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双子の藍と茜。姿も、することも、何もかも一緒。しかし、茜が怪我をして傷跡が残ったときから、二人は少しずつ違う道を歩き始めた。そして・・・。表題作を含む5編を収録。 「孤独を感じたことがないという孤独」 これほど心を凍えさせる言葉はない。人は寂しがりやの生き物だ。孤独のままでは生きられない。傷つかず、傷つけられずに一人で生きていくよりも、傷つけあいながらでも、二人で生きていく道を選ぶこともある。作者は心傷つく者たちを温かな目でとらえ、描いている。読後、心が穏やかになっていくような作品だった...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 15:17
大宮に建てられている巨大建築物、スパイラルビル。独特のねじれたような形を持つビルの建設に携わる人々の、悲喜交々を描いた作品。 そのビルを設計した者、そのビルを建てている者。彼らには彼らの、それぞれの人生がある。ビルはねじれたままで、存在し続けることができるのか?ビルの姿におのれの人生を重ね合わせている男たち。彼らは、自分たちの人生もどこかねじれていると、感じているに違いない。良治の人生が、全てを物語っているような気がした。 JUGEMテーマ:読恋書♪(どっこいしょ♪)
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 15:17
「マタギ」としてずっと生きていくと思っていた富治。しかし、文枝との仲を、地主でもある文枝の父長兵衛に知られ、追われるように村を出て鉱夫に・・・。だが、「マタギ」としての血が騒ぎ、彼は再び山へ戻る決心をする。壮大な自然の中で繰り広げられる人間ドラマ。 「山には神様がいる。」 自然を崇め、自然と共存するように暮らす「マタギ」。アオシンと呼ばれるニホンカモシカや、熊を獲り、生活を営んでいる。その狩猟の様子は圧巻だ。狩猟は、命のやり取りだ。人と動物の闘いだ。富治や、富治を支えるイクの人生もまた、...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 15:17
第一部・・幻世の祈り 愛というものに疑問を抱く、高校教師の巣藤。理想の家庭を築こうとして、家族の心をばらばらにしてしまった、刑事馬見原。児童虐待に心を痛める氷崎游子。それぞれがそれぞれの心に、家族というものに対する深い思いを抱いていた。ある時巣藤は、登校拒否の息子を抱える隣家の異変に気づき、様子を見に行くが。 第二部・・遭難者の夢 隣家の悲惨な光景が頭から離れない巣藤。彼はひどく酔った夜、若者たちから暴行を受ける。摂食障害に陥り、食べては嘔吐を繰り返す亜衣。幼児虐待を繰り返す親に、相変...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 15:17
神山は中学3年生。補欠の野球部員だった。だが、ビートルズの歌が彼を変えた。心の中で彼を励まし続ける「プリーズ・プリーズ・ミー」。友情、大人の矛盾した考え、女性に対する憧れ。さまざまなことを経験して、彼は成長という階段をひとつひとつ上っていく。坪田譲治文学賞受賞作品。 まさにきらめくような時代。一昔前の中学生はみんなこうだった。今のように塾だテストだと勉強に追われることなく、それぞれの年代にしか体験できないことを存分に楽しんでいた。子供と大人の狭間の中で、大人の勝手な言い分に怒りを感じたり...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 15:16
中学生になってから登校拒否になってしまったまい。心配した両親は、落ち着くまで、まいをおばあちゃんの家に預けることにした。「西の魔女」ことおばあちゃんとまいの、新たな生活が始まった。他に、まいのその後を描く短編一つを収録。 おばあちゃんとの生活は、まいの心をなごませる。どんな励ましの言葉もいらない。おだやかな生活の中で、まいは心を癒していく。そして同時に、強くなっていく。おばあちゃんの温かさが、読む側にも伝わってくる。平凡な日常だけれど、そこに流れる時間は、かけがえのない貴重な時間だ。おば...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 15:16
永田町のどこかに盗聴器が・・。電波の発信源を特定し、プロテクトを解除したとたんレシーバーから聞こえてきたのは、殺人現場の音だった・・。表題作を含む5編を収録。作者の初の短編集。 人の心に何が潜んでいるのか・・。知られたくない過去を隠すため、日ごろの恨みを晴らすため、人は罪を犯す。人の心というのは、とても怖い一面を持っている。作者は、犯罪に至るまでの過程や、その後の様子をとてもよく描いている。どの作品も、充分に練られているといった印象だった。長編にはない作者の魅力が、よく出ているのではない...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 15:16
京都の富豪の邸宅で、家政婦として働くことになった瑞恵お金には不自由しない人たちだったが、そこには複雑な人間関係があった。次々に起こる奇怪な事件。はたして、どんな真相が隠されているのだろうか? 一見穏やかに見える生活。しかしそこには、人それぞれの思惑があった。複雑に絡み合う感情。そこから起こる悲劇。誰が?最後まで犯人の姿は見えてこない。だが、早く先を読みたいと思うほどではなかった。真相が分かったときも、意外だというふうには感じなかった。ラストもなんだかすっきりせず、物足りない思いが残った。...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 15:16
奈良の大仏建立。その大事業に遠く長門の国からも、国人を含め15人の男たちが都に向かった。何十日もかけてたどりついた都。そこで待っていた過酷な労働。国人は、詩を詠むことを日々の楽しみとして耐えていた。月日が流れ、ようやく待ち望んでいた国へ帰ることができる日が来たが・・・。 1200年以上も前、あの巨大な仏像を人の力だけで作り上げる。その労働がどんなに過酷だったことか!また、たとえ無事に労役を終えたとしても、国元にもどれる保障はどこにもない。国を離れて労役に就くということは、もう生きて国元に...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 15:15
妻を事故で亡くした悲しみから、まだ立ち直れずにいる松嶋のもとに、50数年前に自殺した作家の未発表手記が持ち込まれた。そこに書かれている事柄に心ひかれる松嶋。だがその未発表手記には、恐るべき謎が隠されていた。 他人のために良かれと思ってやったことが、実はまったくの逆で、その人間を不幸に陥れていたとしたら・・・。自分のまったく知らないところで、自分に恨みを持つ人間がいたとしたら・・・。50数年前の出来事と、松嶋の身辺に起こる出来事はどうつながるのか?人の人に対する憎悪は、思わぬところから生ま...
のほ本♪ | 2014.12.20 Sat 15:15
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