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差別と寛容。 『アンドリューNDR114』(1999年/アメリカ映画)

   10数年ぶりに再鑑賞したが凄い泣けた。これはそれほど話題に上るような作品ではないが何気に傑作だと思う。泣けるロボット映画としては『A.I.』より上であることは間違いない。原題「The Bicentennial Man」はアイザック・アシモフの原作と同じ。132分。  先日亡くなったロビン・ウィリアムズは人間性がどうあれ俳優としてはキャラクターが強過ぎてあまり好きじゃなかったのだが、そんな彼の主演する映画で唯一好きな作品がこの『アンドリューNDR114』だった。それを今日観直してみて改めて良い映画だと思った。子...

@東京都オタ区 | 2014.09.21 Sun 03:57

バンド・デシネの鬼才エンキ・ビラルが描く奇妙な未来神話。エジプト神と革命家とミュータント。 『ゴッド・ディーバ』(2004年/フランス映画)

   再視聴のつもりで観たが、どうやら前回ちゃんと全部観ていなかったような気がする。理由はあまりにも期待していた内容から外れていたため。  エンキ・ビラル監督の映画は前2作両方持っているが、どちらも一切CGが使われていなかった。前に『未来世紀ブラジル』のレビューにも書いたが一番印象の近い作風は昔のテリー・ギリアムだと思っている。しかし今作『ゴッド・ディーバ』では初めてCGを派手に使っており、一部の人物と室内描写以外ほぼ全てCG。そしてそれが前回DVDを購入した時に期待はずれ感から最後まで観られ...

@東京都オタ区 | 2014.09.17 Wed 19:41

やれ打つな/蝿が手をすり/足をする(小林一茶)。 『ザ・フライ』(1986年/アメリカ映画)

 デヴィッド・クローネンバーグ監督による『ザ・フライ』は二度目の映画化であり、1958年の映画『ハエ男の恐怖』とともにジョルジュ・ランジュランによるSF小説『蠅』(1957)が原作。 (中編小説『蠅』のあらすじ) 物理化学者アンドレは物体を瞬時に別の場所に移動させる物質電送機の研究開発に没頭していた。試行錯誤の末、彼はカップや冷やしたシャンパン等を用い電送実験を成功させる。そしてついには自身の体を使って電送の人体実験を行った。しかし、機械の中にハエが紛れ込んでいたため、電送の最中に両者...

@東京都オタ区 | 2014.09.17 Wed 01:08

主演はマリリン・マンソン。ではない。巨匠ジョン・カーペンターの傑作(?)B級SFホラーアクション(アメリカでは公開2週間で上映打ち切り)。 『ゴースト・オブ・マーズ』(2001年/アメリカ映画)

 最初からしょぼいB級と割り切って観ればそれなりに楽しめる。なんとなく昔DVD買って観た時より面白く観られた気がする二度目の鑑賞。  先日観た『ジャッキー・ブラウン』のパム・グリアーが出演していることに気づいたことと『フロム・ダスク・ティル・ドーン』からの流れで巨匠による微妙なB級作品として再鑑賞してみた。そうしたら主演のナターシャ・ヘンストリッジはあの『スピーシーズ』(シリーズ全然観ていないけど)の人だったし、今ではすっかりバリバリのアクションスターとして大活躍中のジェイソン・ステイサ...

@東京都オタ区 | 2014.09.15 Mon 21:49

オッパイ伝道師ラス・メイヤー監督が描いた伝説のB級バイオレンス。 『ファスター・プシィキャット!キル!キル!』(1965年/アメリカ映画)

   たぶんこの映画のキャラクターたちも一種映画的にシンボリックな存在なのだと思う。胸の谷間に巨大なメロンを二つぶら下げたような爆乳美女たちが全裸で走り回るソフトコア・ポルノ映画ばかりが詰まったラス・メイヤーDVD-BOXの中でただ一本の普通(?)の映画。BOXを購入して10年目の初鑑賞。昨日ロバート・ロドリゲス監督の映画『フロム・ダスク・ティル・ドーン(夕方から夜明けまでの意)』を観た勢いでなんとなく観る気になった。ある意味とても良く似た映画なのではないかと思う。      自由奔放...

