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詩
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残り香

JUGEMテーマ:詩 木陰に風が吹く   陽射しもほんの少しだけ柔らかくなって   影伝いに歩くのは気持ちいい   空の模様も少し変わった   夏の残り香が漂う

SANNI YAKAOO | 2021.08.28 Sat 11:55

敗北感

JUGEMテーマ:詩 薄紙一枚で指を切る   こんな物でと腹が立つ   ジンジンしつこい痛みが気になって   苦しいわけじゃないけど不愉快が続く   こんなものに この程度のダメージで   一日が気持ちよく過ごせないことに   もやもやした敗北感を覚える

SANNI YAKAOO | 2021.08.27 Fri 10:30

高鳴り

JUGEMテーマ:詩 夏なのに毛布に包まって   隙間から外を覗く   人が見たら気が触れたと思うだろう   狂うのが怖いから   自ら狂ったことをして   どうにか平静を保っている   ほんの小さな隙間から見える雲は   いつもよりうんと高く見える   胸が高鳴る

SANNI YAKAOO | 2021.08.26 Thu 11:17

煌々

JUGEMテーマ:詩 どんよりした森の奥   冷たい小川の向こうに   千年生きている大木がある   甘い葉っぱの匂い   甘い湧水   疲れや 汚れや 負の感情   綿あめが溶けるように消えていく   曇った空に太陽が戻ってきて   どこかしこも森が光っていた

SANNI YAKAOO | 2021.08.25 Wed 11:36

結論

JUGEMテーマ:詩 今日出した結論は   明日には変わっている   昨晩の結論が   今朝には変わっているのだ   道などない 考えるだけ無駄だ   その結論も今日の夜には変わっているだろう

SANNI YAKAOO | 2021.08.23 Mon 13:07

変容

JUGEMテーマ:詩 家を出たらオニヤンマが飛んでいて   川原へ向かっていたらギンヤンマが目の前を掠めた   昨日の夜はコンビニでツクツクホーシが鳴いていて   帰り道ではコオロギの音色が響いていた   今日は今日で赤く染まる前のアキアカネの群れに出くわす   来月には夕陽を背に真っ赤な群れに変わるだろう   まだ暑い でも夏の終わりは近づいている

SANNI YAKAOO | 2021.08.22 Sun 15:36

背筋を伸ばす

JUGEMテーマ:詩 深い緑に赤い鳥居が浮かぶ   先の見えない長い階段と   薄暗い森と渓流の音と   入口を守る二体のキツネ像と   踏み入ることに少し躊躇う自分   神聖な場所はいつもこうだ   神秘に惹かれ そして気圧される   弱気になるな でも傲慢にもなるな   敬意と畏れの二つを抱いて鳥居をくぐる

SANNI YAKAOO | 2021.08.20 Fri 13:28

お迎え

JUGEMテーマ:詩 一つの魂が天国へ旅立つ   安らかな寝顔で   ただ眠っているようにさえ見える   長年隣の小屋にいた相棒が   傍へお迎えに来ているのか   寝顔は笑っているようにも感じる   気の利いた相棒は   お盆を過ぎても律儀に待っていたのかもしれない   空へ昇る前に   懐かしいあの川原へ向かい   また元気に二匹で走り回っているだろう

SANNI YAKAOO | 2021.08.19 Thu 13:28

特別

JUGEMテーマ:詩 何年も前に行った遠い海の景色   人がまばらな砂浜と   蜃気楼のように霞んだ水平線   変わった形の貝殻を見つけた   歩道橋で潮風に吹かれた   道の駅に停めた車で   波音を子守唄にウトウトした   何も特別なことはなかった   数年が過ぎ   何もないことが特別な記憶として刻まれている

SANNI YAKAOO | 2021.08.18 Wed 11:22

北原白秋『桐の花』を読む㉟ 川喜田晶子

 屋根の雪屋根をすべると三味線の棹拭きかけて泣く女かな 『桐の花』    屋根の雪が屋根をすべるというそれだけのことに、三味線の棹を拭きかけて泣く女。  意味でも無意味でもない、瞬間の世界のざわめきに、既成の情の流れをかき乱されたかのように、「泣く」という表現へと転調する女の姿が、粗雑でないリアリティーを主張している。 感覚的に不安を表現することでかろうじて世界を確認し、己れを確認するような、カオスのままのしたたかさ。白秋自身の内にもある、理知の掌からこぼれ落ちる感覚世界の揺ら...

星辰 Sei-shin | 2021.08.17 Tue 12:23

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