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第1話 イルホ村での日々 アベリアルと呼ばれる世界。 ガルス王国の南西に位置するイルホ村に、気だるそうに歩く少年が一人。「あぁ、だりぃ……。剣の稽古なんて何でやらないといけないんだよ」 少年は木刀を肩に担ぎ、日差しが強い季節のせいか、黒のノースリーブと短パンという軽装をしていた。 肌が健康的に焼けていて、適度についた筋肉質の体をしてるため、まるでガキ大将のようだった。 眉間にしわを寄せ、悪態をつく深い青色の髪に赤いつり目が特徴の彼――ソルジオル・ディオスは、少し顔色を変えるだけ...
イルシオン | 2013.07.26 Fri 09:28
JUGEMテーマ:ファンタジー小説 「キミ、スクールはもう休み?」 「ああ。そりゃ、今日は聖誕祭だし! これからずっと休みだよ。……あ、そこ座って。コーヒー持ってくる」 「ありがとう」 小さい頃から一緒のアルスとは、気心の知れた仲です。民族の特徴で、ウィルシード人は肌の色が白い人が多いのですが、アルスはちょっと違っていて、よく焼けた小麦の肌に、濃い茶色の瞳(これはとても知的に輝きます)、そして、数年後に出逢うリエもそうですが、燃えるような赤い髪をしています。もっともアルスは、毛染めで無理矢理...
三日月の聖書〜景澤 晶の創作思考 | 2013.07.23 Tue 17:05
プロローグ 薄暗い。 太陽の光は、高い位置についた小さな窓からしか入ってこない石でできた神殿。 ――そこに、男たちはいた。「……居場所が分かったらしい」 黒い服に身を包んだ若い男は、黄色い瞳を細める。「そうですか……ふふふっ。やっと、貴方様の計画実行の時ですな」 若い男の隣で、年配者だろうか? 腰を曲げて緑のローブを深くかぶった老人が、楽しげに笑う。「あぁ――楽しみだ」 若い男はニヤリと笑うと、老人に背を向け歩き出した。 その若い男の服の背中には、最近信者が増え始めた、ラスガード神を崇めるインペラ...
イルシオン | 2013.07.21 Sun 09:43
「そうねぇ。アネモネちゃんが前向きな子で良かったわ」 ソルモナは、アネモネ様の頭を撫ぜ、微笑んだ。 この時だけは魔女ではなく、どこか母親のような雰囲気に見えた。「さぁ、今日はゆっくり休みましょう」 ソルモナに言われ、俺達は精霊たちにそれぞれ休むための部屋へと案内された。 ――その夜。 俺は眠れずに、ベットを抜け出し、夜空を眺めていた。 自分の住んでいた国と同じ、星の輝く空。 いろいろな国、土地を見てきた。 だが結局、世界を滅ぼす存在さえも、俺たち人が作り出したんだ...
イルシオン | 2013.07.19 Fri 09:16
確かに、俺も始めは体が重く動けなかった。 そう考えると、アネモネ様やヴァルト王子も同じはず。二人とも、隠していたのかもしれない。 逆に言えば俺には、そこまで気づかう余裕がなかったのかもしれない。 この時、アルキオンもだが、ソルモナがいて良かったと思った。「今から、敵の本拠地の乗り込むんだからぁ、やっぱり体は万全にしとかないとねぇ」「ソルモナさん、お心使い感謝する」 ヴァルト王子は、そっと頭を下げた。「いいのよ、別にぃ。それに、アネモネちゃんには良い場所よね?」「……やはり僕は」...
イルシオン | 2013.07.18 Thu 09:05
しかし、精霊は俺達人間やエルフ達より魔力があると聞いてはいたが、ここまでとは……次元が違う。「ソルモナ様! アルキオン様!」 そこへ、小さな……手のひらサイズの羽の生えた人が現れた。――これが、精霊か。 こんな小さな体のどこから、こんな強大な力が出ているのかと思うほどに、精霊の神秘さを感じた。「外は酷い状況ねぇ? みんな無事?」「えぇ、何とかコチラに非難しました。ですが、もうあの場所へ行ける者がおらず、ソルモナ様とアルキオン様から頂いた使命を全うできずに申し訳ありません」 ソルモナとア...
イルシオン | 2013.07.17 Wed 09:47
枯れ果てた大地を歩き続け、しばらくたった。 すると、ふわりと風に漂うように、草花や木々の香りがした。 だが、そんな瑞々しい草木は見当たらない。「ふふっ。精霊たちの里はまだ無事なようね」 そう言う、魔女はどこか嬉しそうに立ち止まった。「フェイア・オセプ・リーレン」 魔女が唱えると、魔女の目の前の空間が歪み、人が一人通れるぐらいの円形の扉が現れた。「これが、精霊ちゃんたちのところへ繋がる扉よ」 魔女は扉を開き、俺達の手招きをした。 俺たちは、驚き呆気...
イルシオン | 2013.07.16 Tue 09:39
第18話 精霊の守る地 俺たちは、もう一度再確認をした。 ――このまま、封印の地へ行っていいのか? 何があるか分からない危険な土地に行く覚悟はあるのか? ――――もちろん、俺たち全員、当たり前のように行くと答えた! ここまで来て、怖いから帰るなど言う者はいなかった。……いや、いるはずもないな。 当の本人はづきは、眠らせたまま連れて行こうという話でまとまった。 だが、眠ったはづきを軽いからと言って担いで移動するのは大変なため、アルキオンの魔法で一時的に薄く...
イルシオン | 2013.07.15 Mon 10:56
精霊の住む地だって!?「精霊たちが住む土地に人が入ると、世界に災いが降り注ぐと言われて……っ!? そうか! そう言うことだったのか」「んふっ。気づいたようね、ルークちゃん」 確かに、封印の地に近づけば負の感情を刺激して復活が早まる! だから、災いが起きると魔女たちが噂を流したのか。「しかし、どうやってそこに行くんだい?」「大丈夫だ。我の魔法で送る」 アルキオンは、あっさりと言ってのけた。 確かに、アルキオンは俺達をあの聞いたことのない呪文で、ここまで運んだ。その力は本物だ。 魔...
イルシオン | 2013.07.09 Tue 08:35
「神よ、魔導の姫とは?」「異世界の女神の魂を持つ者こそ、魔導の姫じゃ」「女神様自身に、自分を討てと?」「……そうせねば、負の感情を倒すための、わしと女神の力を支えきれぬ」「……わかりました」「でもぉ、何で異世界に送っちゃうのぉ?」「それはのぉ、女神と負の感情が引かれ合い、復活が早まらないためじゃ」「では、我々はどうしたら良いのですか?」「お主らは、5つの魔道具を守りながら、時がくるのを待つのじゃ……。そして、魔物は人々への罰として残すことにする。すまんのう、アルキオン、モナソル。……後は頼む」「はい...
イルシオン | 2013.07.08 Mon 08:49
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