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昔話

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昔話
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 日本の昔話から外国の昔話まで。子どものころに、両親やおじいちゃん、おばあちゃんに話してもらった、懐かしいお話。
 「むかし、むかし、あるところに……」で始まり、「めでたし、めでたし」で終わる昔話は、時代を超えて語り継がれてきた奥の深いお話。
 お気に入りの本やお話しを教えて下さい。
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日本の昔話 5 より 『炭焼き小屋のあねさま』 つい気を許すものには注意せよ

短いお話です。 むかし、炭を作るため、若い男十人に、年寄りが二人がついて一緒に山に入りました。男たちは六人ずつに分かれ、それぞれの炭焼き小屋で、何日も炭焼きの仕事を続けました。 ある晩、仕事が済んだ後、片方の小屋の男たちが酒を飲んでいると、外から、「もし、わたしにもお酌をさせてください」という女の声がしました。 戸を開けてみると、あねさまが一人立っていました。若い男たちは喜んで、「さあ、入れ入れ。入って酌をしてくれ、あねさま」といいました。 それを見た年寄りの男は、「いまどき...

'ものがたり'散策 | 2019.10.13 Sun 18:20

日本の昔話 5 より 『猟師とせんぐり食い』 山じいのお話し

むかし、あるところにひとりの猟師がいました。 ある日のこと、猟師は鉄砲を担いで山奥に入り、いのししの通う道で待ち伏せをしていました。 やがて日が暮れて辺りがすっかり暗くなると物干しざお位もある太いミミズがにょろりとはい出しました。 「おや」 猟師は見ているとみみずの後ろから畳一枚もありそうな大きなガマガエルがのっそりあらわれて、みみずを飲み込んでしまいました。 「おやおや」 猟師は目を見張ると、今度は胴回りが一抱えもあるような大蛇が、ぬうっと出てきて、ガマガエルを飲み込んで...

'ものがたり'散策 | 2019.10.06 Sun 19:14

日本の昔話 5 より 『じいさん、いるかい』 恐怖話、あるいはナンセンスユーモア

むかし、越中富山の薬売りが、大きな荷物をしょって旅をしていました。 ある日のこと薬売りはいつも通る道なのにどうしたわけか迷ってしまいました。どうしても村に行く道が見つかりません。とうとう日が暮れてしまいました。 するといいあんばいに向こうの方から明かりがひとつぽつりと見えました。行ってみると家の中にはじいさんがひとり火にあたっていました。 薬屋はひと晩の宿をたのみました。じいさんは、こんな汚い家だが泊まっていきなさいとこころよく引き受けました。 薬屋は荷物を下ろして家にあがりまし...

'ものがたり'散策 | 2019.09.29 Sun 18:24

日本の昔話 5 より 『貧乏神』 余裕という福を得るためのトリガー

むかし、あるところに、じさま、ばさまと、息子夫婦の、四人暮らしの家がありました。この家の人たちは、そろいもそろって大のものぐさで、長い間、家の掃除をしたことがありませんでした。 ところがあるとき、じさまは寝ていて、天上からすすがゆらりゆらりとぶら下がっているのを見たとたん、急に気になって気になって仕方がなくなりました。 そこでもっくり起き上がり、何年も使ったことのないほうきを持ち出して掃除を始めました。 ばさまは、じさまが掃除をしているのを見てびっくり仰天。「じさまばかり掃除をさせ...

'ものがたり'散策 | 2019.09.22 Sun 18:10

日本の昔話 5 より 『おわれ化けもの』 受け入れる勇気をくれる物語

むかし、あるところに、何事も人に逆らわない質の男がいました。男はやがて女房をもらい、その日暮らしの貧乏な生活を送っていました。 ある年の大みそかの晩、女房は亭主にいいました。「きょうはひとつ頼みがあります。どこを歩いても、破れないわらじを二足作ってください」 亭主は、大みそかの晩だというのに、そんなわらじがなぜ必要なのか疑問に思いましたが、女房がわけを聞かずにどうしてもというので、何事も人に逆らわない質の亭主は、いわれるままわらじをつくりました。 すると女房は、亭主に、わらじを履い...

