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JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 「頭突きをしたのは確かに悪かったが……しかしお前は、いったい何をやってたんだ?」 当然の疑問に、俺は怪訝に眉を寄せた。 が。 そいつはちょっと、突然みょ〜なことをほざきだした。 「僕はですね。お昼寝中のエヴィン様をお守りしようと思いまして」 ん? ……それは何の話だ? 「なんだって?」「だからですね!」 いきなりイールが、がしッと俺の剥き出しの肩を両手でとらえてくる。いや何で剥き出しかって、上はタンクトップシャツ一枚なんだ。暖かくなってくる...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.06 Sun 10:39
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 1 運命の出逢いは突然に? 眩しい金色の木漏れ日が、宙で輝きながら屈折し、目の前で鮮やかに乱舞する。ちょうど初夏を迎えようとしている今頃は、俺にとって一番好ましい季節だ。 雪をちらつかせる曇天が淡く澄み切った青色に変わり、頬を刺す氷の風がほんのり香る緩い風になる……それだけで、気持ちが生まれ変わったように清々しくなる。 冬っていったら寒くって、常に毛布にくるまっていたい季節だけれども、この時期になると屋外での昼寝が気持ちいいんだよな。 ...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.06 Sun 10:24
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー いきなりなんなんだが、この事件に関しては、俺はちょっと……語りたくない。語りたくないが……、……うん、でもこれほどに俺らしい話題って他にないだろうから、な(遠い目)……仕方がない。 定番に自己紹介からはじめるが、俺の名前はエヴィン=アルロ=リスバーン。ウィルシード王国軍で英雄・蒼穹の騎士と呼ばれている、金髪碧眼、色白小柄な、まーよくあるっちゃよくあるタイプの容姿をした17歳だ。 で、このお話っつうのは、この年齢にしてどうして俺が一国の英雄なのか? について語る...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.05 Sat 22:44
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 久々に暇を持て余していた休日、何気なく開いたアルバムの、一番終わりの方に張られていた写真には、青い海とひまわりと、みんなの笑顔が写っていた。 楽しかった夏休みも、思い出として過ぎ去ってしまうと切ないもんだなあ。 そんじゃまあ、今回はその夏休みの事でもお話しするとしようか。 天下一品な剣の腕(正しくは適当に人並みな剣の腕)と金髪碧眼な小作りの美貌(正しくはただの発育不順)を持つこの俺、「蒼穹の騎士」エヴィン=アルロ=リスバーンは、青春まっただ中の十七歳...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.04 Fri 21:40
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 俺はため息をついて、足下に落ちてたうにの殻を、ぽんと一つそこに放った。 「うぎゃっ」 ……命中。 あたったのはティルラドか。妥当だな。 「お前らなあ……バレバレだぞ?」 シェーダの笑い声を背に俺は茂みをかき分け、笑って誤魔化すリエや、うにを手に涙目になっているティルラド、赤面して慌てているアルスに、茶化すようにへらへら笑っているセルティを、軽く睨みつけた。 「ねえ、みんな揃ったところで、これから花火でもしましょうよ。おいしいものでも食べながら」 シェー...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.04 Fri 18:46
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー エピローグ 俺は波打ち際に足を浸して立っていた。傍らの岩場に腰下ろすはシェーダ。海の向こうへ去っていくのは、ウィルシード艦隊の黒いシルエット。感慨に浸りながら俺は無言でそれを見つめ、嵐が過ぎ去ったことを改めて実感していた。 あれから三日。 バルグリアに巣くっていた人身売買組織は解体され、全員が逮捕、ウィルシード本国にて国際法に基づいた裁判が行われることになった。艦隊は、逮捕された犯罪者たちを護送していくのだ。 「エヴィン、ティルラドった...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.04 Fri 11:21
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 背中あわせになったまま、俺とシェーダは、そっと手を握りあった。触れあった手の平から、彼女のぬくもりが、その鼓動が伝わってくる。 ……俺は絶対にあきらめない。 「……シェーダ、せーので走るぞ。ティルラドが来るまで、なんとか逃げ通すんだ」「わかったわ。でも……私、もうあまり走れる自信がないの」 見れば、シェーダの細い足は続く過労に小刻みに震え、確かにとても頼りない。仕方ない。ここは一発、いいとこ見せるか!「ちょ……エヴィンっ……!」「ちゃんと掴まってろよ、行...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.03 Thu 21:57
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー しかし、このままじゃみんな捕まりなおして終わってしまう。もうとっくに日は没っしてるはず。ティルラドは一体何やってるんだ! 俺は焦り、辺りを見回した。追っ手をかわしつつこの人数を出口まで誘導するなんて……くっそこりゃ明らかに人手が足らない! 「エヴィン!」 シェーダが、やはり焦りの表情で叫ぶ。 と、その時だった。どこかで聞いたような声が、 「そいつらを逃がすのはおれたちにまかせろ!」 と叫んできたのである。 驚いて振り返るとそこには…… 「あんた、...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.03 Thu 11:30
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 「ところで、お前は自分のいったことを理解しているか?」 突然の俺の問いである。悪党……いや、もうめんどいのでBでいいが、Bは何を聞かれたのかわからなかったようで、唾をまき散らして叫んだ。 「なにいってやがんだ、このちび!」 またしても人をちびと……。 図星を指されると人ってのは怒るもんなんだ……覚悟しとけよ? 「……いいか、お前は近づくとこの女の命はないと言った」「そ、それがどうした!」 「そいつは、女じゃない」 衝撃。 空気が、凍り付く。 ...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.02 Wed 23:43
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 6 波濤の戦士達 青空を翼をはためかせて飛ぶ、海鳥の親子。わずかな命を美しく咲かせる花の群。吹きつける潮風にゆれる木立、そのさざめき。夏の夜に彩りをくわえる、虫達の合奏。 世界って、そんな小さな命一つ一つが、当たり前にその存在を許されて、あるがままの姿で精一杯生きていくこと、それによって成り立っているんじゃないかって思う。 エメラルドの波飛沫を浴びた時、優しい波に抱かれた時、俺が何となく考えたのは、全ては、あの波濤の向こうから生まれ出た、等...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.02 Wed 23:32
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