@東京都オタ区 | 2014.09.15 Mon 00:55

巨乳熟女好きにはたまらないセクシーな黒人美女のキャビンアテンダントが挑んだ危険な賭けの結末は。 『ジャッキー・ブラウン』(1997年/アメリカ)

   Wikiによると「裏設定では、パム・グリア演じるジャッキー・ブラウンは『パルプ・フィクション』のマーセルス・ウォレスの妹にあたるとされている」ということから、タランティーノのもう一本の好きな映画『パルプ・フィクション』と世界観を共有しているが『ジャッキー・ブラウン』には白人主人公の原作小説がある。  タランティ−ノは好きなんだけれどもいろいろ肌に合わない作品が半々といったところ。出世作の『レザボア・ドッグス』を観たのは4作品目くらいだったと思うがあまり好きじゃなかった。『キル・ビル』...

@東京都オタ区 | 2014.09.12 Fri 14:38

NO.1諜報部員のリアリティを目指したジェームズ・ボンド2作目。『007 慰めの報酬』(2008/英)

   この映画が面白くないという人がいたとしたらその人は本当の映画好きではなくてただの自己満足の人だと思う。「可愛い」とか「ほのぼの」以外に映画に必要なものは大体全部入ってる。これが本当の007(ダブルオーセヴン)。正真正銘のアクションエンターテイメント。興行収入も批評家の評価も前作からはかなり下回ったそうだが、ほとんど間を空けずに観た印象としてはむしろストーリーの続いた『慰めの報酬』でオチがついてスッキリした感じ。エンディングにお馴染みの007のテーマ曲が流れるとなんとなく意外に感じられる...

@東京都オタ区 | 2014.09.04 Thu 22:57

EVA〈エヴァ〉(2011年・スペイン映画)

   スピルバーグの『A.I.』とぜひ比べて観てもらいたい映画。そしてラストには全く異なる切なさで胸が締め付けられる作品が『エヴァ』。永遠のマイフェバリットである『ブレードランナー』にも通じる、アンドロイド(人に似たものの意)とそれを創り出した人間の悲劇を描いている。 『エヴァ』を観ると、欧米とアジアのSFに対する感性の格差が良く分かる。これは素人考えではあるが、たぶん予算的にも技術的にもスペイン映画と邦画にさほど隔たりがあるとは思えないのに、この映画ではハリウッドにも全く見劣りしない映像効果...

@東京都オタ区 | 2014.06.09 Mon 13:56

エヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年) エヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年)

   全4部と言われる新しく練り直された新生エヴァのドラマ。あらすじによると次の3作目は前半2作から14年後の話(?!)であるということから、とりあえずこの最初の2本を観てみることにした。大雑把な見方をすれば、旧シリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』のTV版から映画の完結編までの大きな流れが「序」と「破」で描かれていると思うが、物語は途中から少しずつ前作の設定から離れて行き「破」の終盤では全く異なる内容に生まれ変わっていた。  観る前に予想していたことはあくまでも旧シリーズのリメイク的なものだったが、...

@東京都オタ区 | 2014.06.06 Fri 03:34

アバター(2009年・米)

   もともと『タイタニック』とか一般的に分かりやすい人気映画やベストセラーを好まない天邪鬼(あまのじゃく)な性格なので、ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』なんて、お金のかかった映像がド派手なだけで絶対に大した映画ではないだろうと高をくくっていた。  そして今ごろになってようやく観てみたわけだが、悔しいことに面白かった。感動して泣きそうになった。162分という大作だったが最初から最後まで全く緊張が途切れることなく、的を得た演出に無駄のないシナリオと編集に恐れ入った。確かにこれは良くでき...

@東京都オタ区 | 2014.06.02 Mon 05:15

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