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昔話

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昔話
このテーマについて
 日本の昔話から外国の昔話まで。子どものころに、両親やおじいちゃん、おばあちゃんに話してもらった、懐かしいお話。
 「むかし、むかし、あるところに……」で始まり、「めでたし、めでたし」で終わる昔話は、時代を超えて語り継がれてきた奥の深いお話。
 お気に入りの本やお話しを教えて下さい。
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日本の昔話 4 より 『いうなの地蔵』 笑いはやがて身につまされる苦笑いに

短いお話です。 むかし、あるところに、ちょっぴり間抜けな男がいました。 ある日、男は、隣村に用たしに行って、帰り道、村はずれのお地蔵さんを横目に、急いで通り過ぎました。 ところが、ふと見ると、お地蔵さんの前には、うまそうな饅頭が山のようにお供えしてあります。男はそれを見て、急に腹が減っていることに気づきます。 男は「あたりに人がいるではなし、どうせお地蔵さんはまんじゅうを食うわけでもなし、まんじゅうのおさがりをいただいても罰が当たるわけでもあるまい」といって、まんじゅうに手を伸ばして...

'ものがたり'散策 | 2018.10.25 Thu 18:22

日本の昔話 4 より 『とうふ問答』 誤解がうまく作用するお話

短いお話です。 むかしある寺に、あまり学問のない和尚さんがいました。あるとき本山の偉い坊さんが「これこれの日に、お前と禅問答をしに行く」との使いがきました。 和尚さんは、禅問答など難しくてできるわけがないと、心配で心配でなりませんでした。 さて、その日の朝、豆腐屋のじさまが、天秤棒を担いでやってきました。豆腐屋のじさまは和尚さんに、「今日はなんだか元気がないね」と声を掛けました。 和尚さんは、「実は偉い坊様から『禅問答に来る』という使いが来て困っているところだ」と答えました。 ...

'ものがたり'散策 | 2018.10.23 Tue 18:30

日本の昔話 4 より 『おねがいもうしあげます』 知恵者、貧しい民を救う

短いお話です。 むかし、ある村で、三年も米の不作が続きました。村の人たちは、食べる米がなく飢えに苦しみました。それでも殿様に年貢を納めねばなりません。たとえ自分達が食べるものがなくとも年貢を納めねば厳しく罰せられます。 しかし、とうとうたまりかねて、村の人たちは、村一番の知恵者であるばら八に、殿様へのお願いの手紙を書かせることにしました。 ばら八は、「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十」という手紙を書いて殿様に送りました。ばら八は文字をこれしか知らなかったのです。 一方、手紙...

'ものがたり'散策 | 2018.10.20 Sat 18:22

日本の昔話 4 より 『まのいい猟師』 貧しい民によって伝承されてきた日本の昔話

むかし、ある大きなお百姓さんの家で、祝い事がありました。そこでおふるまいをすることになり、親戚中のものが呼ばれました。親戚の者たちはみないい暮らしをしていましたが、一人だけ貧しい男がいました。 その男は猟師でしたが、お祝いに招かれても、ご祝儀にもっていくお金がありません。土産を買うこともできませんでした。そこで祝い事のある家に行く途中、きじでもとって、それを土産にしようと得意な弓を持って出かけました。 男は沼のほとりに来ると、鴨が十二羽、鍋のつるのように丸く列を作って浮かんでいました...

'ものがたり'散策 | 2018.10.18 Thu 18:22

日本の昔話 4 より 『日はどこから暮れる』 話が通じない男

短いお話です。 むかし、山奥の村の男が、町へ買い物に出かけました。帰り道は夜になったので、たいまつをつけて戻ってきました。 近所の人が、「えらく遅かったけれど、日はどこから暮れてきたかね」と聞くと男は、「四方八方から暮れてきたので、どこから暮れてきたのかわからん」と答えました。 近所の人はあきれて、「そうか、それなら、たいまつはどのあたりからつけてきたんだ」と聞くと男は、「たいまつの先からつけた」と答えました、と物語は結ばれます。 人の会話のすれ違いを描いた笑い話ですね。会話...

