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JUGEMテーマ:時代小説 藤沢周平の武家物の集大成。「風の果て」の野瀬市之丞を彷彿させる主人公のかっての友が出てくるし、「祝い人助八」に出てきた別れた妻に付きまとう武士と同様のエピソードも出てくる。また、「長門守の陰謀」や用心棒シリーズの「刺客」でおなじみの藩主の兄弟が絡んだ政争もある。この本を読んでいるとそうした作品を思い出す。いわば、藤沢周平の武家物のエッセンスが詰まった一冊。最初に読んだ25年前に比べて心への浸透がずいぶん深くなったのは、自分が主人公の年齢に近く、というか、同じ...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:34
JUGEMテーマ:時代小説 前半の「江戸おんな絵姿十二景」としてまとめられた12編は、どれも10ページ足らずながら過不足なく女性を描いた作品ばかり。後半の「広重『名所江戸百景』より」は、長さこそもう少しあるが、やはり前半同様に過不足なくまとめられた作品がほとんど。ただし、表題作の「日暮れ竹河岸」や「飛鳥山」や「雪の比丘尼橋」は、ある風景の一部を切り取って見せてくれたような作品。だからといって不足感はなく、逆にその切り取り方が作品の印象を強いものにしている。他には、個人的に「猿若町月...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:33
JUGEMテーマ:時代小説 「帰って来た女」では音吉とおきぬの二人に幸あれと願ってしまう。表題作の「龍を見た男」は藤沢周平にしては珍しく幻想的な作品。「逃走」は難問が一気に解決される鮮やかな結末に感嘆するのみ。「弾む声」の聞こえてくるだけで元気にさせてくれる声というのは確かにある。職場の隣りの課にもそんな声の持ち主がいる。だから、この隠居夫婦の気持ちはよくわかる。「失踪」だが、耄碌した年寄りをかどわかすかね。扱いに困っている犯人たちの姿がおかしい。亭主も図太いね。(笑) 最後の「切腹...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:31
JUGEMテーマ:時代小説 「蝉しぐれ」にも通じる清廉さを感じさせる「泣く母」、隠し剣シリーズのようだと思いながら読んでいたら、最後に何が善で何が悪かちゃぶ台引っくり返された感の「嚔」、短編という限られた枠の中で十分に犯人の意外性を見せてくれた「密告」、藤沢作品の市井物ではお馴染みの身勝手で情けない男の典型を描いた「おとくの神」、落語の人情話を聞かされたような「虹の空」、収められた11編の中では、こういったところが特に印象に残ったが、その他の作品も完成度は高い。これまでに何度も言っ...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:30
JUGEMテーマ:時代小説 7作品が収録された短編集。「木綿触れ」と「小川の辺」の武家物はともかく、まだ続きがありそうなところで終わる表題作の「闇の穴」、冒頭に子供が殺人の様子を目撃するところから始まる一種のフーダニットの「閉ざされた口」、小児性愛者を描いた「狂気」、ホラー小説といっていい「荒れ野」、それとこれもホラーの要素がある初めから終わりまで女のモノローグで通した「夜が軋む」と、5編の市井物はどれも毛色の変わった作品が揃っている。藤沢周平の作家としての意欲を感じさせる一冊。(...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:28
JUGEMテーマ:時代小説 上巻を読んで期待した武将の話と忍びの話の融合は無かったな。そこは武将の話でここは忍びの話というように分離されていて1プラス1は2という当たり前の答えしか出てこない感じ。1プラス1にプラスアルファが加わって…というようなものにはなっていない。実在の武将を描くと、事実として動かせないポイントが複数あるから、どうしても解釈話になっちゃうんだよね。それに囚われて自由度の高いはずの忍びの話の部分を活かせなかったような気がする。まあ、これは藤沢周平に限らず、多...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:26
JUGEMテーマ:時代小説 このところ読んでいる藤沢周平の本はどれも何度目かの再読だが、密謀は初見になる。時代小説でも実在の武将が主人公のものは苦手なので、直江兼続が主人公と聞いて読まずにいたが、今回手に取ってみると忍びが出てきて予想していた武将物とはちょっと違う様子。上巻は豊臣秀吉が亡くなり、その後の天下の行く末を注視する直江兼続とその指示に従い行動しようとする配下の忍びの姿を描いたところで終わっている。下巻では関ヶ原の戦いがメインになるんだろうが、それに忍びがどう絡むのか、楽し...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:25
JUGEMテーマ:時代小説 明智光秀が主人公の表題作はいうまでもないが、他の3編も実話をもとにした作品。歴史的事実なので、「上意改まる」では、結局、上意が改まる原因となった企みの主謀者には何のペナルティも与えられないし、「二人の失踪人」では失踪したもう一人の消息については不明のまま。結末にフィクションのような納得感はない。あとがきで著者は「ありもしないことを書き綴っていると、たまに本当にあったことを書きたくなる」とし、それを「一種の生理的欲求のようなもの」と述べているが、そういう作家と...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:23
JUGEMテーマ:時代小説 喜多川歌麿が主人公の連作短編集。といっても、各話の主人公はそれぞれ歌麿の絵のモデルの女たち。歌麿が彼女たちの生き方に付かず離れず距離を保ちながらも感慨をもって見ている姿を描いている。各エピソードも藤沢作品らしいものばかり。しかし、最終話だけは違う。華やかな時期が過ぎていく時の寂しさを描いていて、これは他の藤沢作品でもテーマになっているが、この話の終わり方は尋常じゃない。「そう来たか…」という感じ。油断できんね、藤沢周平。奥が深いね、藤沢周平。何か、...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:15
JUGEMテーマ:時代小説 表題作「驟り雨」は、盗みに入る機会を窺っていた男が邪魔が入ってなかなか屋敷に忍び込めず、挙句に幸薄そうな母子を助けようとするところで終わる一風変わった作品で印象に残る。「贈り物」と「遅いしあわせ」は昔悪事に手を染めたことのある男が女を助ける話。「遅いしあわせ」の気弱な元亭主は身近な存在(笑)として嫌いじゃない。トロいところのある女を主人公にしたのが「ちきしょう!」と「捨てた女」と「泣かない女」。どれも男が勝手。それでもその勝手さを横に置いて男が女のところ...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:14
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