¶4    ロゼは公に一礼し、最前列に用意された自分の席についた。百合と獅子騎士団とオルガ殿下の騎士団は最前部の両端に席が指定席なので、副団長のロゼは広間の一番前、国王一家のすぐ近くに座ると言う栄誉を与えられる。 広間の最奥に高く設けられた壇上に、黄金作りの椅子が二脚並んでいる。その椅子は食事の時には広間の床に設置される。 その前に運ばれるテーブルの足も金色に輝いている。トゥルレイ王家を表す紋章は緑地に金葉を茂らせた樫である。それを四隅に配し、縁を緑の...

そらのあお | 2009.06.15 Mon 20:40

CELEST 第1章3

JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー ¶3  コンコンッ ロゼは一応ノックしてから首を出した。「セレは?」「あら、ロゼ。セレスト様ならシャワーを浴びてるわよ」「熱があるのに?」「何言っても聞きゃしませんよ」「これ料理長から、それとセレから預かった本だ」「取りに行こうかと思ってたの。ありがと」 ヘザーは丸テーブルに長方形の木のお盆を置いた。縁に薄緑の絹糸で樫の葉を刺繍した真っ白い麻のカバーを取って、両端をぴんと伸ばして光に透かし、染みのあるなしを調べると、慣れた手つきで何か特殊な折り方をして細長...

そらのあお | 2009.06.13 Sat 23:59

CELEST 第1章2

JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー  ¶2 「セレスト様、おとなしく寝ていてくださいよ」 室内では主治医であり世話係でもあるヘザーが掃除をしていた。 四十二歳のヘザーはトゥファルで医学を修め、勤め口を探してトゥルレイにやってきた。トゥルレイでは女の医者は珍しく、当時ケイトス領主の奥方であったペリラに気に入られてセレスト付きとなった。ペリラの輿入れが決まるとその側に仕えることになり、セレストの主治医も務めていたが、騎士叙任式の日から専属の世話係となっている。いい加減公子らしくしろ、と公がセ...

そらのあお | 2009.06.13 Sat 06:00

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