'ものがたり'散策 | 2019.09.15 Sun 18:09

日本の昔話 5 より 『笠地蔵』 すべてを受け入れる善良な昔話の登場人物について

むかし、あるところに、貧乏なじさまとばさまがいました。じさまはいつも菅の笠をこしらえて、町へ売りに行きました。そして笠が売れると、そのお金で、米や味噌を買って暮らしていました。 ある年の暮れの大みそかのことです。じさまとばさまの家では、正月が来るというのに、餅も魚もありません。じさまは笠を売って正月のものを買うために雪の中を町へ出かけていきました。 「笠はいらんか、笠はいらんか」じさまは一生懸命売り声をあげて歩きました。でも大みそかの町では、米や魚や松飾りを買う人がいても、笠を買う人...

'ものがたり'散策 | 2019.09.08 Sun 18:45

日本の昔話 5 より 『大歳の火』 日本の昔話のハッピーエンドについて

むかし、ある年の大みそかの晩にお姑さんが嫁さんを呼んで、「大歳(おおとし、大みそかのこと)の火は消してはならないものだから、今夜は火種を絶やさないようにしておくれ」といいました。嫁さんは「はい、わかりました」といってひきうけました。 ところが嫁さんが心配になって夜中に起きてみると、囲炉裏の灰の中にいけておいた火種はすっかり消えていました。嫁さんはとほうにくれましたが、「そうだだれか表を通りかかったら火種を分けてもらおう」と思いつきました。 嫁さんは暗闇の中に立って待ちました。するとむ...

'ものがたり'散策 | 2019.09.01 Sun 18:11

日本の昔話 5 より 『竜宮女房』 神さまはいつでも見ている

むかし、ある海辺の村に、年をとった父親と息子が住んでいました。 年の暮れになったのに、何も食べるものがないので、息子は裏山の木を切って、大みそかの街に売りに行きました。 けれども乾いていない生木なのでちっとも売れません。息子が途方に暮れて歩いていると、向こうから魚売りが来ました。 魚売りは息子の青い顔を見てわけを聞くと、息子は、正月の買い物をしようとたきぎを売りに来たのに、一本も売れないのだと事情を話しました。 すると魚売りは、それなら自分の魚と取り換えてやるといいます。息子はや...

'ものがたり'散策 | 2019.08.25 Sun 18:19

日本の昔話 5 より 『炭焼き長者』 善悪を司る両義的存在

むかし、ある山に、炭焼きごん、という若者が住んでいました。ごんは、炭を焼いては里に売りにいって、暮らしを立てていました。 ある、冬の寒い日のことです。ごんは里へ炭を売りにいった帰り道、山で鬼婆が、吹雪倒れになっているのを見つけました。「ああ、かわいそうに。こんなところで倒れていたら凍え死んでしまうじゃないか」 ごんは鬼婆をおぶって、炭焼き小屋に連れて帰りました。そして、炭焼き窯の前に寝かせて温めてやると、鬼婆はようやく息を吹き返しました。 鬼婆はごんを見ると「おまえがここへ連れてき...

'ものがたり'散策 | 2019.08.18 Sun 18:18

日本の昔話 5 より 『蛇の泊まり』 見るなの禁の物語の一類型

むかし、あるところに、ばあさんがひとり住んでいました。ばあさんはひどい貧乏暮らしで、その日食べるものにも事欠く有様でした。 ある日の夕方ばあさんは、畑仕事を終えて家に帰り、囲炉裏にあたっていました。そこへ綺麗なあねさまがやってきて、ひと晩の宿をたのむなり、戸口に座り込んでしまいました。 ばあさんは、「泊めてやることはたやすいが、御覧の通りのあばら家で、人様を泊めるどころじゃない。それに食べるものなくてな。だからすまないが、どこかよそで泊まっておくれ」といって断りました。 けれどもあ...

'ものがたり'散策 | 2019.08.11 Sun 18:01

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