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昔、ある村の庄屋どんの家に、茂左どんという作男がいました。 ある日、庄屋どんは、茂左どんを連れて畑に行きました。一仕事済ませた後、ふたりは土手に腰を下ろして休んでいると、空をとんびが一羽「ぴーひょろ、ぴーひょろ」と鳴きながら悠々と飛んでいきます。 茂左どんは、とんびが飛んでいるのをのんびり眺めていましたが、やがて、「おれもとんびになって、あんな風に悠々と空を飛べたらなあ」といいました。 庄屋どんはそれを聞くと、ひとつ、茂左どんをからかってやろうと思い、「実はなあ、わしは人間をとんび...
'ものがたり'散策 | 2019.04.07 Sun 18:18
むかし、ある村の長者の家に、「まの」という名の、怠け者で、たいそう嘘つきの下男がおりました。 ある日、まのは、旦那どのに、「冬が近づいてきたから山でたきぎを集めておけ」といいつけられました。けれどもまのは、嘘をついて、たきぎ取りなどせず、山へ行っては遊んだり昼寝ばかりしていました。 しばらくたったある日、旦那どのは、まのに、いい加減たまったであろうたきぎを、きょうは屋敷に運んでくるよう命じました。ところがまのはたきぎを一本も拾わないでいたのです。 まのは考えました。「旦那さ...
'ものがたり'散策 | 2019.04.03 Wed 18:26
ある年の冬のことです。じいさんが隣村の大きな家へ嫁取りの祝いに招かれて出かけました。 じいさんは、深い雪をこぎこぎ、沢の渡りまで来ると、きつねが二匹、沢っぷちで何か話をしていました。 「きょうは隣村の大きな家で嫁取りの祝いのお振る舞いがある。おれたちもこれから坊さんに化けて、ごちそうにあずかろうじゃないか」 じいさんが物陰に隠れてみていると二匹の狐は沢の水に姿を映しながら左右の耳としっぽに枯葉をぴったりと張り付けてうまく隠しました。 これを見たじいさんは、隣村の嫁取りの家に着くと、す...
'ものがたり'散策 | 2019.03.31 Sun 18:24
むかし、あるところに、ひとりの和尚さんがいました。和尚さんの寺は貧乏でした。そこで和尚さんは、村々を訪ね托鉢して回りました。 ある冬の寒い日、和尚さんはいつものように托鉢に出かけました。途中、雪が降りだし、やがて日もくれ、道に迷ってしまいました。 すると遠くに一つの明かりが見えます。和尚さんは、「ありがたい。あそこへ行って泊めてもらおう」と思いました。 和尚さんは雪の中を踏み込みながら歩いて、ようやくその家にたどり着き、「お頼み申します」と声をかけると、おばあさんが出てきたのでひと...
'ものがたり'散策 | 2019.03.24 Sun 18:46
むかしひとりの若者が、ある家の婿に入りました。ところがその女房は人のものを盗むぬすっと女房でした。 女房は、初めのうちは婿を立てて尽くしましたが、ひと月も経つと、「あんた、そろそろどこかで何か盗んでおいで」といいました。 婿は、「よわったなあ。『何か盗んでこい』といわれてもなあ。それじゃあひとつ、隣の衆の、畑に積んである、たくさんのねぎを盗ってきて、女房を困らせてやるか」と思いました。 夜になると婿は、ねぎをたくさんしょって女房に「おいかかよ。ねぎを盗んできたぞ」といってねぎをどすんと...
'ものがたり'散策 | 2019.03.17 Sun 18:24
短いお話です。 むかし、あるところにちょっと間のぬけた息子がいました。親はいつもこの息子を少しでも利口に見せたいと思っていました。 あるとき隣村の親せきが、家を新しく建てました。父親は息子にお土産を持たせて、お祝いの使いをやることにしました。そこで挨拶の仕方から教えてやりました。 息子は隣村のおじさんの家に着くと、父親に教えられた通り、すらすらとあいさつをしてお土産を出しました。 おじさんはたいへん喜んで、新しくできた家をあちこち案内して見せました。息子は父親に教えられた通り「こ...
'ものがたり'散策 | 2019.03.10 Sun 18:14
短いお話です。 むかし、婿どのがひとりで、隣村にある嫁さんの実家を訪ねました。嫁さんの実家では、団子をこしらえて、婿どのをもてなしました。 婿どのはこれまで、団子というものを食べたことがなかったので、とてもおいしいと思ってごちそうになりました。 婿どのは食べ終わると嫁さんの母親に「ああ、うまかった。これはいったい何というものですか」と尋ねました。 すると嫁さんの母親は「これはだんごというもんだよ。米の粉でつくるんだがあんたの嫁も知っているから作ってもらうといい」と答えました。 「そ...
'ものがたり'散策 | 2019.03.03 Sun 18:10
短いお話です。 むかし、ある村の若者が、近くの村から嫁さんをもらいました。嫁さんはなかなかの利口者でしたが、若者はいたって能天気というか、どちらかというとぬけさくのほうでした。 しばらくたって嫁さんが、自分の親元に里帰りする頃になりました。嫁さんの村では、嫁が婿を連れての、初めての里帰りということで、習わし通り、親戚を集めて、婿をもてなすことになりました。 しかし嫁は心配になりました。「うちの人はいい人だけれども、どうも少しぬけていて、変な返事をしたら恥ずかしい」そこで嫁は婿どのに...
'ものがたり'散策 | 2019.02.24 Sun 18:12
むかし、あるところに、とても信心深いばあさんがいました。ばあさんはじいさんに先立たれたので、お経の一つでもあげたいと、いつも思っていました。 しかし近くに和尚さんがいなかったのでお経を覚えることができずにいました。 何年かたった命日のこと、ばあさんはぼた餅を作っていると、小汚い旅の坊さんが鐘をたたきながらやってきました。 ばあさんは、これはいい時にいい人がやってきたと思って、「和尚さん、和尚さん。死んだじいさんのためにお経をあげてやりたいから、ひとつ教えてくれませんか」とたのみまし...
'ものがたり'散策 | 2019.02.17 Sun 18:31
むかし、あるところに、貧乏なじいさまとばあさまがいました。ある日、じいさまが山に木を切りにいくと、何ともいえない、面白い掛け声が聞こえてきました。 「よいしょ」「どっこいしょ」 「よいしょ」「どっこいしょ」 「どっこいしょ」「どっこいしょ」 「うんとこしょ」「どっこいしょ」 「はっきた」「ほっきた」 はて、なんだろうと思って、じいさまが木の間からのぞいてみると、やせたねずみと太ったねずみが、掛け声をかけて、すもうを取っているところでした。 よくよく見ると、うーんとやせたねずみは、じいさ...
'ものがたり'散策 | 2019.02.11 Mon 18:18
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