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愛した人は手の届かない人。抑えても抑えても思いがつのる。自分の心が壊れてしまうほどに人を愛した泉の物語。 あこがれがいつしか愛情に変わる。だがどんなに愛しても報われることはない。そのことが分かっていても進まずにはいられない。泉の葉山への思いはとても激しいはずなのだけれど、読んでいてもどかしいほどそれが伝わってこない。物語の流れも、あまりにも淡々としすぎているような気がした。泉や葉山の苦悩がもっと伝わってくれば、もう少しそこから読み取れるものがあったと思う。透明感のあるきれいな文章でつづら...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:36
離婚した後、一生懸命息子を育ててきた。だがその息子はゴミを捨てに行ったまま戻らなかった。息子にいったい何があったのか?息子文彦の、佐知子が知らなかった面が明るみに出ようとしていた。 息子の失踪により、息子のまったく知らなかった一面を知る。それは母親にとっては残酷なことかもしれない。自分の腕の中にいると思っていたが、実はすでに手の届かないところに息子はいた。失踪をきっかけにさまざまな事が見えてくる。自分の家庭、離婚した夫の新しい家庭。いろいろなものを巻き込んで、物語は思わぬ方向へ・・・。読...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:36
江戸の町に、人々に愛され繁盛している「だいこん」という一膳飯屋があった。その店を切り盛りするつばきと、つばきを取り巻く人々の、心温まる人情物語。 幼い頃から両親を手伝い、妹たちの面倒をみてきたつばき。やさしさと強さを備えたその性格は、誰からも愛された。得意な料理を生かすため一膳飯屋を始めるが、その商才には目を見張る。店は味だけで繁盛するわけではない。店とお客の信頼関係も大切なことだ。読んでいて「なるほど!」と思うところが何箇所もあった。店は人々から愛された。だがつばきには、一人の女性とし...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:36
「秋葉図書館」。そこはすすきがおいしげる斜面のど真ん中にあった。移りゆく季節の中での図書館と人々のかかわりと、日常の中にひそむ謎を描いた、ほのぼのとした物語。 時間がゆったりと流れる静かな雰囲気。季節の移り変わりを愛でながら本が読めたら、こんな幸せなことはない。そんな穏やかな図書館にも、ささやかな事件が起きる。図書館に勤める能勢は、人々の話やさまざまな出来事の断片を集め、見事に推理していく。そして、そんな能勢を見つめる文子。やがて図書館のまわりにはれんげの花が・・・。「こんな図書館があっ...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:36
いつもの図書館にいつものように本を返して、いつものように本を探していただけなのに・・・。図書館にとらわれた「ぼく」は、はたして無事に家に戻れるのか?大人のためのファンタジー。 いつもの図書館がいつもの図書館ではなくなる。日常の当たり前が当たり前ではなくなって、別の世界が現れた!だが「ぼく」はそれほど驚きもせずに受け入れる。村上春樹の独特の世界が広がっている。怖いような話だけれど、怖さを感じさせない。悲しいような話だけれど、悲しさも感じさせない。「無」から生まれて「無」に還るようなそんな話...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:36
人々に夢と希望を与える東京ディズニーランド。21歳の後藤は、あこがれのディズニーランドでバイトをすることになった。張り切って仕事をしようとする彼だが、ディズニーランドの裏側の実態をいやというほど知ることになる。その実態とは? 一歩踏み込んだらそこは別世界。まるで異次元の世界に迷い込んだようだ。ディズニーランド♪初めて入った人はきっとそう感じるに違いない。夢のある世界で、夢のある仕事をしたい。そんな後藤の願いは1日目から砕け散ることになる。正社員、準社員間の確執。また、準社員間でもトラブル...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:36
「いなさ屋」。そこにはいろいろな人生を抱えた人たちが集まってきた。「いなさ屋」の主人孝助やそこで働くたかにも、人には決して言えないつらい思いがあった。そんな人たちがそれでも必死に生きようとする姿を、しっとりと描いた作品。 人の一生は、海を漂う小船のようなものかもしれない。風雨にさらされ、波にもまれ、時には海の底に沈みかける。けれど、人は浮き上がらなければならない。どんなことをしてでも生きていかなければならない。悲しいほどの決意が、読む者の心を打つ。話に派手さはない。むしろ暗い話が多い。だ...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:35
いつも通うカレー専門店「紫陽花亭」の主人に対し、「こいつは人殺しだ!」と怒鳴る男。いったい二人の男の間には何があったのか?表題作を含む5編を収録した、女刑事音道貴子シリーズ。 事件に関わる刑事としての彼女も好きだが、一人の人間としての彼女も好きだ。作者は音道貴子の魅力を存分に描いている。また、起きる事件の背後にあるさまざまな人たちの生きざまも、ていねいに描いている。「犯罪」は憎むべきものだ。しかし、起こした人間の心の奥をかいま見るとき、心の底から憎めなくなってしまう。音道貴子の苦悩もそこ...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:35
側室の話を断った津和野藩の美雪姫。怒った大老井伊直弼は津和野藩に謀反の疑いをかけ、藩士51人と姫を山頂に幽閉する。まわりが断崖絶壁の山頂からは脱出不可能か!だが、彼らは決してあきらめなかった。 厳重な警戒。まわりは断崖絶壁。不可能と思われた脱出だが、藩士たちは知恵をしぼって試みる。満足な道具もなく、工夫に工夫を重ねながら彼らは挑む。そこには権力に屈することのない強い意思があった。奇想天外なラストには拍手。人の心を動かすのは、権力でもお金でもない。やはり人の心だと思う。それに気づかなかった...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:34
報道番組「ナイン・トゥ・テン」の中の人気コーナー「事件検証」を担当するのは遠藤瑤子。彼女は映像に「実」と「虚」を巧みに入れ、視聴者の心をつかんでいた。ある日彼女の元に内部告発のビデオを持った男が現れる。巧妙に仕掛けられた罠が、彼女を待ちかまえていた・・・。江戸川乱歩賞受賞作品。 映像は視聴者にきっかけを与えるだけ。見てどう判断するのかは視聴者しだい。だがそれは作り手側の詭弁にすぎない。一人の男が容疑者扱いされる。その中では容疑者と断定していなくても、見ている側にはそうとしか思われないよう...
のほ本♪ | 2014.12.19 Fri 19:34
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