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「あら、怖い♪」 ヤエーヌは笑いながら、見下すような目でルークを見ていた。「気をつけてください! ヤエーヌは、人の心の隙間に入ってきます。どうか心を……きゃっ!!」「ゴチャゴチャ、うるさいわねぇ!」 はづきが、皆に注意するよう声をかけてる最中、ヤエーヌは音もなくはづきに近寄り、彼女の頬を手の甲ではたいた!「はづきっ!」 ルークは、とっさにはづきへと近寄り、はたかれた勢いで、地面に転んでいるはづきを抱き起こした。「うるさい……いやだ……うるさい! ――みんなシンジャエ!」 ヤエーヌは、目を見開きながら、...
イルシオン | 2013.10.06 Sun 16:30
ソルモナが、ルーク達の前に現れたかと思うと、一瞬で彼ら三人を、はづきがいる倒すべきモノの場所へと、魔法で連れて来ていた! 皆、瞬きをするようなほんの些細な時間ほどで、自分の居場所がいきなり変わったことに驚いていた。「はづきっ!」 だが、はづきの後ろ姿を見つけると、自分達が今どこにいて、どういう状況かを、瞬時に理解しようとした。 はづきは、イルミナルの剣とトルースの盾を持ち、その手にはラフヴィーゾ指輪頭にはティアラをし、近くにはアルキオンが浮いていた。 光り輝くその姿は、まるで...
イルシオン | 2013.10.05 Sat 22:39
「ありがとうございます。……女神を必ず助けます!」 ルークは、自分への決心にも似た気持ちで、助けると言葉にすると、光る粉を空気中にまいた。 光る粉は、小さい粒子となって、ふわりふわり下へと落ちていく。「あれは!」 光る粒子は次第に丸い大きな円を作り、淡く輝いていた。「それが、女神様の所へ通じる扉ですじゃ」「ありがとう、長。……さぁ、行くぞ皆!」 ルーク、ヴァルト、アネモネはそれぞれ視線を合わせ、頷き合うと、光の円の中へと飛び込んだ!「どうかご無事で……」 ルーク達の後ろ姿に、祈りを捧げるように...
イルシオン | 2013.10.04 Fri 08:49
第20話 女神の戦い 前編 たとえ世界が滅びようとも、貴方達を私の戦いに巻き込みたくない。 ――それは、私の身勝手かもしれない。 でも……生きててほしい。 私が愛した人……。 枯れ果てた大地。 空は、黒く厚い雲に覆われ、太陽の光などほとんど入ってこなかった。 だが、薄気味悪かったが、大地は緑色にほんのりと輝いていたため、視界は不自由しなかった。 ルークたち三人は、行き場所も分からず、ひたすら歩いていた。 目的地は分からない。&n...
イルシオン | 2013.10.03 Thu 10:21
ペペロンは、困ったように俯いた。「でも、何で俺なんだよ? オヤジがやればいいだろ?」 もっともな意見に、ペペロンは何度も頷いた。 そんな二人の態度に、クルスは困ったように笑い、口を開いた。「いやぁ、実はね? この世界には、神の力を感じ取れる人たちがいてね? 僕の力を悪用されないように、ソルの中に封印しちゃったんだ♪ えへっ♪」 可愛らしくウィンクをしながら、片手でおでこをペチっと叩くクルス。 一般的に、クルスぐらいの中年男性がそんなことをすれば、気持ち悪がられるだけだろうが、何か分からないが...
イルシオン | 2013.09.26 Thu 08:18
ソルは、話の内容にもそうだが、そんな父親の雰囲気に驚いた。「元々、我輩とラスガードは双子にょ神だったにゃ。我輩が光、ラスガードは闇にょ神にゃ。闇にょ力危険だけど、世界には必要なもにょ。でも我輩にょ光にょ力と合わしゃれば、調和がとれ大丈夫……なはずだったにゃ」 ペペロンは、どこか悲しそうにうなだれた。「だけど、ラスガードの力が強すぎたんだ。そして、あの子は暴走する一歩手前までいってしまい……封印せざる終えなかった」 クルスも悲しそうに、どこか遠くを見るような瞳をしていた。 ペペロンにとっては兄弟...
イルシオン | 2013.09.25 Wed 08:17
でも、神しゃまがいなくなるとアベリアルの均衡が壊れるにゃ。 だから、神しゃまは自分の力の一部を十二に分け、器となる石に入れたにゃ。 石はしょれぞれ独特の意思を持って、十二の神が生まれたにゃ。 しょれが今各地で崇拝されている、豊作、海、空と風、大地、炎、水、生き物、力、時、愛、光を司る神々にゃ。 「ちなみに石のままでは動きがとれにゃかったから、我輩はこの愛くるしいぬいぐるみに魂を移したわけにゃ」「へぇ、そうなんだ。まぁ、小汚いけど……」「コラっ、ソル。そんな本当のことをサラっと言っちゃダメ...
イルシオン | 2013.09.24 Tue 08:02
第4話 神々と闇の神 昔々ある所に、クルスという神しゃまがいたにゃ。 神しゃまは、しょれはしょれは寂しいがり屋でしたにゃ。 ある日、まだ自然しかなかったこのアベリアルに、神しゃまは動物と人を作りましたにゃ。 でもでも、神しゃまは神しゃまだから、動物と人のいる大地に降りて一緒に住むことができなかったにゃ。 神しゃまは、なんだかもっと悲しくにゃって、人の家族に憧れたにゃ。 しょして、思い切って人になったにゃ。 「おいおい! どんな神様だよ!?」 ソルは話の途中だったが、思わず...
イルシオン | 2013.09.23 Mon 07:36
そんな彼は、ソルが見たこともないような、怒りや悲しみが入り混じったような表情をしていた。「おっオヤジどういうことなんだ?」「……よしっ! 決めた!」 戸惑っているソルを置き去りにして、クルスはどこかすっきりとした笑顔を浮かべた。「ソルに、神さまになってもらっちゃおう!」「「……えぇぇぇっっっ!!!!」」 クルスの思ってもない発言に、ソルとペペロンは一瞬凍りつき、そしてシンクロするように声を合わせて叫んだ。「神しゃま。ですが、神しゃまの力がなくては……」「んー……大丈夫! ソルにも僕の力があるから」...
イルシオン | 2013.09.10 Tue 07:16
その間、ペペロンが「もっと丁寧扱えにゃ」だの「こんな愛くるしいにゅいぐるみに優しさはにゃいにょか!?」などと、グチグチと言われたが、ソルは完全無視していた。「おい、オヤジ。これ、知り合いか?」 ディオス家の一階。 リビングで、のんびりコーヒーを飲んでいるクルスに向かい、ソルはペペロンを突き出した。「んっ? なんだい、ソル? 父さんには、ぬいぐるみの知り合いはいないけどなぁ」 クルスは、ふんわりと笑った。 彼自身、別にソルをバカにしているつもりはないが、態度がふぬけているためか、何かバカにさ...
イルシオン | 2013.09.09 Mon 08:07
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