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JUGEMテーマ:ノンフィクション 翌日の午前中、私はロンからペギーに渡すように頼まれた物を持って久し振りに事務所に行った。ペギーは、彼女専用の部屋にいた。中に入ると、ルームメイトのマークがいて、ペギーと話していた。私は、あまり長居をしたくなかったので、ロンから預かった物をペギーに渡して、すぐに帰って来た。 事務所を出てから、ロンにメッセージを打った。 「さっき、君に頼まれた物をペギーに渡したよ。」 返事は、すぐに来た。 「ありがとう。」 聞きたい事があっ...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.04.23 Wed 19:36
JUGEMテーマ:ノンフィクション ルームメイトのマークと私は、自分たちの部屋に戻った。彼と一緒に生活を始める前に色々話し合っておかねばならなかった。 「リュウ、君はここに独りで住んでたのか?」 「いや、君の部屋には、カークっていうアメリカ人が住んでた。あっちの部屋には、ロンというオーストラリア人が住んでる。マーク、君は、中国に来てどのくらいになる?」 「5ヶ月くらいかな。」 「じゃあ、もう分かってると思うけど、中国じゃトイレットペーパーは流せないから。」 「知っ...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.04.23 Wed 01:08
JUGEMテーマ:ノンフィクション 夕方、仕事から帰って来ると、カークが元いた部屋から白人の男性が出てきた。新しいルームメイトに違いない。 「君は、ここに引っ越して来たのか?」 「ああ、そうだ。」 「いつ、ここに引っ越して来たんだ?」 「昨日の昼かな。」 全然気がつかなかった。横はかなりガッチリしていたが、白人にしては背はそれほど高くはなかった。 「俺は、リュウだ。名前を聞いてもいいかな?」 「マークだ。実は、以前向かいのシェアルームの友人を訪ねてきた時、君...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.04.22 Tue 13:43
JUGEMテーマ:ノンフィクション ロンの言葉が、妙に心に引っ掛かったので、就寝前にロンの携帯にメッセージを打った。 「まさか、逃げ出そうって考えてるんじゃないだろうな?」 返事は、来なかった。 翌日の午前10時ごろ仕事に出かけようと共用部に出ると、ロンがいた。ロンは、大きなカバンを二つ持っていた。 「あれ、どっか行くのか?」 「今週の仕事は、試験や遠足なんかで、全部キャンセルになったから、彼女と過ごす事にしたよ。」 「いつ戻って来るんだ?」 「一...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.04.20 Sun 07:28
JUGEMテーマ:ノンフィクション 6月5日(火)の夜、カークからメールが来ていた。 「やあ、無事ダラスフォートワース空港に着いたよ。明日は、手術だ。心臓病の手術で、多くの人たちが亡くなってるんで、かなり不安だよ。ところで、僕の荷物の方は、どうなった?」 私は、早速返事を打った。 「大丈夫だよ。よくある手術だって専門家が言ってるんだから、手術台に乗って、目を瞑って、目を開けたら、もう手術はとっくの昔に終っていて、真っ先に君に目に飛び込んでくるのは、君の家族や友人の笑...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.04.19 Sat 09:44
JUGEMテーマ:ノンフィクション ロンの言っている事にも一理ある。こちらで視聴した「アンビリバボー」という番組の中で、アメリカのペンシルバニア州ロゼットという街の事を扱っていた。1960年代、この街の住民たちは、高カロリー食品が好きで、喫煙する人が多かったにも拘らず、一般的なアメリカ人に比べて、心臓病で無くなる人が極端に少なかった。 この街では、住民同士のつながりが緊密で、何か困った事があると住民同士で助け合うのが当たり前だった。ところが、80年代に入って、地域社会が崩壊し...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.04.18 Fri 10:35
JUGEMテーマ:ノンフィクション 翌朝、起きて朝食を摂り、パソコンのスイッチを入れるとカークからメールが来ていた。 「オハヨウ、リュウ。今、ソウルにいる。大韓航空の人にパソコンを使わせてもらって、このメールを打っている。あやうく、搭乗拒否されるところだったよ。僕が、『今、動脈の一部が狭くなってて、胸が痛いんですけど、飛行機に乗っても大丈夫ですか?』って言ったら、大韓航空の人たちから、『症状が落ち着くまで、飛行機には乗らないで下さい。』って言われたよ。で、すぐに錠剤を飲ん...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.04.17 Thu 19:29
JUGEMテーマ:ノンフィクション カークを見送ってから、会社の女の子は、不思議そうな顔で、 「どうして、カークは55歳にもなって、子供みたいに泣いてたの?」 と私に尋ねてきた。 「君は、これまでのカークの苦労を知らないから、彼の事が変に見えるだけさ。」 この子は、自分がカークの監視役をやらされているという自覚はあまり無い感じだった。多分、カークが飛行機に乗るのを確認して来いと言われただけなのだろう。私の弟子のL君が、大阪から帰って来るときも、監視役の社員二人が関...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.04.17 Thu 17:52
JUGEMテーマ:ノンフィクション バスが出てから暫くして、私は、会社の女の子に頼んで席を替わってもらい、カークと話し始めた。 「アメリカに帰ったら、どうするつもりだ?つまり、手術を受けて、容態が落ち着いてからっていう意味なんだけど・・・・・・」 「アメリカに着いた時は、死体になってるよ。」 「そんな事は、ないよ。確かにその可能性は少なくは無いけど、そうはならないと思うよ。」 どうもカークは、悲観的になり過ぎているようだ。こんな時こそ、楽観的でいなければ...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.04.17 Thu 08:27
JUGEMテーマ:ノンフィクション カークは、12時発の飛行機に乗るので、9時半にアパートを出た。スーザンは、カークのスーツケースを運ぼうとしたが重過ぎて、動かすのも大変そうだった。 「リュウ、よかったら、運んでくれない?」 「ああ」 どっちみちシャトルバスの乗り場までカークを送るつもりだったので、私はスーザンからカークのスーツケースを受け取った。 シャトルバスのターミナルまで行って、イスに座り、カークと話し始めた。カークは、半年間暮らした向かいのビルを眺めて、感...
無意識との対話 Dialogues between the conscious and unconscious | 2014.04.16 Wed 17:10
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