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曇り日の桐の梢に飛び来り蜩鳴けば人の恋しき 『桐の花』 監獄の中にあって、「曇り日」と「桐の梢」とそこへ飛んできた「蜩(かなかな)」と「恋しさ」とは、絶対感をもって固く結びついている。社会的な〈意味〉において陵辱された作者の身を、はるかに絶対的な〈意味〉で染め上げようとするかのようだ。 だが他界的・天上的というのではない。蜩の非日常性も、生々しい人の恋しさへと連結して、焼けつくような現世的な匂いがする。 JUGEMテーマ:詩
星辰 Sei-shin | 2021.09.24 Fri 12:24
日もすがらひと日監獄の鳩ぽつぽぽつぽぽつぽと物おもはする 白秋の資質の根幹に、短歌的なものと俳句的なものと、いずれの方が強くあるのかと問うならば、私は俳句的なものではないかとおもう。あるいは、俳句的なものを短歌に持ち込むことが白秋的だったと云えるかもしれない。 鳩の存在感と「ぽつぽぽつぽ」というオノマトペは、社会的な意味としては残酷な烙印を捺された白秋の物おもいを、ふんわりと無意味で軽妙な場所へ拉致してゆく。その落差が再び物おもいをさそう。 短歌的なスキームを軽みのあ...
星辰 Sei-shin | 2021.09.23 Thu 17:39
JUGEMテーマ:詩 不気味なほど巨大なクレーンが 湾内でほのかに照らされている 海は真っ黒で クレーンの赤白が余計に目立ち 港の主のように全てを見下ろしている 昼間はなんてことない 夜になると無機物に命が宿る
SANNI YAKAOO | 2021.09.20 Mon 11:00
空いろのつゆのいのちのそれとなく消なましものをロベリヤのさく 『桐の花』 風景としてはロベリヤの花が咲いているだけで、初句から第四句までの抒情は「ロベリヤ」を引き出すための序詞であるかのような、意味の希薄さがある。 「こんないのち、消えっちまえばいいものを」という捨てばちな強さは、「空いろ」や「つゆ」や「それとなく」によって希釈されてつつましく透きとおってしまい、それでいて眼前のロベリヤはあくまで「咲く」という営みによっていのちを主張することで作者の希薄さをかき乱す。 ...
星辰 Sei-shin | 2021.09.19 Sun 15:45
JUGEMテーマNO470 写真館ジェットプレーン店長の 櫻田トトがお届けする詩です。 「主役は・・・!」 年老いた母が 食事中 ポロっと 芋を 箸から 落とした 母は ビクッとし 一緒に 食事をしている 兄を 盗み見た 兄は 何も言わないが 無言の 不機嫌さが 伝わってくる 食事は おいしく 楽...
盛岡市の写真スタジオ ジェットプレーン 店長日記 | 2021.09.17 Fri 19:05
JUGEMテーマNO470 写真館ジェットプレーン店長の 櫻田トトがお届けする詩です。 「主役は・・・!」 年老いた母が 食事中 ポロっと 芋を 箸から 落とした 母は ビクッとし 一緒に 食事をしている 兄を 盗み見た 兄は 何も言わないが 無言の 不機嫌さが 伝わってくる 食事は おいしく 楽...
盛岡市の写真スタジオ ジェットプレーン 店長日記 | 2021.09.17 Fri 19:04
JUGEMテーマNO470 写真館ジェットプレーン店長の 櫻田トトがお届けする詩です。 「主役は・・・!」 年老いた母が 食事中 ポロっと 芋を 箸から 落とした 母は ビクッとし 一緒に 食事をしている 兄を 盗み見た 兄は 何も言わないが 無言の 不機嫌さが 伝わってくる 食事は おいしく 楽...
盛岡市の写真スタジオ ジェットプレーン 店長日記 | 2021.09.17 Fri 19:04
どくだみの花のにほひを思ふとき青みて迫る君がまなざし 『桐の花』 不可知で不穏なものとして、作者をひきつけつつも得たいの知れない不安を引き起こす存在として、白秋は女性をとらえている。それは自身や世界に対する認識とも重なっていただろう。 己れ自身も、他者も、世界も、不可知であるという感覚をもつことが、素直であたたかみのある絶対感に満ちた感覚ではないところに、この時代の屈折した不幸と表現意識の複雑な深化があると云える。 くせの強い青みを喚起するどくだみの花の匂いによって世...
星辰 Sei-shin | 2021.09.17 Fri 17:03
JUGEMテーマ:詩 石の階段の根元からアリが出てくる 大きなアリで せっせと動き回っている こちらの気配に感づくと 穴へ逃げ込み しばらくするとまた出てきた あとしばらくすれば冬で 来年へ命を繋ぐ仕事の邪魔をしては悪い もっと見ていたいけど 一礼してその場を後にした
SANNI YAKAOO | 2021.09.17 Fri 13:15
ここにあるのに 誰も測れない 深い 色、痣 痛みとともに 目の奥の広がる視野 うさぎの耳のよう うしろは緊張して広がる 踏ん張る 向かってくる列車 そのスクリーンは破れる そんな日が 結果、ここにいる者は私で、それを避ける為に 誰かを思う それは進み 出会い そして 消失する、 笑い声だけが 虫の鳴き声の中 消え失せよう 朝の汗 毛穴の脂 寝不足の突出した情 白いボンネットに朝日がに...
誰でもないものの「区域」 | 2021.09.16 Thu 23:51
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