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短いお話です。 むかし、婿どのがひとりで、隣村にある嫁さんの実家を訪ねました。嫁さんの実家では、団子をこしらえて、婿どのをもてなしました。 婿どのはこれまで、団子というものを食べたことがなかったので、とてもおいしいと思ってごちそうになりました。 婿どのは食べ終わると嫁さんの母親に「ああ、うまかった。これはいったい何というものですか」と尋ねました。 すると嫁さんの母親は「これはだんごというもんだよ。米の粉でつくるんだがあんたの嫁も知っているから作ってもらうといい」と答えました。 「そ...
'ものがたり'散策 | 2019.03.03 Sun 18:10
短いお話です。 むかし、ある村の若者が、近くの村から嫁さんをもらいました。嫁さんはなかなかの利口者でしたが、若者はいたって能天気というか、どちらかというとぬけさくのほうでした。 しばらくたって嫁さんが、自分の親元に里帰りする頃になりました。嫁さんの村では、嫁が婿を連れての、初めての里帰りということで、習わし通り、親戚を集めて、婿をもてなすことになりました。 しかし嫁は心配になりました。「うちの人はいい人だけれども、どうも少しぬけていて、変な返事をしたら恥ずかしい」そこで嫁は婿どのに...
'ものがたり'散策 | 2019.02.24 Sun 18:12
むかし、あるところに、とても信心深いばあさんがいました。ばあさんはじいさんに先立たれたので、お経の一つでもあげたいと、いつも思っていました。 しかし近くに和尚さんがいなかったのでお経を覚えることができずにいました。 何年かたった命日のこと、ばあさんはぼた餅を作っていると、小汚い旅の坊さんが鐘をたたきながらやってきました。 ばあさんは、これはいい時にいい人がやってきたと思って、「和尚さん、和尚さん。死んだじいさんのためにお経をあげてやりたいから、ひとつ教えてくれませんか」とたのみまし...
'ものがたり'散策 | 2019.02.17 Sun 18:31
むかし、あるところに、貧乏なじいさまとばあさまがいました。ある日、じいさまが山に木を切りにいくと、何ともいえない、面白い掛け声が聞こえてきました。 「よいしょ」「どっこいしょ」 「よいしょ」「どっこいしょ」 「どっこいしょ」「どっこいしょ」 「うんとこしょ」「どっこいしょ」 「はっきた」「ほっきた」 はて、なんだろうと思って、じいさまが木の間からのぞいてみると、やせたねずみと太ったねずみが、掛け声をかけて、すもうを取っているところでした。 よくよく見ると、うーんとやせたねずみは、じいさ...
'ものがたり'散策 | 2019.02.11 Mon 18:18
短いお話です。 むかし、お城の若い侍たちが火にあたって、あれやこれやの話をしながら夜番をしていました。 「今夜のように雪の降る夜は、お城に雪女が出るといううわさだが、聞いたことがあるか」「耳にしたことはあるが、いまどき雪女などというものがおるはずなかろう」 しばらくして、ひとりの侍が外の便所に立っていきました。すると侍は、雪の中に赤ん坊を抱いた女の姿をぼんやりと見ました。 こんな夜中にだれだろうと目を凝らすと、その女はすっと近づいてきて「もし、お侍さん。雪の中に大事なものを落とし...
'ものがたり'散策 | 2019.02.09 Sat 18:26
短いお話です。 むかし、あるところに、じいさまとばあさまがいました。ふたりには子供がおらず、寂しく暮らしていました。 ある冬のことです。吹雪の吹く寒い晩でした。表のほうで赤ん坊の泣く声がします。じいさまとばあさまは不思議に思って戸を開けてみました。 すると吹雪が吹く中に、真っ白な着物を着た美しいあねさまが赤ん坊を抱いて立っていました。 じいさまとばあさまは驚いて「こんな吹雪の中いったいどうしたというのだ。さあさ、早くうちにお入り」といいました。 するとあねさまは「じいさま、この...
'ものがたり'散策 | 2019.02.07 Thu 18:31
むかし、あるところに、いくら稼いでも稼いでも貧乏な若者がいました。 ある晩のこと若者のあばら家の前で猫が「にゃごにゃご、にゃごにゃご」と鳴いていました。何で今頃、猫が鳴いているのだろうと思って若者が外に出てみると、それは隣の長者の家の猫でした。 「どうした、おまえ。こんな寒い晩に、なんでこんなところで鳴いているんだ」と若者が尋ねると、猫は、「うちの人たちは、ごはんが余っているのに、わたしにはなにもくれず、『おまえなんかどこかへ行ってしまえ』って、わたしを外に投げたんです。でもどこへも...
'ものがたり'散策 | 2019.02.05 Tue 18:30
おなじみのお話です。 むかし、ある村に、ひとりの若者がいました。若者は粗末な家で貧しく暮らしていました。 ある朝、若者が草刈りに行くと、一羽の鶴が笹がやに足をとられて羽ばたきをさせていました。若者はかわいそうに思って、丁寧に笹がやを切り取り、鶴を放してやりました。鶴は嬉しそうに若者の頭の上をぐるぐる回って、それからどこかへ飛んでいきました。 その晩、若者の家の戸をとんとんと叩く音がしました。あけてみると美しい娘が立っています。娘は「道に迷ってしまい困っています。どうかひと晩泊めてくださ...
'ものがたり'散策 | 2019.02.03 Sun 18:30
むかしオームラの国の殿さまと奥方の間に男の子が生まれました。殿さまはたいそう喜んで、その子を「マミチガネ」と名付けました。けれどもマミチガネが三つの時、奥方が亡くなり、殿さまは新しい奥方を迎えました。 マミチガネが九つになった時、殿さまは、三月の間、江戸に行くことになりました。殿さまは奥方に「留守の間何もしなくていいが、マミチガネの髪だけは毎日すいてやってくれ」といって旅に出かけました。 奥方は殿さまを見送って帰ってくると、今までとは打って変わり、マミチガネにつらく当たりました。マミチガ...
'ものがたり'散策 | 2019.01.31 Thu 19:25
むかし、あるところに、ひとりの若者が、目の見えない母親と暮らしていました。息子は毎日、草鞋を作っては、それを売り、母親に好きなものを買っていきました。 母親は「こんな孝行息子は、世界中探しても、そういないだろう。わたしは幸せ者だ。しかし、ただひとつ、目の見えないことが悲しい」といっていました。 息子は、何とかして母親の目が見えるようにしてやりたいと思って、一生懸命神仏に祈りました。するとある夜、「山に仙人世界がある。そこへ行って仙人にお願いしてみよ」との夢のお告げがありました。 息子は...
'ものがたり'散策 | 2019.01.27 Sun 18:19
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