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第17話 真実と女神 俺が目が覚めたのは、焦げ臭いと叫び声が聞こえてきたからだった。 ずっと寝ていたのか、なかなか働かない頭を頑張って働かせながら、周りを見渡した。 激しく燃えさかる民家らしき建物。 そして、俺達を背にして怒鳴る、羽の生えたセルクティスと思われる男。 そして、その男の向こうには、殺気を放つセルクティスと思われる大人達が見えた。 羽の生えた男のセルクティスは、羽が少し焦げていて、家事に巻き込まれたの...
イルシオン | 2013.07.01 Mon 06:12
待望の、本当に待望の十二国記シリーズの新刊「丕緒の鳥」が発売になりました。すでに発表された「丕緒の鳥」「落照の獄」の二編のほか、書下ろしの短編が2編収録されています。 読み終わって感じたこと ・ホワイトハート版の痛快さを期待して読むと、えらい目に会う ・ファンタジーを超えた人間の物語 ・泣きました゜・(*ノД`*)・゜・・ 今までは十二国の王とその周辺の話だったのに対して、新潮文庫版の十二国記は、それぞれの時代、国で市井に生きる人々の話が中心です。 そこには「風の万里 黎明の空」のような痛快さ...
日々の書付 | 2013.06.30 Sun 00:24
怒り、憎しみ、悲しみの感情が一気に流れ込み、私は気分が悪った。 そして、それと対をなすように、私の心に破壊と殺りくの衝動が湧き上がる。 いやだ……。 私は、そんなこと思ってない! やりたくない! 必死に、破壊衝動を抑えようとしても、黒いもやもやが、私をどんどん侵食していく……。 いやだ……いやだ。 いや、助けて……ルークさん。 私の叫びも空しく、黒い闇へと私は飲み込まれていった――。 【 迷いの森の騎士さま 第16話 黒い闇 終わ...
イルシオン | 2013.06.23 Sun 08:54
木の燃えるような香りがする。 女の人は、何故か分からないけど村人に追いかけられ、必死に走っていた。「やめて! お願い!」 女の人が叫ぶ!「あの女は女神なんかじゃねぇ、化け物だ!」「そうだ! そうだ化け物め!」「悪魔のような女だ!」「悪魔を火破りにしろ!」 でも松明を持った男たちは、怒鳴りながら女の人を追いかけ続ける。 その時だった! ふっと、女の人の心の声が、私の中に流れてきた。 ――私は悪者なの? ――私は、ただ人々の心の闇を変わりに受けていた...
イルシオン | 2013.06.22 Sat 08:49
長い廊下を、話ながら歩いていると、いつの間にか突き当たりにたどりついていた。 そこには、大きな扉があり、いかにもって感じだった。「さぁ、ここが魔導具の保管されている場所だ。……って言っても、俺も入るのは始めてだけどな」 メリオさんは、くしゃっと笑うと、両手で大きな扉を力いっぱい押した。 すると扉は、大きな音とほこりをたてながら、ゆっくりとあいた。 ほこりにむせていると、ふっと奥の方に何かが見えた。 壁の隙間から入ってくる光に照らされて、幻想的に輝...
イルシオン | 2013.06.21 Fri 10:00
第16話 黒い闇 セルクティスの村へ来てたぶん2日目――。 私はメリオさんに、魔導具の封印されている場所へと案内されていた。 セルクティスの村から、雪で真っ白になった林を抜けた先に大きな古い神殿があった。 その中の柱や壁はボロボロで、どれだけ昔のモノかが分かった。「はづきは、世界を救う姫って言われた時、どう思った?」「えっ?」 メリオさんの突然の質問に、私はびっくりした。「いやだとか、何で自分...
イルシオン | 2013.06.20 Thu 08:57
「あぁ、外の人間だから俺たちと違うんだ」「えっ! 外の人間!?」「こわい人なの??」 子供たちは、「外の人間」と聞いた瞬間、私から離れていった。 だけど、そんな子供たちをメリオさんは笑って、呼び戻した。「お前達大丈夫だ! この人は、怖い人じゃないぜ? はづきって名前なんだ。皆仲良くしてやってくれ」「よろしくね、みんな」 私は、メリオさんと一緒に子供たちの視線の高さまでしゃがむと、にっこりと笑ってみた。 すると、子供達も顔を見合わせると、とびっきりの笑顔を返してくれた。「うん! はづ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 21:04
確かに、他の皆とは会えないけど、こうして私を気遣ってくれてる。メリオさんは、とっても良い人なのかもと、私は思った。「あの……なんで、外界の人はここに近づいちゃだめだんですか?」 私の質問に、メリオさんは頭をボリボリかきながら、苦笑いした。 ちょっと、話し難いこと聞いたかな?「あー……それはだな。昔、迫害とか奴隷化とかいろいろあったんだ。だから、俺達セルクティスと供に生きてきた動物達は一緒にここへ逃げて、幻術で外界との道をなくしたんだ」「幻術?」「相手に幻を見せる秘術みたいなやつさ。魔...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 21:04
第15話 セルクティス あれ? 何だか暖かい……。 私は、暖かさと明るい日差しで目が覚めた。「おぉ! 姫さん、目覚ましたかい?」 見覚えのない部屋で私はベットの上、そして見覚えのない赤毛の男の人が、私の覗き込んでいた。 誰だろう?っと、思いながらぼーっと見ていると、背中にあるはずもないモノが見えた!「羽っ!?」 私は驚いて、飛び起きた! 寝ぼけていた頭も、ばっちり覚めた。「ここはどこ? 何? あなた誰?」 私は、混乱してあたりを見渡し、わ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 21:03
吹雪の真っ白な中、一際目立つ赤い羽根が一つ落ちてきた。 そして、バサバサと大きな音をたてながら、巨大な鳥さんが私達の前へ空から降りてきた。 その鳥さんはまるで、伝説に出てくる朱雀のようだった。「もう一度言う。この地から立ち去れ」 さっきから聞こえる低い声。 それは、この大きく真っ赤な鳥さんから聞こえていて、私はびっくりしていた。 だけど、ルークさんは落ち着いた感じで鞘から手を放すと、鳥さんの前に跪いた。「この地を守る獣の力を受け継ぎし民、セルクティスとお見受けする。我ら...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 21:01
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