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むかし、ある山のふもとに、きこりとその女房が住んでいました。きこりは毎日、山へ木を切りに行きました。、女房のおみるは家で機織りをしていました。麻の皮を細かく裂いて唾をつけながら糸に紡ぎ、桶に入れていっぱいになると、それで布を織るのでした。 ある日のことです。やまんばがやってきて、「わしは年寄りだが、糸をつむぐくらいなら手伝ってやる」といって、糸をつむいでは、おけにいっぱいにしてくれました。おみるは喜んでやまんばに飯を炊いて食べさせました。 やまんばはそれから毎日やってきて、糸を紡...
'ものがたり'散策 | 2019.01.23 Wed 18:24
むかし、あるところに、男が女房とふたりで暮らしていました。男は、毎日、山にたきぎを取りに行っては町で売り、その日ぐらしをしていました。 ある日、男が、山で一生懸命たきぎを集めていると、後ろからいきなり、「おまえ、あんころ餅、好きか」と声を掛けられたので、びっくりして振り返ると、そこには鬼が立っていました。鬼は大きな重箱を抱えています。 男はふざけて「ああ、あんころ餅なら、かかあと取り換えてもいいぐらい好きだ」と答えました。すると鬼は「そんなら食え」といって、あんころ餅のいっぱい詰まっ...
'ものがたり'散策 | 2019.01.20 Sun 18:17
むかし、あるところに、ひとりの馬方がおりました。ある日のこと、馬方は、浜でたくさんの魚を仕入れ、馬の背に振り分けて積み、山道を登っていきました。 日が暮れて峠に差し掛かると、松に木の陰から、やまんばがぬうっと出てきて、「これまて。その魚、置いてけ」としわがれた声でいいました。 馬方は怖くなって、片荷の魚を、後ろにぶん投げ、馬を引っ張ってわらわら逃げていきました。 やまんばは魚をばりばり食うと「これまて。その魚全部置いてけ、おかざあ、おまえをとって食うぞ」と追いかけてきました。馬方は残り...
'ものがたり'散策 | 2019.01.18 Fri 18:30
むかし、ある村で、山に化けものが出るというので、村の人はみんな怖がっていました。何しろ山へ行けば、化けものに食われてしまって、戻ってきた人はいないというのです。 ある日のこと、村に、目の見えない座頭さんがまわってきました。座頭さんは、この話を聞いて化けもの退治を志願します。 村人は、食われてしまうからやめておけと、座頭さんを止めますが、彼は是非にというので、村の人々は山へ案内して逃げ帰ってきました。 山の中にひとり残った座頭さんは、あたりが暗くなると琵琶を弾き始めました。すると...
'ものがたり'散策 | 2019.01.16 Wed 18:13
むかし、ある村に、元気のいい若者がおりました。 あるとき、なぜか、だれひとり村を訪れるものがいなくなりました。若者はこれはきっと峠に化けものが出るからに違いないと思い。家に代々伝わるやすりをもって化けもの退治に出かけました。 山道の途中、若者は火をあかあかとたいて背あぶりをしている老人に出会いました。老人は若者が右にへよけようとすると右へ寄り、左によけようとすると左に寄り、通りすがろうとするのを邪魔しました。若者は腹を立てて老人を足で蹴飛ばしました。 すると老人は「おお、これは...
'ものがたり'散策 | 2019.01.06 Sun 19:37
むかしある村に八兵衛という男がいました。八兵衛はいつも川にやな(梁)をかけて魚を捕るので「やなかけ八兵衛」と呼ばれていました。 ある年の五月の節句のこと、八兵衛は大事な牛の子を川できれいに洗っていたところ、大鷲が舞い降りてきて、山のほうへ牛の子をさらって飛んでいきました。 八兵衛は「大鷲の奴め、いっぺん味をしめたからにはまた来るだろう」と思い、いったん家に帰ると、大鷲をおびき寄せるために、自ら牛の皮をまとい、川岸で待ち伏せをしました。 はたして、またあの大鷲はやってきました。そして...
'ものがたり'散策 | 2019.01.03 Thu 19:16
短いお話しです。 むかし、あるところに、父親と男の子が暮らしていました。 冬のうんと寒い日、父親は男の子を連れて、雪の降る山へ木を切りに行きました。ふたりが木を切っている間にも、雪はしんしんと降り、夕方帰るころには、もう山を下りられないほど積もりました。 ふたりは仕方なく山小屋に泊まりまることにしました。しかし山小屋といっても、食べ物も布団もありません。とにかく火をたいて湯を沸かしました。 外は吹雪になり、風が山小屋の入り口のむしろに噴き上がり、そのたびに雪が入り込んできます。ふ...
'ものがたり'散策 | 2019.01.01 Tue 19:10
短いお話しです。 むかし、あるところに、ひとりの猟師がいました。 ある日、猟師は、いつもの通り、山へ狩りに出かけました。しかし何も捕れないので大きな岩の下で火をたいてあたっていました。 するとそこへ奥山の山じいがやってきました。雲を突くような大男で、歩くたびにずしんずしんと地響きがしました。 山じいは火のそばへ来ると「おれにもあたらせろ」といって火にあたり、「おまえ、餅を持ってきてないか」と尋ねました。 猟師は胆のすわった男で「きょうは持っていないがあした持ってきてやろう」と答...
'ものがたり'散策 | 2018.12.27 Thu 18:26
短いお話しです。 むかし、ある山奥の小屋で、木を削って、へらやしゃもじを作っている、じいさまがいました。 秋も深まったある晩のことじいさまは、囲炉裏に火を燃やし雪山を歩くときに使うかんじきを竹で作り始めました。 そこにひょっこりと、ひひの様な顔をした不思議な奴が入ってきて、じいさまにちょっと火に当たらせてくれと頼みます。 「いいとも、いいとも、さああたれ」とじいさまは、火に当たらせてやりましたが、なんだか気味が悪くてなりません。 じいさまは心の中で「さてはこのひひ野郎おれのこと...
'ものがたり'散策 | 2018.12.25 Tue 18:21
むかし、ある山寺に、和尚さんとちくりんぼうという名の小僧がいました。 冬が近くなったある日、和尚さんはちくりんぼうに仏さまにお供えする冬木(常緑樹)をとってくるよう言いつけました。それからこういいました。 「山には鬼ばさが出るかもしれないから、ありがたいお札を三枚持たせてやろう。一枚は針の出るお札、一枚は火の山の出るお札、もう一枚は川が出るお札じゃ。これをもって山に行ってこい」 ちくりんぼうは三枚のお札を懐に入れて山へ出かけました。 ところがこの小僧たいへんな怠け者でした。冬木の...
'ものがたり'散策 | 2018.12.19 Wed 18:25
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