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短いお話です。 むかし、山奥の村の男が、町へ買い物に出かけました。帰り道は夜になったので、たいまつをつけて戻ってきました。 近所の人が、「えらく遅かったけれど、日はどこから暮れてきたかね」と聞くと男は、「四方八方から暮れてきたので、どこから暮れてきたのかわからん」と答えました。 近所の人はあきれて、「そうか、それなら、たいまつはどのあたりからつけてきたんだ」と聞くと男は、「たいまつの先からつけた」と答えました、と物語は結ばれます。 人の会話のすれ違いを描いた笑い話ですね。会話...
'ものがたり'散策 | 2018.10.16 Tue 18:22
短いお話です。吉四六(きっちょむ)さんの、お話、続きます。 むかし、九州の田舎町に、上方から大変評判の高い、芝居の一座がやってきました。町の人たちも、村の人たちも、一生に一度の上方芝居の見物をしようと、わんさ、わんさと、芝居小屋におしかけました。 吉四六さんも、この上方芝居を見に、仲間と一緒に、はるばる遠くの村からやってきました。ところが芝居小屋の木戸口に来て、初めて財布を忘れてきたことに気づきました。 「なんだ、せっかくここまで来たのに、芝居が見られないのか」 吉四六さんは、しばら...
'ものがたり'散策 | 2018.10.11 Thu 18:27
短いお話です。吉四六(きっちょむ)さんのお話続きます。 ある日、吉四六さんが、家の裏の柿の木の下で、まきを割っていました。ところが、斧を打ち下ろした途端、熟した柿が、ぺたりと頭の上に落ちてきました。 吉四六さんは、てっきり、まきの片割れが、頭に飛んできたのだと思いました。そこで、その場で、どっさりと倒れて、頭を押さえ、「うわぁ、痛い、痛い。医者を呼んできてくれ!」とわめきました。 おかみさんは、びっくりして、駆けつけてみると、このありさまです。そして、「怪我じゃないよ、あんた。熟し柿が...
'ものがたり'散策 | 2018.10.09 Tue 18:51
短いお話です。吉四六(きっちょむ)さんのお話続きます。 ある冬のこと、吉四六さんは町の親戚の家に行って泊まりました。次の朝、早く起きて、顔を洗い、縁側から外を眺めていると、隣の家の人が「おはようございます。今朝はことのほか寒いですね」と挨拶をしました。 ところが吉四六さんは、なんと挨拶を返したらいいのかわからず、黙って中へ入ってしまいました。 それを見て家の主人が「人に挨拶されて黙って引っ込むやつがいるか。『さようですな、このぶんでは山は雪でしょうな』くらいはお返しにいうものだ」といい...
'ものがたり'散策 | 2018.09.29 Sat 18:18
短いお話です。 むかし、九州豊後に、吉四六(きっちょむ)さんという男がいました。 ある日、 吉四六さんは馬をひいて、山へ薪を取りにいきました。薪を馬の背に山ほど積んだので、帰り道には、馬の背骨が曲がるほどです。馬は汗だくで山道を下ります。 吉四六さんはこれを見て、「これでは荷が重すぎる。馬がかわいそうだ」と思いました。そこで薪を半分おろして、自分で背負いました。 けれども、吉四六さんは、あんまり重くて、今度は自分が歩けませんでした。「さて困った。こんなに重くてはたまらない」彼はしばらく...
'ものがたり'散策 | 2018.09.27 Thu 18:02
むかし、あるところに、父親と三人の息子がいました。三人の息子は、上から、太郎、次郎、三郎といいました。 ある時、父親は、息子たちを呼んで、「おまえたちも、もうそろそろ、商いを習ってもいい年頃だ。何かひとつ、商売を覚えてこい」といいました。 そして三人に、僅かな金を渡し、旅に出しました。兄弟は、しばらく一緒に歩いていきましたが、三本道に別れたところで、三年経ったら、ここで落ち合い、一緒に家に帰ろうと約束し別れました。 太郎が歩いていった道は、山奥へとつながっていました。何処までも登っ...
'ものがたり'散策 | 2018.09.25 Tue 18:17
むかし、あるところに、たいそうな分限者と、そのひぐらしの貧乏人が、隣どうしで住んでいました。 分限者は、貧乏人の男がやってくると、金の茶壺を自慢しました。貧乏人の男はいつも自慢されるものだから、だんだん癪に障ってきて、この茶壺を隠してやれと思いました。 そして、分限者が用を足しにいったすきに、台所にある、穴の空いた水瓶に、茶壺を隠して帰りました。 二、三日経つと、分限者の家では、宝物の茶壺がなくなったと大騒ぎになります。貧乏人の男は、これを聞くと悪いことをしたと思いましたが、隠し場...
'ものがたり'散策 | 2018.09.22 Sat 18:31
むかし、貧しい母親が、子どもを三人残して亡くなりました。 あんまり貧しかったので、誰も葬式に来てくれる者もなく、お墓に送るときも、行列に加わって、泣いてくれる人もありませんでした。 子どもたちは仕方なく、ふたりが棺桶をかつぎ、ひとりが棺桶のあとから、「ああ、悲しいよう、悲しいよう」と鳴きながらついていきました。 畑の中の道を通っていくと、三味線ひきが、子どもたちの寂しい行列を見て、「かわいそうに。それじゃあ、わたしが三味線をひいて、野辺送り(遺骸を埋葬地または火葬場まで運び送ること...
'ものがたり'散策 | 2018.09.20 Thu 18:40
短いお話です。 むかし、あるところに、お百姓の夫婦がいました。初めての子が生まれると、夫婦はたいへん喜んで、その男の子に、よい名前をつけなければと思い、「いわいめでたや」と名付けました。 それから何年か経って、弟が生まれました。夫婦は兄はめでたい名をつけたから、弟には面白い名が良かろうと思い、「おもしろや」と名付けました。兄弟は大きくなって、父の手助けをして働くようになりました。 ある日、兄の、「いわいめでたや」が、山へ薪を取りにいきました。ところがその留守に、父親が急の病でなくな...
'ものがたり'散策 | 2018.09.18 Tue 18:27
短いお話です。 むかし、むかしのこと、ひとりの旅人がとぼとぼ歩いているうちに日が暮れてきました。 どこかに泊めてもらおうと歩いていると、大きな家があったので、戸を叩き宿を頼みました。すると家の人は「どうぞ、どうぞ」と泊めてくれることになりました。 旅人は、晩御飯のあと、囲炉裏の火にあたりながら、家の人たちと楽しくよもやま話をしました。そして家の人が「お疲れでしょうから、そろそろ休んでください」というので床につきました。 さて、真夜中になって旅人は、ふと目を覚ますと、隣の部屋からこの家...
'ものがたり'散策 | 2018.09.15 Sat 18:29
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