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JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 「さて……お話はよくわかりましたわ。貴女とイールは愛し合っている。それは確かなようですわね」 立ち上がり、窓辺で腕を組んで、考え込むように言うイリーア。 どおして今のくだりで、それが確かになっちゃったのか……。ま、まあ結果オーライっちゃオーライなんだが……うう、フクザツだ。 しっかし、高い声で喋るというのもひどく喉を酷使するもんだ。少しいがらっぽくなってしまった喉を潤そうと、俺は出されていた紅茶に手を伸ばした。 「でもね、お姫様。好きだの嫌いだの、そ...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.11 Fri 14:43
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 4 ヒロイン(?)最大の危機! 暇だぁぁぁ……。 俺はソファーにひっくり返りながら、大きくあくびをした。 俺はエージェントとしては真っ向勝負を挑むタイプで、裏でこそこそ調査したりとかが苦手で仕方ない。……まあ理由としちゃ、頭脳労働全般がキライ、というのはアリアリなんだが……。だから今回のこれも、本人にとっととカマかけてしまえ、という作戦だ。 そもそも、イリーアのような狡猾なタイプは、どんなに洗ったって証拠は出ないだろうと踏んでいる。だったら直...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.11 Fri 14:40
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 「エヴィンさん。ピアノ、素敵でしたよ。それに、あなたも」「ふん。またおかしな目でそうやって人を……」 「違います!」 鋭く言われて、少しびっくりした。 いつもはくねくねと気持ちが悪いイールの声が凛と張りつめ、それはとても力強くまともな男の声に聞こえた。 「確かにそういう意味でも魅力的じゃありますけどね。 僕はお相手は女性でも男性でもかまわないタイプですから、真ん中とった感じのエヴィンさんはばっちりジャストに僕の好みですけど、そういう話をしてるんじゃ...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.10 Thu 12:45
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 3 午後の嵐は恋の予感? 目は口ほどにものを云うという言葉がある。確かに瞳というのは、人の心を一番忠実に投影し、物語るものではなかろうか? 瞳に込められた、言葉には出せない切なる想い。それが真っ直ぐな愛情なら、受け手はもちろん嬉しい。まあ、相手にもよるだろうが。しかし逆に、それがよこしまなものだったりすると悲惨である。これも相手如何なところあるけど……よーするに、好みでもない相手から気色悪い気配を感じるっつうのは、サイアクってことだ。 「……いや...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.10 Thu 12:42
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー ※※※ 「それは災難だったねえ〜」 という割には呑気な声。俺のティーカップを持つ手がかたかたと震え、目の前でにこにこしながら苺ミルフィーユなどほおばって幸せそうにしているこの男を絞殺したい欲求に駆られたが、なんとかおさえとく。上司いなくなると給料もらえなくなるし。 「ティルラド……お前んとこの執事はいったいなんなんだ……?」「なにって、あーいうヤツよ」 怒りに震える声で問う俺に、俺がティルラドと呼んだ目前の貴公子はあっさりと答える。 「性癖と個人の力量は別...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.07 Mon 18:47
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 「……さて。確かあなた、ビアンカ姫と言ったかしら? ここは立場を公平に、話し合いといきたいわね。あなたもそのつもりでいらしたんでしょう?」 言われて、俺はまっすぐな視線でイリーアを見返す。 しかしイリーアはたじろぐことなく、薄い笑いをその口元に浮かべた 「ふふふ。意外に気の強そうな方ね。まあ全ては後の話。わたくしはもう行きます。ヘラ、ビアンカ姫にご挨拶して、同じ年頃の娘同士、屋敷を案内でもしてあげなさい」 柔らかだが、どこか有無を言わさぬ口調で言い放つ...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.07 Mon 18:37
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 「女の軍人にやらせりゃいいだろ!」 そう抗議もした。しかし、 「女でこの仕事任せられるくらいのエージェントって、一人しかいないの。……そう、彼女ね。彼女を人様のお嫁にやっちゃっていいの?」 そう返され、俺は口をつぐむしかなかった。例え装うだけとはいえ、彼女をイールの花嫁になど冗談じゃない。 「そもそも、仕事でウエディングドレス着ると婚期が遅れるからとか難癖つけて、とっくにきっぱりと断られたのよ。その彼女が、あんたのこと推薦してくれたのよね。 確かに...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.07 Mon 18:31
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー しかし俺は、情けなくも涙目でこう言い返すことしかできなかった。 「アルスは料理上手だし、エプロンは似合うし、世話焼き女房みたいな小うるさいその性格とくりゃ、嫁さんに似合いなのはそもそもお前のはずだろっ……どおしていっつも、俺ばっかなんだっ!」「……何言ってんだ? オレぁお前みたいなお坊ちゃんじゃねえから、家事を一通り習得してるだけじゃねえか。そもそも、どうしても何も、そんなん鏡見りゃわかんだろ。相変わらずトリアタマだなっ、蒼穹のチビ!」 う……そ、そうだよな。...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.07 Mon 15:07
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー ※※※ 「それは災難だったねえ〜」 という割には、呑気な声に、俺のティーカップを持つ手がかたかたと震えた。目の前でにこにこしながら、苺ミルフィーユなどほおばって幸せそうにしているこの男を、いっそ絞殺したい欲求に駆られるも、……なんとかおさえとく。 上司いなくなると給料もらえなくなるし……。 「ティルラド……お前んとこの執事は、いったいなんなんだ……?」「なにって、あーいうヤツよ」 怒りに震える声で問う俺に、俺がティルラドと呼んだ目前の貴公子は、あっさりと答える...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.07 Mon 11:02
JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー 2 選ばれし花嫁の受難 馬の蹄と車輪の音。降りしきる雨露が煉瓦の道をしとしと打つ、うっとおしい響きが耳元で止まずに、苛立ちを誘う。初夏は、こうして雨も多い。もたれた窓から過ぎゆく景色を見遣ると、風にのぞける沿道の深い緑は、湿気た空気に重たく、その輪郭を雨にぼかしている。 「エヴィン様、二人の仲はあくまで円満という設定でお願いします。だからもっと僕に寄り添って下さいねっっ」 そのわずらわしい耳打ちに、俺は胸中で盛大に舌打ちをうったが、顔には出さない。同乗...
三日月の聖書〜Crescent Bible 波濤の戦士達 | 2011.11.07 Mon 10:58
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