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枯れ果てた大地を歩き続け、しばらくたった。 すると、ふわりと風に漂うように、草花や木々の香りがした。 だが、そんな瑞々しい草木は見当たらない。「ふふっ。精霊たちの里はまだ無事なようね」 そう言う、魔女はどこか嬉しそうに立ち止まった。「フェイア・オセプ・リーレン」 魔女が唱えると、魔女の目の前の空間が歪み、人が一人通れるぐらいの円形の扉が現れた。「これが、精霊ちゃんたちのところへ繋がる扉よ」 魔女は扉を開き、俺達の手招きをした。 俺たちは、驚き呆気...
イルシオン | 2013.07.16 Tue 09:39
第18話 精霊の守る地 俺たちは、もう一度再確認をした。 ――このまま、封印の地へ行っていいのか? 何があるか分からない危険な土地に行く覚悟はあるのか? ――――もちろん、俺たち全員、当たり前のように行くと答えた! ここまで来て、怖いから帰るなど言う者はいなかった。……いや、いるはずもないな。 当の本人はづきは、眠らせたまま連れて行こうという話でまとまった。 だが、眠ったはづきを軽いからと言って担いで移動するのは大変なため、アルキオンの魔法で一時的に薄く...
イルシオン | 2013.07.15 Mon 10:56
精霊の住む地だって!?「精霊たちが住む土地に人が入ると、世界に災いが降り注ぐと言われて……っ!? そうか! そう言うことだったのか」「んふっ。気づいたようね、ルークちゃん」 確かに、封印の地に近づけば負の感情を刺激して復活が早まる! だから、災いが起きると魔女たちが噂を流したのか。「しかし、どうやってそこに行くんだい?」「大丈夫だ。我の魔法で送る」 アルキオンは、あっさりと言ってのけた。 確かに、アルキオンは俺達をあの聞いたことのない呪文で、ここまで運んだ。その力は本物だ。 魔...
イルシオン | 2013.07.09 Tue 08:35
「神よ、魔導の姫とは?」「異世界の女神の魂を持つ者こそ、魔導の姫じゃ」「女神様自身に、自分を討てと?」「……そうせねば、負の感情を倒すための、わしと女神の力を支えきれぬ」「……わかりました」「でもぉ、何で異世界に送っちゃうのぉ?」「それはのぉ、女神と負の感情が引かれ合い、復活が早まらないためじゃ」「では、我々はどうしたら良いのですか?」「お主らは、5つの魔道具を守りながら、時がくるのを待つのじゃ……。そして、魔物は人々への罰として残すことにする。すまんのう、アルキオン、モナソル。……後は頼む」「はい...
イルシオン | 2013.07.08 Mon 08:49
しかし……平和が続くにつれ、人間たちはその平和が「普通」になり、女神様への感謝を忘れていったのです。 女神様へ感謝の祈りをする者も減り、祭りも次第になくなっていきました。 そのせいか、感謝や尊敬の力がなくなっていった女神様の体は、次第に黒く染まっていきました。 最初は体が染まるだけだった……でも、次第に性格までもが変わってしまいました。 平和を望み、優しい性格だった女神様の心は、次第に人間たちへの怒りや悲しみ、憎しみに満たされ、破壊の衝動の駆り立てられていったのです。&n...
イルシオン | 2013.07.07 Sun 08:40
そこで、神様は負の感情を受ける器として、一人の女神を作りました。 神は、その女神サラクスに人間たちの負の感情を吸わせることにしたのです。 そして、負の感情を受け続け、女神サラクス自身が負の感情に支配されるのを予感した神様は、女神サラクスを祭るようにと人間達に伝えました。 神様は負の感情を、人間達の感謝と尊敬の思いで中和しようと考えたのです。 負の感情がなくなり、争いがなくなった人間たちは、女神様のおかげだと祭りなどで崇め、自分たちの傍に女神像を置き、常に感謝をするよ...
イルシオン | 2013.07.06 Sat 08:50
「モナソル、久しぶりだな」「その声は、アルちゃん!?」 魔女はうれしそうに、はしゃぎながらアルキオンを取った。「ソルモナ、感動の再開はまた今度だ。姫様が力を全て手に入れ、アレの影響を受けて暴走しかけた」「なんですって!?」「もう時間がない。アレの復活も近いはずだ……」「そんなぁ……じゃあ、あの子は」「ちょっと待てっ! なんの話だ?」 ソルモナと呼ばれた魔女と、アルキオンが自分達で話を進めていたのを、俺は止めた。「ルークちゃん達にも、そろそろ真実を伝えた法が良いんじゃないのぉ?」「そうだな……」「真...
イルシオン | 2013.07.05 Fri 09:07
咳き込みながら、さっきより一層殺気だったセルクティス達が、俺達を囲んだ。「止めろ!」「魔女を殺せ」「外から来た人間を殺せ」 そう言って近寄ってくるセルクティス達の耳には、もう俺の声すら届いていなかった。 このままでは、俺達はただではすまない!「ヴェオン・ツァッティモ」 俺が逃げ場を失い、途方にくれていると、どこからともなくアルキオンの声がし、俺達は光に包まれた! はづきを抱きしめたまま、あまりの光の眩しさに、俺はしばらく目を瞑っていた。 光が...
イルシオン | 2013.07.04 Thu 07:50
人肌とは思えないほどに、彼女の体は冷たくなっていた。「はづ……き、どうし……たんだ?」 俺は驚きながらも、はづきの目の前に回りこんだ。 はづきの瞳は虚ろで、さっき感じが違う雰囲気の正体が何か分かった気がした。 ……彼女は、何かに操られている。 そんな感じがした俺は、必死に彼女を呼び覚まそうとした。「はづき! 目を……覚ませ!」 俺は、魔法の発動を止めようと、魔力が流れているであろう腕を下げさそうとした。 だが、彼女の力とは思えないほどの力が、吹っ飛ばされてしまった。「ユルサ...
イルシオン | 2013.07.03 Wed 07:07
自分の後ろからその声が聞こえるが、何故か思うように体が動かず、そちらに向くことができない。「ヤメロ……オロカナイキモノタチヨ」 その声と持ち主の気配は、俺に近づいてきて、俺を通り越した。 ……はづきっ!? その後ろ姿は、紛れもなくはづきだった。「は……づき。なにを……」 俺は声を振り絞ったが、彼女には聞こえていないのか、ずっと前を向いていた。 だが、その彼女の雰囲気は、いつものはづきとは何か違う感じがした……いや、はづきの姿をした何かだった。「何だ、その女は!」「外の人間たちを連れてきた、...
イルシオン | 2013.07.02 Tue 08:04
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