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JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー しかし、このままじゃみんな捕まりなおして終わってしまう。もうとっくに日は没っしてるはず。ティルラドは一体何やってるんだ! 俺は焦り、辺りを見回した。追っ手をかわしつつこの人数を出口まで誘導するなんて……くっそこりゃ明らかに人手が足らない! 「エヴィン!」 シェーダが、やはり焦りの表情で叫ぶ。 と、その時だった。どこかで聞いたような声が、 「そいつらを逃がすのはおれたちにまかせろ!」 と叫んできたのである。 驚いて振り返るとそこには…… 「あんた、...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.03 Thu 11:30
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 「ところで、お前は自分のいったことを理解しているか?」 突然の俺の問いである。悪党……いや、もうめんどいのでBでいいが、Bは何を聞かれたのかわからなかったようで、唾をまき散らして叫んだ。 「なにいってやがんだ、このちび!」 またしても人をちびと……。 図星を指されると人ってのは怒るもんなんだ……覚悟しとけよ? 「……いいか、お前は近づくとこの女の命はないと言った」「そ、それがどうした!」 「そいつは、女じゃない」 衝撃。 空気が、凍り付く。 ...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.02 Wed 23:43
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 6 波濤の戦士達 青空を翼をはためかせて飛ぶ、海鳥の親子。わずかな命を美しく咲かせる花の群。吹きつける潮風にゆれる木立、そのさざめき。夏の夜に彩りをくわえる、虫達の合奏。 世界って、そんな小さな命一つ一つが、当たり前にその存在を許されて、あるがままの姿で精一杯生きていくこと、それによって成り立っているんじゃないかって思う。 エメラルドの波飛沫を浴びた時、優しい波に抱かれた時、俺が何となく考えたのは、全ては、あの波濤の向こうから生まれ出た、等...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.02 Wed 23:32
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー どうしよう、敵をうまいことかく乱するタイミングを掴むには……。俺がそんなことを考えつつ、シェーダと固唾をのんで見守る中、いよいよ審査が始まったみたいだった。 「年齢、特技、それからスリーサイズを端から順に言うように」 なあんだ。それだけでいいの。横で何か調書とってる悪党がいるが……へー、あそこにみんなのスリーサイズが書いてあるわけか。それは是非俺も聞きたいなあ。特にリエとか!あのサイズだとつまりいくつってことになるんだろうな……! 「あたっ!」「あなた...
波濤の戦士達〜CRESCENT BIBLE〜 | 2011.11.02 Wed 09:54
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 「なあに。金髪の君は、まるで天使みたく可愛いじゃないか。そっちの銀髪の……お友達かい?……彼女だって妖精のように綺麗だから、心配はいらないさ。きっと金持ちのところに買われて、大切にされるよ」 ……天使みたいに可愛い? あ〜、だからエンジェルね……。 普段から言われないでもないが……気持ち悪いな、それは……。さすがに言い過ぎじゃん? 俺ってそんなか?(泣)……プリーズギブミー、男らしさっっ……! 「君達はこれから、組織のリーダー達のところで審査を受けて、奴隷とし...
波濤の戦士達〜CRESCENT BIBLE〜 | 2011.11.02 Wed 09:52
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー お腹の辺りが震えまくっている。……シェーダが笑ってるんだな。 ……痴漢にあったりプロポーズされたりすんのは、すでに日常茶飯事だからよいのだが(いやいや全くよくはないが)……さすがに妊婦に間違えられたのは初めてだよ……。 てか……なんだって、エンジェルだ? あの男アタマに虫でも沸いてんのか……? 「どうやら、心ない男に弄ばれてしまった少女と間違われたみたいだわね。……確かにあなたって、暗がりだと金髪ショートの女の子にしか見えないものねえ」 俺のお腹から出てき...
波濤の戦士達〜CRESCENT BIBLE〜 | 2011.11.01 Tue 18:48
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 5 潜入!砂塵の砦の救出劇! 辺りを満たすは、靄がかった闇。砂の壁に点々と続くたいまつの光は、まるで浮かび上がる亡霊の魂、そのひそかな揺らめきのよう。 そこは、驚くほど巨大な砦だった。海に面し、外側からはただの切り立った岩山にしか見えない場所、そこがなんと、内側はすべて空洞だったのだ。 螺旋状に張り巡らされた砂の階段。それは、どこまでも続く堂々巡りの、終わりのない道のように思えてくる。もう、どれだけ降りたろう。この道で、正しいのかどう...
波濤の戦士達〜CRESCENT BIBLE〜 | 2011.11.01 Tue 18:42
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー しかし、顔を上げたシェーダは、泣いてはいなかった。 だが今にも涙こぼれ落ちそうに濡れたエメラルドで微笑んで、そっとこう言った。 「……私、いつもこうだわね。あなたに頼りっぱなし。あなたがいつもの勢いで、引っ張っていってくれるのをいつも待っているの。ウィルシードの天才女剣士……そんな風に言われていても、私なんか結局、一人じゃ何もできないのよ。いいえ、何もしようとしないんだわ。私は今まで、自分で何かをなしたことなんか、一度もない。だから、見てご覧なさいよ。...
波濤の戦士達〜CRESCENT BIBLE〜 | 2011.11.01 Tue 09:38
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 「強要はしないよ。時間はあるから、よく考えて、やるかやらないか決めて。最深部まで辿り着いて、敵をかく乱し、捕まっている人達に脱出を促す……日没前には、俺が援軍を送り込むからもそれまでに!……出来るよね? 蒼穹の騎士エヴィン=アルロ=リスバーン。なんたってあんたはウィルシードの英雄なんだから」 俺は眉をしかめて、そっぽを向く。そんなん知るか。勝手にまわりがそうやって持ち上げるだけで、実際俺はそんなに実力あるわけじゃないよ。 「別にあんた方が動かなくても、俺が何...
波濤の戦士達〜CRESCENT BIBLE〜 | 2011.11.01 Tue 09:36
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー そして数十分後。泳ぎ着いてへばっている馬鹿(ティルラド)を冷たく見下ろし、俺は憮然として言った。 「んで、どーすんだ。お前が引き起こしたこの事態」 「あ、……あ、あのですね……、……あ、アジトっていうか……、この辺の浜辺で拉致した人を一時的に監禁しておく場所がありまして……。うちのねーちゃんが、リエちゃんがいなくなったって騒いでた辺りで、ああ、やっちゃった〜、と思って……まあしょうがないからそれをずっと捜してたんだけど……先ほど見つけまして、はい……ああ、俺そんな...
波濤の戦士達〜CRESCENT BIBLE〜 | 2011.10.31 Mon 22:18
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