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どこからか聴こえる悲鳴。瓦礫が崩れ落ちる音。 逃げ惑う大勢の人。焦げた匂い。 その中で俺は血溜まりに膝をつき虚空を見ていた。 胸に抱いた温もりの残るその身体はもう二度と動かない。 寒くもないのに身体が震えていた。何か叫ぼうとしたが口がかくかく動くだけだった。 ヤツの目…牙…彼女を無残に噛み切り…次の獲物を捉え飛び去る。 一瞬の出来事だった。俺にはどうする事もできなかった。 肩に手を置かれ無理やり振り向かされる 「大丈夫か!?」 声を掛けたのが騎士団だと理解するのに数秒かかった 「お前は、農場...
木洩れ日 | 2014.01.27 Mon 08:20
「くっ!」 ルークは、助けようと手を伸ばすが、見えない壁のようなモノに阻まれ、手が弾かれてしまう! 「さあ、アンタはアタシ、アタシはアンタ……一つになりましょう?」 ヤエーヌはそう言うと、はづきの体へと溶け込むように入っていく――。 「やめろっ!!」 ルークは必死で叫ぶが、その叫びも虚しく、ヤエーヌははづきの体の中へと完全に溶け込んだ。 「ふふふっ……ふふっアハハハハッ!!」 ヤエーヌのあの耳障りな笑い声が……はづきの口から出ていた。 「はづき&...
イルシオン | 2013.10.09 Wed 08:43
「そうアタシばかり不幸……アハハハハッ!! ミンナナクナレバイイっ!」 ヤエーヌは、引きつった笑顔のまま、ルークに斬りかかる! ルークは、ヤエーヌの猛攻に必死に耐えながらも、彼女に斬りかかる。 だが、ヤエーヌもルークの一撃をくらわまいと、剣で受け止める! はづきは、ヤエーヌの気がルークにそれている間に、彼女の背後に回っていた。「これで、終わりよーー!!」 はづきは叫びながら、輝く剣をヤエーヌに振り下ろした!!「ぎゃぁぁーーーー!!!」 辺りにヤエーヌの悲痛な叫びが木霊する! 持っていた剣を落と...
イルシオン | 2013.10.08 Tue 10:02
「ヤエーヌ、二人を解放して! ……憎しみからは何も生まれないのよ!?」「うふふっ……あはははは!!」 ヤエーヌは、はづきの言葉を聞くなり、大声で笑い出した。「イヤだわ? 憎しみのスバラシサを教えてくれたのは、そこにいる”人”じゃない?」 ヤエーヌは、目を見開き、口元をニヤリと吊り上げた!「憎しみを生み出し、アタシにぶつけた”人”に、アタシを非難する資格があるの? あっ、ごめんなさい? ”あたし達”だったわ」 ヤエーヌの顔は笑っていたが、目は凍てつく様に冷めていた。「それでも……それでも、私は貴方を倒さな...
イルシオン | 2013.10.07 Mon 10:59
「あら、怖い♪」 ヤエーヌは笑いながら、見下すような目でルークを見ていた。「気をつけてください! ヤエーヌは、人の心の隙間に入ってきます。どうか心を……きゃっ!!」「ゴチャゴチャ、うるさいわねぇ!」 はづきが、皆に注意するよう声をかけてる最中、ヤエーヌは音もなくはづきに近寄り、彼女の頬を手の甲ではたいた!「はづきっ!」 ルークは、とっさにはづきへと近寄り、はたかれた勢いで、地面に転んでいるはづきを抱き起こした。「うるさい……いやだ……うるさい! ――みんなシンジャエ!」 ヤエーヌは、目を見開きながら、...
イルシオン | 2013.10.06 Sun 16:30
ソルモナが、ルーク達の前に現れたかと思うと、一瞬で彼ら三人を、はづきがいる倒すべきモノの場所へと、魔法で連れて来ていた! 皆、瞬きをするようなほんの些細な時間ほどで、自分の居場所がいきなり変わったことに驚いていた。「はづきっ!」 だが、はづきの後ろ姿を見つけると、自分達が今どこにいて、どういう状況かを、瞬時に理解しようとした。 はづきは、イルミナルの剣とトルースの盾を持ち、その手にはラフヴィーゾ指輪頭にはティアラをし、近くにはアルキオンが浮いていた。 光り輝くその姿は、まるで...
イルシオン | 2013.10.05 Sat 22:39
「ありがとうございます。……女神を必ず助けます!」 ルークは、自分への決心にも似た気持ちで、助けると言葉にすると、光る粉を空気中にまいた。 光る粉は、小さい粒子となって、ふわりふわり下へと落ちていく。「あれは!」 光る粒子は次第に丸い大きな円を作り、淡く輝いていた。「それが、女神様の所へ通じる扉ですじゃ」「ありがとう、長。……さぁ、行くぞ皆!」 ルーク、ヴァルト、アネモネはそれぞれ視線を合わせ、頷き合うと、光の円の中へと飛び込んだ!「どうかご無事で……」 ルーク達の後ろ姿に、祈りを捧げるように...
イルシオン | 2013.10.04 Fri 08:49
第20話 女神の戦い 前編 たとえ世界が滅びようとも、貴方達を私の戦いに巻き込みたくない。 ――それは、私の身勝手かもしれない。 でも……生きててほしい。 私が愛した人……。 枯れ果てた大地。 空は、黒く厚い雲に覆われ、太陽の光などほとんど入ってこなかった。 だが、薄気味悪かったが、大地は緑色にほんのりと輝いていたため、視界は不自由しなかった。 ルークたち三人は、行き場所も分からず、ひたすら歩いていた。 目的地は分からない。&n...
イルシオン | 2013.10.03 Thu 10:21
ペペロンは、困ったように俯いた。「でも、何で俺なんだよ? オヤジがやればいいだろ?」 もっともな意見に、ペペロンは何度も頷いた。 そんな二人の態度に、クルスは困ったように笑い、口を開いた。「いやぁ、実はね? この世界には、神の力を感じ取れる人たちがいてね? 僕の力を悪用されないように、ソルの中に封印しちゃったんだ♪ えへっ♪」 可愛らしくウィンクをしながら、片手でおでこをペチっと叩くクルス。 一般的に、クルスぐらいの中年男性がそんなことをすれば、気持ち悪がられるだけだろうが、何か分からないが...
イルシオン | 2013.09.26 Thu 08:18
ソルは、話の内容にもそうだが、そんな父親の雰囲気に驚いた。「元々、我輩とラスガードは双子にょ神だったにゃ。我輩が光、ラスガードは闇にょ神にゃ。闇にょ力危険だけど、世界には必要なもにょ。でも我輩にょ光にょ力と合わしゃれば、調和がとれ大丈夫……なはずだったにゃ」 ペペロンは、どこか悲しそうにうなだれた。「だけど、ラスガードの力が強すぎたんだ。そして、あの子は暴走する一歩手前までいってしまい……封印せざる終えなかった」 クルスも悲しそうに、どこか遠くを見るような瞳をしていた。 ペペロンにとっては兄弟...
イルシオン | 2013.09.25 Wed 08:17
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