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むかし、あるところに、たいそうな分限者と、そのひぐらしの貧乏人が、隣どうしで住んでいました。 分限者は、貧乏人の男がやってくると、金の茶壺を自慢しました。貧乏人の男はいつも自慢されるものだから、だんだん癪に障ってきて、この茶壺を隠してやれと思いました。 そして、分限者が用を足しにいったすきに、台所にある、穴の空いた水瓶に、茶壺を隠して帰りました。 二、三日経つと、分限者の家では、宝物の茶壺がなくなったと大騒ぎになります。貧乏人の男は、これを聞くと悪いことをしたと思いましたが、隠し場...
'ものがたり'散策 | 2018.09.22 Sat 18:31
むかし、貧しい母親が、子どもを三人残して亡くなりました。 あんまり貧しかったので、誰も葬式に来てくれる者もなく、お墓に送るときも、行列に加わって、泣いてくれる人もありませんでした。 子どもたちは仕方なく、ふたりが棺桶をかつぎ、ひとりが棺桶のあとから、「ああ、悲しいよう、悲しいよう」と鳴きながらついていきました。 畑の中の道を通っていくと、三味線ひきが、子どもたちの寂しい行列を見て、「かわいそうに。それじゃあ、わたしが三味線をひいて、野辺送り(遺骸を埋葬地または火葬場まで運び送ること...
'ものがたり'散策 | 2018.09.20 Thu 18:40
短いお話です。 むかし、あるところに、お百姓の夫婦がいました。初めての子が生まれると、夫婦はたいへん喜んで、その男の子に、よい名前をつけなければと思い、「いわいめでたや」と名付けました。 それから何年か経って、弟が生まれました。夫婦は兄はめでたい名をつけたから、弟には面白い名が良かろうと思い、「おもしろや」と名付けました。兄弟は大きくなって、父の手助けをして働くようになりました。 ある日、兄の、「いわいめでたや」が、山へ薪を取りにいきました。ところがその留守に、父親が急の病でなくな...
'ものがたり'散策 | 2018.09.18 Tue 18:27
短いお話です。 むかし、むかしのこと、ひとりの旅人がとぼとぼ歩いているうちに日が暮れてきました。 どこかに泊めてもらおうと歩いていると、大きな家があったので、戸を叩き宿を頼みました。すると家の人は「どうぞ、どうぞ」と泊めてくれることになりました。 旅人は、晩御飯のあと、囲炉裏の火にあたりながら、家の人たちと楽しくよもやま話をしました。そして家の人が「お疲れでしょうから、そろそろ休んでください」というので床につきました。 さて、真夜中になって旅人は、ふと目を覚ますと、隣の部屋からこの家...
'ものがたり'散策 | 2018.09.15 Sat 18:29
むかしある村の男が、隣り村に用を足しに出かけました。日暮れになって山道に差し掛かると、行く手にきつねが一匹現れて先を歩いていました。 そして、きつねはぶるっと体をふるわせたかと思うと、きれいな女の人に化けていました。さらに、道に落ちている石を拾って揺すったと思うと、石は赤ん坊になりました。きれいな女は赤ん坊をだいて、すたすたと山道を歩いていきました。 男は後をつけると、女は大きな百姓家屋に入っていきました。男は外から百姓家の中の様子をうかがっていると、家の者たちは、「おおよく帰ってき...
'ものがたり'散策 | 2018.09.13 Thu 18:18
短いお話です。 むかし、むかしのそのむかし、あるところに、じいさんとばあさんがいました。 ある日のこと、じいさんは山へ芝刈りに、ばあさんは川へ洗濯にいきました。ばあさんが川でせっせと洗濯をしていると、川上から大きな大きないもが、ぶんつく、どんつく流れてきました。 ばあさんが、そのいもを拾って食べ始めると、お腹がぽんぽんに張ってきて、おならがぶんと飛び出しました。 すると、山で芝刈りをしていたはずのおじいさんは、芝を刈らずにくさかったと嘆いた、と物語は結ばれます。 日本の昔話...
'ものがたり'散策 | 2018.09.11 Tue 18:21
むかし、あるところに、母親と息子がいました。母親は息子が年頃になったので隣り村から娘を嫁にもらいました。 ところが、どうしたわけか、嫁の顔色が日増しに悪くなっていきます。母親は心配して、「どこかぐわいが悪いのか」と聞きますが、嫁は「なんともありません」と答えます。 それでも心配した母親は、嫁によくよく聞いてみると、嫁はうつむいて病持ちだと答えました。 母親は、「それならお医者さんにかかりなさい」といいますが、嫁は、「お医者さんに見てもらうような病ではない」と答えました。 母親は、「い...
'ものがたり'散策 | 2018.09.08 Sat 18:26
むかし、あるところに、ひどく貧乏なお寺がありました。お寺には檀家がおらず、和尚さんにお経を頼みに来る人もいませんでした。 和尚さんは、することもなし、お金もなし、囲炉裏にあたって、がくらー、がくらーと、居眠りばかりしていました。そこで村の人たちは、和尚さんのことを、「居眠り寺の和尚さま」と呼んでいました。 和尚さんは猫を一匹飼っていました。猫は「とら」という名のとら猫でした。和尚さんは粗末な夕ごはんが済むといつも「とら、とら、さあ寝よう。おいで、おいで」といいました。 するととらは、ひ...
'ものがたり'散策 | 2018.09.06 Thu 18:18
短いお話です。 むかし、あるところに、読み書きそろばんもそっちのけで、猫の絵ばかり描いている男の子がいました。 お父さんは呆れ果てて、とうとう、「おまえのような子はもういらん。どこへなりとも出ていけ」といいました。 男の子は、今まで書き溜めた猫の絵を風呂敷で背負って家を出ていきました。 日も暮れてきたので、男の子はどこか泊まるところはないかと思いながら歩いていると、崩れかけた古いお寺があったので、そこで寝ることにしました。 寺の中に入ってみると、ねずみの糞が一面に散らばっていま...
'ものがたり'散策 | 2018.09.04 Tue 18:35
むかし、上方に、なんともはや、大きなほらを吹く男がいました。男は、ほらを吹くことに関して、誰にも負けない自信があったので、どこかへ行って誰かとホラ吹き比べをしてみたいと思っていました。 そこで、ある時、男は、ほら吹き比べの相手を探しに、はるばる陸奥の町までやってきました。そしてこの町に、大ほら吹きがいるとの噂を聞いて早速その家を訪ねてみました。 家には小さな女の子がいたので「親父さんはいるかね」と尋ねてみると「父ちゃんはいま岩手山が転びそうだといって、苧殻(おがら、麻の茎の皮をはいだ...
'ものがたり'散策 | 2018.09.01 Sat 18:30
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