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「主役は・・・!」

JUGEMテーマNO470   写真館ジェットプレーン店長の 櫻田トトがお届けする詩です。     「主役は・・・!」     年老いた母が   食事中   ポロっと  芋を   箸から  落とした   母は   ビクッとし   一緒に  食事をしている   兄を  盗み見た   兄は  何も言わないが   無言の  不機嫌さが   伝わってくる   食事は  おいしく  楽...

盛岡市の写真スタジオ ジェットプレーン 店長日記 | 2021.09.17 Fri 19:04

北原白秋『桐の花』を読む㊺ 川喜田晶子

どくだみの花のにほひを思ふとき青みて迫る君がまなざし 『桐の花』    不可知で不穏なものとして、作者をひきつけつつも得たいの知れない不安を引き起こす存在として、白秋は女性をとらえている。それは自身や世界に対する認識とも重なっていただろう。  己れ自身も、他者も、世界も、不可知であるという感覚をもつことが、素直であたたかみのある絶対感に満ちた感覚ではないところに、この時代の屈折した不幸と表現意識の複雑な深化があると云える。  くせの強い青みを喚起するどくだみの花の匂いによって世...

星辰 Sei-shin | 2021.09.17 Fri 17:03

備え

JUGEMテーマ:詩 石の階段の根元からアリが出てくる   大きなアリで せっせと動き回っている   こちらの気配に感づくと   穴へ逃げ込み しばらくするとまた出てきた   あとしばらくすれば冬で   来年へ命を繋ぐ仕事の邪魔をしては悪い   もっと見ていたいけど   一礼してその場を後にした

SANNI YAKAOO | 2021.09.17 Fri 13:15

朝に止まった車

ここにあるのに 誰も測れない 深い 色、痣   痛みとともに 目の奥の広がる視野 うさぎの耳のよう うしろは緊張して広がる 踏ん張る   向かってくる列車 そのスクリーンは破れる   そんな日が   結果、ここにいる者は私で、それを避ける為に 誰かを思う それは進み 出会い そして 消失する、 笑い声だけが 虫の鳴き声の中   消え失せよう   朝の汗 毛穴の脂 寝不足の突出した情 白いボンネットに朝日がに...

誰でもないものの「区域」 | 2021.09.16 Thu 23:51

小銭

JUGEMテーマ:詩 ポケットに穴が空いていて   いつの間にか小銭が消えていた   消えたお金はどこへ行くんだろう   誰かに拾われるか   それとも錆びて景色と同化するか   道を引き返す気にもなれない

SANNI YAKAOO | 2021.09.16 Thu 21:21

濃雨

JUGEMテーマ:詩 濃い雨が山を包む   辛うじて麓が見えて   靄の中からヘッドライトが近づいてくる   駆け抜けた光を尻目に道を渡り   子ギツネみたいに山へ走る   きっともう僕の姿は誰にも見えない

SANNI YAKAOO | 2021.09.15 Wed 14:51

3センチ

  クリーニング屋の針金ハンガーで  耳から引き摺り出した掻き出した  からっぽだ軽くなった重力はもう敵じゃない  地べたから3センチ浮いて歩く  昨日より3センチ高みから眺める     心配だなきみは  力づくで忘れようとするから  陶酔を手に入れて噛み砕いて飲み下して  揺れてるだけで酔えるから探さなくていい     正面から流れて来る 光も音も時間も  真っ直ぐに向かってくる望まない何もかも  怖がらないで痛くない思ってたほどには  しかも永くは続かな...

bullet proof soul | 2021.09.14 Tue 12:01

原点

JUGEMテーマ:詩 山合いの道に車を停めて   ガードレールの傍から渓谷を眺める   醸された木々の匂いがする   余計な音が一切ない   緩い風だけが吹いている   生まれた瞬間に戻る

SANNI YAKAOO | 2021.09.13 Mon 13:14

狭間

JUGEMテーマ:詩 丘の上から見渡す街は   夏と秋の空気が混じった中に包まれている   北には山 南には海   西には地平線に続く高速道路   東にはビルと工場   くっきり分かれているのに   全て曖昧に感じる   季節の狭間で   境界が霞んでいる

SANNI YAKAOO | 2021.09.12 Sun 13:32

北原白秋『桐の花』を読む㊸ 川喜田晶子

おづおづとわかきむすめを預かれる人のごとくに青ざめて居り 『桐の花』    白秋の作品には青ざめた緊張感が常にたちこめ、世界への恐れを美的に再構成することでかろうじて息をついているような硬質の身構えを感じるが、その青ざめた不安とは、この歌の比喩で表現されるような、守らねばならぬ己れのかたちを己れ自身でおずおずと凝視しつつもてあましている姿でもある。  世界に感覚が開き切っているということが、幸福ではなく、苦痛をより多くもたらすようになった時代を象徴してリアリティーがある。  ...

星辰 Sei-shin | 2021.09.12 Sun 10:24

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