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JUGEMテーマ:時代小説 前回「白樫の樹の下で」同様、話の目指す先がなかなか掴めなかった。剣術に優れた武士、鮭の養殖、執政間の争い、死に向かう意思、母と同様に駆け落ちする娘等々、どれが話の主軸になるのか見当がつかないまま、読後に感じたのは「で、何?」。母と娘の駆け落ちの理由がともに夫のためだったことが明らかにされるが、それが主軸なら物足りず、主人公とその婿の死に向かう意思も説得力に欠けるように思う。ラスト一行の家老のセリフは笑えるといえば笑えるが、これを最後に持ってくる意味がどこ...
本、読みました。 | 2020.05.04 Mon 13:17
JUGEMテーマ:時代小説 短編集。これまでに読んだ著者の3長編のような不満をまったく感じない。最初の「三筋界隈」は、米の高騰、人気のない道場、刀の交換、真剣での立ち合いなどが過不足無く繋がって話を作っている。表題作の「春山入り」では、刀を挟んで古くからの友との関係が描かれるが、二人の子を亡くした夫婦の回復の物語ともいえる。「乳房」の夫婦とも漢詩好きだったというオチも良い。「約定」の最後の謎や「夏の日」の盛り上がりの頂点でスパーンと切って結末を示す手法からも青山文平は短編の名手とい...
本、読みました。 | 2020.05.04 Mon 12:58
JUGEMテーマ:時代小説 青山文平を読むのは3冊目だが、これまでの中では一番、話としての形が見えた。ただ、あくまで「これまでの中では」というだけで、起伏がある話とはいえないと思う。同じ土地で一緒に育ち六十過ぎになった幼馴染たちとの話が主軸なんだろうが、早く亡くなった幼馴染の息子とそれに関係した芸人一座、主人公の娘婿の正体といった脇の話のメリハリが弱く、幼馴染が殺されることになった謎解きの結末も盛り上がりに欠ける。文庫本の帯に「(主人公が)友の死の謎を追い、江戸に澱む闇を斬る」とあ...
本、読みました。 | 2020.05.04 Mon 12:56
JUGEMテーマ:時代小説 初めての作家の時代小説を読む時は、どんな具合の話を書く人なのか探りながら読むことになる。家に例えると、間取りはどうだ、内装はどうだ、といったところ。それを早く掴めれば話の先行きに見通しが立ちストーリーが追いやすくなるが、この作品の場合、それがなかなか掴めなった。主人公と友たちの成長の物語なのか、辻斬りを追う話なのか、恋の話なのか…。それが、半分を過ぎたあたりの言い交した相手が殺されたところから急に話が転がり出す。最後の壊れてしまった友との対峙の場面...
本、読みました。 | 2020.05.04 Mon 12:54
JUGEMテーマ:時代小説 藤沢周平の武家物の集大成。「風の果て」の野瀬市之丞を彷彿させる主人公のかっての友が出てくるし、「祝い人助八」に出てきた別れた妻に付きまとう武士と同様のエピソードも出てくる。また、「長門守の陰謀」や用心棒シリーズの「刺客」でおなじみの藩主の兄弟が絡んだ政争もある。この本を読んでいるとそうした作品を思い出す。いわば、藤沢周平の武家物のエッセンスが詰まった一冊。最初に読んだ25年前に比べて心への浸透がずいぶん深くなったのは、自分が主人公の年齢に近く、というか、同じ...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:34
JUGEMテーマ:時代小説 前半の「江戸おんな絵姿十二景」としてまとめられた12編は、どれも10ページ足らずながら過不足なく女性を描いた作品ばかり。後半の「広重『名所江戸百景』より」は、長さこそもう少しあるが、やはり前半同様に過不足なくまとめられた作品がほとんど。ただし、表題作の「日暮れ竹河岸」や「飛鳥山」や「雪の比丘尼橋」は、ある風景の一部を切り取って見せてくれたような作品。だからといって不足感はなく、逆にその切り取り方が作品の印象を強いものにしている。他には、個人的に「猿若町月...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:33
JUGEMテーマ:時代小説 「帰って来た女」では音吉とおきぬの二人に幸あれと願ってしまう。表題作の「龍を見た男」は藤沢周平にしては珍しく幻想的な作品。「逃走」は難問が一気に解決される鮮やかな結末に感嘆するのみ。「弾む声」の聞こえてくるだけで元気にさせてくれる声というのは確かにある。職場の隣りの課にもそんな声の持ち主がいる。だから、この隠居夫婦の気持ちはよくわかる。「失踪」だが、耄碌した年寄りをかどわかすかね。扱いに困っている犯人たちの姿がおかしい。亭主も図太いね。(笑) 最後の「切腹...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:31
JUGEMテーマ:時代小説 「蝉しぐれ」にも通じる清廉さを感じさせる「泣く母」、隠し剣シリーズのようだと思いながら読んでいたら、最後に何が善で何が悪かちゃぶ台引っくり返された感の「嚔」、短編という限られた枠の中で十分に犯人の意外性を見せてくれた「密告」、藤沢作品の市井物ではお馴染みの身勝手で情けない男の典型を描いた「おとくの神」、落語の人情話を聞かされたような「虹の空」、収められた11編の中では、こういったところが特に印象に残ったが、その他の作品も完成度は高い。これまでに何度も言っ...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:30
JUGEMテーマ:時代小説 7作品が収録された短編集。「木綿触れ」と「小川の辺」の武家物はともかく、まだ続きがありそうなところで終わる表題作の「闇の穴」、冒頭に子供が殺人の様子を目撃するところから始まる一種のフーダニットの「閉ざされた口」、小児性愛者を描いた「狂気」、ホラー小説といっていい「荒れ野」、それとこれもホラーの要素がある初めから終わりまで女のモノローグで通した「夜が軋む」と、5編の市井物はどれも毛色の変わった作品が揃っている。藤沢周平の作家としての意欲を感じさせる一冊。(...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:28
JUGEMテーマ:時代小説 上巻を読んで期待した武将の話と忍びの話の融合は無かったな。そこは武将の話でここは忍びの話というように分離されていて1プラス1は2という当たり前の答えしか出てこない感じ。1プラス1にプラスアルファが加わって…というようなものにはなっていない。実在の武将を描くと、事実として動かせないポイントが複数あるから、どうしても解釈話になっちゃうんだよね。それに囚われて自由度の高いはずの忍びの話の部分を活かせなかったような気がする。まあ、これは藤沢周平に限らず、多...
本、読みました。 | 2020.05.02 Sat 16:26
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