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きょうの江戸小話 「山伏の占い」むかし、一人の山伏が伊勢と江戸の分かれ道で、首を傾げました。「はて、どちらに行けば良いのやら」するとそこへ、百姓がやって来ました。そこで山伏が、ちょっといばった態度で百姓に尋ねました。 「こりゃ、百姓。伊勢はどちらか、教えてくれ」その態度に腹を立てた百姓は、山伏に怒鳴りました。「山伏めが、横柄な口をききおって。だいたい占うのは、お前えさんの商売だろう。伊勢がどっちか、自分で占ったらどうだ」「うむ。それはもっともだ」山伏は目をつぶると、...
まつもとJIN | 2014.07.05 Sat 07:00
きょうの江戸小話 「一人かご」むかしむかし、江戸のはずれに、とてもけちなだんながいました。もらうのはゴミでももらうのに、出すのは舌を出すのも嫌がります。ある日の事、麹町の大だんなに急ぎの用が出来ました。(さーて、弱ったぞ。はよう、いかにゃならんが、かご屋のかごでは高くつく。というて、歩いてもいかれんし。うん? ・・・おお、そうそう。あの力自慢の権助にかつがせて、家のかごで行くとしよう)そこでさっそく、下男の権助を呼んで言いました。「お前は飯もよう食うが、それ以上に力もある...
まつもとJIN | 2014.06.07 Sat 06:57
「じしゃく宿」宿場町の町はずれに、貧乏な宿屋が三軒ありました。たいていの旅人はそこを通り過ぎて、大きな宿屋に泊まってしまいます。 何とか、はんじょうする方法はないものか?」と、一軒の宿屋の主人は、考えていましたが、「おおっ! 良い事がある」と、ポンとひざを叩きました。どこからか大きなじしゃくを買ってきますと、げんかんにすえつけました。そして旅人がやって来ますと、細かくくだいた鉄くずをパラパラパラッと頭にふりかけます。すると旅人はじしゃくに吸い寄せられて、すーーっと、宿屋...
まつもとJIN | 2014.05.31 Sat 04:49
きょうの江戸小話 「ネコの名」子どもたちが集まって、おしゃべりをしています。「この間、ネコをもらったけど、名前がまだないんだ。ほかのネコに負けないような強い名前をつけようと思うんだけど、何ていう名前がいいだろう?」「そりゃあ、青空とつけるといいよ。青空は大きくて気持ちがいいからね」 「いやいや、青空は雲にはかなわないよ。だから、雲とつけなよ」「それでも雲は、風にはかなわないよ。風に吹き飛ばされてしまうよ」「それじゃあ、風とつけようか?」「いや、だめだ。風は家の壁にはかなわないよ。家の壁は...
まつもとJIN | 2014.05.24 Sat 18:48
きょうの江戸小話 「おなら」風の強い、ある晩の事。泥棒がえんの下にもぐり込んで、みんなが寝静まるのを待っていました。だんだん風が強くなってくると、表の戸に風が当たって、「ぶううー、ぶううー」と、鳴りました。それを聞いた亭主が、「今の音は、お前のおならか?」と、奥さんに聞くと、奥さんは怒って言いました。「まあいやだ。わたしがいつ、おならをしました?!」「そうか。しかし確かに、おならの音が聞こえたのだが。・・・もしや泥棒がどこかに隠れていて、おならをこいたのだろう」するとそれを聞いた泥棒が、あわ...
まつもとJIN | 2014.05.18 Sun 05:05
きょうの江戸小話「貧乏神のご開帳」回向院という寺は、いつもは人がいないのですが、今日は不思議と、押すな押すなの人混みです。ここを良く通る旅の男が、不思議に思って尋ねました。「えらい人混みですな。今日はいったい、何の日ですか?」すると、境内の男が答えました。「ああ、今日は、貧乏神のご開帳さ」「貧乏神の? ・・・はて? 貧乏神なら、みんな嫌って、ここに来ないと思うが」すると境内の男は、一枚の張り紙を指差して言いました。「これだから、みんな行くのさ」旅の男が張り紙を読んでみると、こう書...
まつもとJIN | 2014.04.26 Sat 05:16
きょうの江戸小話「なりたがる」ここは、四条河原の橋の下です。橋の下では、、こじきたちが集まっておしゃべりをしていました。「近ごろは、どうだい?」「そうだな。役人どもがだらしないから、米や油が高くなって町の人は困っているそうな」「そうらしいな。町の人たちも、可愛そうに」「それに比べりゃ、こちとら米を買ったり、油を買ったりする事はないからな」「そうとも。家は橋の下のだから、家賃など払わなくてもすむしな。こじきというものは、何とも気楽な商売だ」すると、中の一人のこじきが口に手を当てて言いました。「...
まつもとJIN | 2014.04.19 Sat 05:31
きょうの江戸小話「気のきく男」ある殿さまの家来に、大変気のきく男がいました。殿さまはその男の事を、客が来るたびに自慢します。「あの男の気がつくこと、気がつくこと。朝起きると、すでに洗面の用意が出来ておる。そして顔を洗っている間に、茶をくんで来てくれる。たばこを吸いたいと思えば、目の前に、すーっと、たばこが出てくる。手紙を書こうと思えば、スズリと紙が、すーっと出る。いやはや、これほど気がきく男はないわい」ところが、ある日の事。殿さまが朝起きると、どうも気分がすぐれません。あ、頭が痛い。それに寒...
まつもとJIN | 2014.04.12 Sat 19:55
きょうの江戸小話 「きいておいた」庭の梅の木に、今年、初めて、うぐいすが飛んで来て、よい声で鳴いたのを聞いた男が、じまん顔で、となりの家にやって来て言いました。「今、庭で、今年一番のうぐいすの声を聞きやした」すると、となりの男は、 「お前のところは、遅いなあ。おれんところなんざあ、昨日も、おとといも鳴いてらあ」それを聞いていた、向こうどなりの男は、 「それは遅い。四月に入って聞いたんでは、遅い。おれなんざあ、先月の末に聞いたぜ」そこへ、負けずぎらいの横町のいんきょが通りかかり、 「何? 先月だ...
まつもとJIN | 2014.04.05 Sat 17:25
きょうの江戸小話手品の種あるところで、手品師が大勢の前で手品の種を明かしていました。すると、前で熱心に見ていたお百姓の一人が言いました。「その手品の種を、わらに売ってくれ」すると手品師は驚いて、お百姓に尋ねました。「売るのは良いが、買ってどうするつもりだ?」「決まっているだろ。持って帰って畑にまくんだ」♪ちゃんちゃん(おしまい)JUGEMテーマ:昔話
まつもとJIN | 2014.03.29 Sat 17:23
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