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JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー ¶4 ロゼは公に一礼し、最前列に用意された自分の席についた。百合と獅子騎士団とオルガ殿下の騎士団は最前部の両端に席が指定席なので、副団長のロゼは広間の一番前、国王一家のすぐ近くに座ると言う栄誉を与えられる。 広間の最奥に高く設けられた壇上に、黄金作りの椅子が二脚並んでいる。その椅子は食事の時には広間の床に設置される。 その前に運ばれるテーブルの足も金色に輝いている。トゥルレイ王家を表す紋章は緑地に金葉を茂らせた樫である。それを四隅に配し、縁を緑の...
そらのあお | 2009.06.15 Mon 20:40
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー ¶3 コンコンッ ロゼは一応ノックしてから首を出した。「セレは?」「あら、ロゼ。セレスト様ならシャワーを浴びてるわよ」「熱があるのに?」「何言っても聞きゃしませんよ」「これ料理長から、それとセレから預かった本だ」「取りに行こうかと思ってたの。ありがと」 ヘザーは丸テーブルに長方形の木のお盆を置いた。縁に薄緑の絹糸で樫の葉を刺繍した真っ白い麻のカバーを取って、両端をぴんと伸ばして光に透かし、染みのあるなしを調べると、慣れた手つきで何か特殊な折り方をして細長...
そらのあお | 2009.06.13 Sat 23:59
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー ¶2 「セレスト様、おとなしく寝ていてくださいよ」 室内では主治医であり世話係でもあるヘザーが掃除をしていた。 四十二歳のヘザーはトゥファルで医学を修め、勤め口を探してトゥルレイにやってきた。トゥルレイでは女の医者は珍しく、当時ケイトス領主の奥方であったペリラに気に入られてセレスト付きとなった。ペリラの輿入れが決まるとその側に仕えることになり、セレストの主治医も務めていたが、騎士叙任式の日から専属の世話係となっている。いい加減公子らしくしろ、と公がセ...
そらのあお | 2009.06.13 Sat 06:00
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 図書館の低い階段を数段のぼるとエントランスホールがあって、その奥の貸出カウンターで青年が手続きをしていた。 青年の服装はその場とかなり不釣合いである。紋章入りの黒い長袖チュニックに臙脂《えんじ》色のサッシュベルト、濃茶のブーツという出で立ちはともかく、袖口や脇のスリットから鎖帷子がのぞき、右の腰には短剣、左の腰には細身の剣を差している。横向きに立っているので紋の図柄は見えない。 加えて言うならばかれの髪型は場所には適当だが、その装いには見事に不適当だ。沈...
そらのあお | 2009.06.10 Wed 11:37
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー トゥグウェン帝国 元老院 ディスリン家 エルダーナパライオス家クリュソス家クリノン家キュリス家エトス家 その他 スピンテル家 アイセラエメル家 カルコス 皇帝領の山河イトゥサプリュトザ トゥファル選帝侯国 人名アルドワーズデュセーボヌーエクゲニースィノークレーヘザーティトス・カローキルフィナ・ルニオーディナ・マウローギア・リュイノーノエナメリナ ソーヌリーヌ ウォールオラル 山河 ネラトス山プラシノス山ダクティ...
そらのあお | 2009.06.10 Wed 11:35
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー トゥグウェンの公国名 選帝侯国 トゥファルトゥリケトゥザニストゥナウ 公国 東端トゥルレイ西端トゥダネッサ南端トゥステラ北端トゥルグニー トゥーレラトゥダウニストゥプレストゥオリオトゥダリ
そらのあお | 2009.06.10 Wed 11:33
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー ところどころ文章が抜けててすみません。どうしても思い出せないもので。 タイトルは仮です。本当は「隣の芝」というタイトルつけてたのですがちょっとわけありで考え中です。 内容 イル島の西の、トゥグウェン帝国という連邦国家の東の外れにあるトゥルレイ公国の第二公子セレストの逃亡譚。 ☆☆☆ メンデルスゾーン作曲「歌の翼に」が元ネタ。ハイネ作詩だそうです。高三の音楽の教科書に載ってました。 歌の翼に憧れ乗せて ???ガ...
そらのあお | 2009.06.10 Wed 11:18
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー春の月は朧ろで、きらいだ。 イル神の足元でちゃぷんと魚が跳ねた。 あの夜。 「お一人か、海神イル」 イル神は漁のない晩に貝殻を拾ったり、蟹を探したり、他愛ない遊びで時を過ごすことがあった。その日も月がとても明るく、上機嫌で浜辺を散策していると、突然声をかけられた。見れば、二、三メートル先の海面に、黒い鎧兜を身につけた異国の神がすらりと降り立つところだった。 トリカブトの花のようだ、とイル神は思った。 細面の険しい顔立ちに長い黒髪。武器は携えていないよ...
そらのあお | 2009.06.09 Tue 22:10
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー風呂を出た後、お茶を持っていくようにと寿に言われ、クィンは天守閣の最上階、つまり4階の樺院の書斎に向かった。 人に聞かれたくない話をする時、樺院様はここに客を通すのだ。「クィンです」「お入り」「失礼します」 部屋に入ったクィンは一礼し、大机によった。お盆の上で茶を注ぎ、二人の前におく。「クィン、悪いがその椅子をドゥーンに」「はい」「自分でしましょう」 メイファはクィンを制し、壁際の椅子を適当に机によせた。「兜をください。かける場所がありますので」「いや、ここ...
そらのあお | 2009.06.08 Mon 16:01
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 「でねー、樺院様は寿(ことぶき)をとっても大事にしてるんだ」「トゥファルに里帰りはしないのか」「イル島が好きなんだって。あ、見えてきた!もうすぐそこだよ」 岩山の細道を一時間は登っている。「止まれ!何の用だ!」 坂を登り切ったところに鉄の扉がそびえ立っており、番兵はその向こうからこちらをうかがっているようだ。「俺、クィン、客を連れてきたんだ」「クィン!また勝手に抜け出したろ!そっちは!?」「中部軍の騎士。昨日ブール村が襲われて、助けてもらったんだ」「その話...
そらのあお | 2009.06.08 Mon 01:21
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