'ものがたり'散策 | 2018.10.16 Tue 18:22

日本の昔話 4 より 『芝居見物』 吉四六さんのバックボーンにある信頼がなせる笑い話

短いお話です。吉四六(きっちょむ)さんの、お話、続きます。 むかし、九州の田舎町に、上方から大変評判の高い、芝居の一座がやってきました。町の人たちも、村の人たちも、一生に一度の上方芝居の見物をしようと、わんさ、わんさと、芝居小屋におしかけました。 吉四六さんも、この上方芝居を見に、仲間と一緒に、はるばる遠くの村からやってきました。ところが芝居小屋の木戸口に来て、初めて財布を忘れてきたことに気づきました。 「なんだ、せっかくここまで来たのに、芝居が見られないのか」 吉四六さんは、しばら...

'ものがたり'散策 | 2018.10.11 Thu 18:27

日本の昔話 4 より 『熟し柿でけが』 親しみを込めて伝承される、吉四六さん

短いお話です。吉四六(きっちょむ)さんのお話続きます。 ある日、吉四六さんが、家の裏の柿の木の下で、まきを割っていました。ところが、斧を打ち下ろした途端、熟した柿が、ぺたりと頭の上に落ちてきました。 吉四六さんは、てっきり、まきの片割れが、頭に飛んできたのだと思いました。そこで、その場で、どっさりと倒れて、頭を押さえ、「うわぁ、痛い、痛い。医者を呼んできてくれ!」とわめきました。 おかみさんは、びっくりして、駆けつけてみると、このありさまです。そして、「怪我じゃないよ、あんた。熟し柿が...

'ものがたり'散策 | 2018.10.09 Tue 18:51

日本の昔話 4 より 『山は火事』 機転の利かない頓知者、吉四六さん

短いお話です。吉四六(きっちょむ)さんのお話続きます。 ある冬のこと、吉四六さんは町の親戚の家に行って泊まりました。次の朝、早く起きて、顔を洗い、縁側から外を眺めていると、隣の家の人が「おはようございます。今朝はことのほか寒いですね」と挨拶をしました。 ところが吉四六さんは、なんと挨拶を返したらいいのかわからず、黙って中へ入ってしまいました。 それを見て家の主人が「人に挨拶されて黙って引っ込むやつがいるか。『さようですな、このぶんでは山は雪でしょうな』くらいはお返しにいうものだ」といい...

'ものがたり'散策 | 2018.09.29 Sat 18:18

日本の昔話 4 より 『重荷をわける』 吉四六さんという頓知者

短いお話です。 むかし、九州豊後に、吉四六(きっちょむ)さんという男がいました。 ある日、 吉四六さんは馬をひいて、山へ薪を取りにいきました。薪を馬の背に山ほど積んだので、帰り道には、馬の背骨が曲がるほどです。馬は汗だくで山道を下ります。 吉四六さんはこれを見て、「これでは荷が重すぎる。馬がかわいそうだ」と思いました。そこで薪を半分おろして、自分で背負いました。 けれども、吉四六さんは、あんまり重くて、今度は自分が歩けませんでした。「さて困った。こんなに重くてはたまらない」彼はしばらく...

'ものがたり'散策 | 2018.09.27 Thu 18:02

日本の昔話 4 より 『太郎の欠け椀』 欠け椀も三年取っておけば役に立つ

むかし、あるところに、父親と三人の息子がいました。三人の息子は、上から、太郎、次郎、三郎といいました。 ある時、父親は、息子たちを呼んで、「おまえたちも、もうそろそろ、商いを習ってもいい年頃だ。何かひとつ、商売を覚えてこい」といいました。 そして三人に、僅かな金を渡し、旅に出しました。兄弟は、しばらく一緒に歩いていきましたが、三本道に別れたところで、三年経ったら、ここで落ち合い、一緒に家に帰ろうと約束し別れました。 太郎が歩いていった道は、山奥へとつながっていました。何処までも登っ...

'ものがたり'散策 | 2018.09.25 Tue 18:17

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