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深川の老舗料亭「江戸屋」。その三代目女将秀弥は、娘の玉枝に四代目女将としての心がまえをひとつひとつ教えていた。その母娘や、深川で暮らす人々の心情を細やかに描いた、心にしみる作品。 自分の娘でも容赦はしない。秀弥は娘の玉枝を厳しくしつけるが、そこには確かな愛情があった。玉枝もそれが分かるから、つらいことにも耐えていく。母と娘の凛とした関係は読んでいて胸を打つ。秀弥や玉枝、そして深川に生まれ育った人たちが助け合い、困難を乗り越えていくさまも感動的だ。 信頼とか、思いやりとか、お金では決して得...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:42
誰かの死を願ったとき、自分の死を考えたとき、死神はそっと近づいているのかもしれない。魂を黄泉の国に運ぶ死神は、何を語るのか?生きることと死ぬことを真正面から見据えた作品。 誰でも、自分や他人の死について考えるときがある。なぜ生きていくのか悩んでみたり、死を願うほど他人を憎んでみたり。そんな気持ちのとき死神が現れたら?この作品に登場する多美や麦穂は、ほかの人には見えない死神を見ることで、「生」というものをまっすぐに見つめようとする気持ちを持った。死神は人に、「生きる」ということを改めて考え...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:42
九州の山奥の湖に浮かぶ小島。そこに暗黒館と呼ばれる建物があった。浦登家の当主の息子である玄児に誘われ、「中也」はこの屋敷を訪れる。「ダリヤの日」と呼ばれる9月24日。その日に出された奇妙な料理。それはいったい何か?そして暗黒館で起こった殺人。それは18年前の事件と関係があるのか?壮大なミステリー。 作者の視点と、何者かの視点から描かれている。暗闇の中に沈みこんでしまったような館、暗黒館。嵐の夜に起こった殺人。そして奇妙な儀式。そこで起こる出来事もそこに住む人たちも、すべては謎めいている。...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:42
京都からやってきた永吉が豆腐屋を開いたが、最初は京風豆腐になじみのない江戸の人たちには受け入れられなかった。一生懸命永吉を手伝うおふみ。やがて二人は夫婦となり、力をあわせて店を大きくしようとするが・・・。豆腐屋「京や」を舞台に、永吉・おふみ夫婦と彼らの子供の栄太郎・悟郎・おきみ、この五人の家族を描いた人情味あふれる作品。 ちょっとした出来事が心をすれ違わせることもある。大きな悲しみが人を変えてしまうこともある。だが、永吉がおふみを、おふみが永吉を慕う気持ちは、出会いの頃からずっと変わるこ...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:41
愛し合ったままで生涯を終えるのだと思っていたノアとアリー。しかし思わぬ障害が二人を引き裂く。愛する者を忘れてしまう苦しみ、そして愛する者から忘れられていく苦しみ。ノアはアリーのために毎日物語を語り続ける・・・。 婚約者と別れ、ノアと結婚することを選んだアリー。あんなにも愛し合っていた二人なのに。アリーは、ノアが自分にとってどういう人なのかが分からなくなってしまった。激しい孤独感に苛まれながらノアはアリーを思う。これほどまでにお互いがお互いを愛し続けられるだろうか。アリーがノアに書いた手紙...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:41
夢の中に入り込めば、分からなかったことが見えてくる。不思議な「夢告」という能力を持つ弓月は、人探しを頼まれる。だがそれは単純な人探しではなかった。弓月と弟の信行は、思わぬ事件に巻き込まれていく・・・。 「夢告」という不思議な力。それは失せ物や人探し、はては予知にも使われる。弓月はその力を駆使して、難事を乗り切ろうとする。人から見るとうらやましい力かもしれない。しかし、その力を持つことが幸せなことなのか。人は、未来が見えないからこそ未来に希望を抱き、生きていくことができる。見えない方が幸せ...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:40
目が覚めるとそこはまるで別世界だった!健太は2001年から1944年へ、吾一は1944年から2001年へ、それぞれが入れ替わってしまった。はたして二人の運命は? フリーターの健太、特攻隊員の吾一。もといた時代とまるで違う環境の中、二人はそれぞれ何とか必死に生きようとする。もとの時代に戻れる日を待ち望みながら・・・。 吾一たちが命をかけて守ろうとした日本。その日本の2001年の姿を見て吾一は何を思ったのだろうか?また健太も、同じ世代の若者が日本のために命を散らしていくのを見て、何を感じたの...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:40
ゆらゆら橋は戻り橋。ゆらゆら揺れるのは男の心か?女の心か?健司という一人の人間が成長していくとき、さまざまな女性との出会いがあった。そのひとつひとつの出会いをあざやかに描いた作品。 幼い頃はただのあこがれだったかもしれない。中学生、高校生、大学生、そして社会人。成長するたびに女性との恋も変わっていく。健司の心の揺らぎが読み手にも伝わってくる。だが、健司の行動や考えに共感できるところは少なかった。むしろ嫌悪感さえ感じたところがあった。それは女性としての立場で読んでいるからなのだろうか?作者...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:40
お母さんはフランスではなく、もっと近くにいた!小学校3年生の大志は、フランスで仕事をしている母に会いたいという気持ちをずっと抑えてきた。しかし母の本当の居場所が分かったとき、彼は一人で母に会いに行こうと行動を起こす。愛いっぱいの物語。 まさに日本版「母をたずねて三千里」。どんな困難が待っていても、母に会いたいという気持ちは誰にも止められない。大志が、どんなことをしてでも母に会いたいと願う思いに、読んでいて涙が出た。子供が母を思う気持ちはとても強い。そして、母が子供を思う気持ちも同じだ。お...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:39
肉屋の主人の自慢は物まね。動物の鳴き声が得意で、その物まねを聞けば今日はどんな肉が入ったのかを知ることができた。彼の家族は無口な妻と「ラー」しか言えない息子。家族はいつも幸せそうだった。「肉屋おうむ」など19編の作品を収録。 いしいしんじの独特の世界。今回はその色合いがいっそう濃くなっているようだ。人間も植物も動物もみんな同じ。そこには境界線はまったくない。みんな、自然の中で暮らす生き物として捉えている。作品の中には作者の言わんとすることが見え隠れしているけれど、読んでも読んでもそれに手...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:39
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