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迷いの森の騎士さま 第7話 森の魔物-4-

 私たちは、まだ少し蜘蛛の焼け焦げた気持ちの悪い匂いの漂う森を後にした……。       教会に戻ると、シスターたちは泣きながら、アネモネ様の帰りを喜んだ。  その後、私とルークさんがアネモネ様を助けたことと、私が魔導の姫と聞いたシスターたちは、神様の使いと拝み始め、大変だった。  その日は、シスターたちの進めもあり、私達は教会に泊めてもらうことになった。        ――次の朝。  私とルークさんがシスターたちの挨拶をすませ、教会を後にしようとしていると、アネモ...

イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:37

迷いの森の騎士さま 第7話 森の魔物-3-

「じゃあ、どうするの!?」 私は、ルークさんを助けなきゃと、必死であれこれ考えたけど、アルキオンに無理だと言われ、絶望しそうになった――その時だった!「ま……どう……の姫」 誰かが、私の袖を掴んだ。  振り返ると、アネモネ様が私に何か訴えようとしていた。「こ……これを……」 アネモネ様は、私に指輪渡してきた。「それは!? 姫、その指輪をしてください!」「うっうん」 私は戸惑いながらも、その不思議な模様の入った指輪をゆっくりとはめた。「っ!?」 すると、私の体がふわりと浮き上がる感じがして、血がめぐる...

イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:35

迷いの森の騎士さま 第7話 森の魔物-2-

        森の中は、太い糸のようなモノが木々のあちこちに引っ付き、森を暗くしていた。「この糸のようなモノは一体……」 ルークさんは、木々に引っ付いている糸を足元に落ちていた枝で取って確かめた。それは、ねばねばとした糸で枝についた糸が、糸を引いていた。  ルークさんは枝を捨てると、「先へ急ごう」と、森の奥へと進んだ。  私たちが奥に進むにつれて、どんどん太陽の光が届かないように太い糸が張りめぐらされ、辺りが暗くなっていく。「うわぁー!!」 突然、森の奥の方から誰かの叫び声...

イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:35

迷いの森の騎士さま 第7話 森の魔物-1-

      第7話 森の魔物      私達は、晴れ渡る空の下、川沿いを歩き、ブリズの村の次にある街との間にある、大教会を目指していた。  ブリズの村を出発する前、急にアルキオンが、今向かっている教会の方向から魔導具の力を感じると言い出して、私達は大教会に向かうことになった。      「何かあったのか?」 大教会が目視できる距離まで来た私達の耳に、教会の人たちの慌てているような、叫び声のような声が聞こえてきた。  私とルークさんは、教会まで走った。「シスタ...

イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:32

迷いの森の騎士さま 第6話 新たな誓い-4-

「俺はあの時、はづきに何かあったら奴らを殺していたかもしれない……。そして俺も、自分を今以上に許せなかっただろう」 ルークさんが、きつく手を握り、俯いた。「ルークさん……」 私を助けに来た時、ルークさんが怖かった理由が分かった気がした。  ルークさんは、私を浚った盗賊に殺意すら感じるほどに怒りを覚えていたんだ。そして同時に、ルークさんは自分自身に一番怒っていたんだ……。 でも、そんな自分を責めちゃう人だからこそ、私が「気にしないで」と言っても、自分を許せないだろう。  ……だったら!「ルークさ...

イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:30

迷いの森の騎士さま 第6話 新たな誓い-3-

   ――その後、ルークさんは盗賊たちを縛りあげ、村の人が呼んできた兵士さんに引渡し、私たちはキレイな夕日を見ながら、無事村へと帰った。  盗賊を退治してくれたことに、村長さんがすごく感謝してくれて、今日は村長さんの家に泊まることになった。  でも……、帰ってくる途中から今まで、ルークさんは一言も私に話しをしてくれない。確かに、そんなにおしゃべりな方ではないけど、何かがおかしい気がした。  私はその日の夜、思い切ってルークさんの泊まっている部屋に行くことにした。「緊張する……」 何故か...

イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:29

迷いの森の騎士さま 第6話 新たな誓い-2-

        あれから、どのぐらい時間がたったのだろう?  時計という物がないこの世界で時間の感覚を図るのは、太陽と月の光だけだった。それなのに、こんな暗い場所にずっと閉じ込められてたら、より時間の感覚がなくなっていく。  アルキオンは、部屋にあって今ここにはなくて、ルークさんもいない……誰も助けてくれる人がいないこの状況。 私は不安で心細かった。  そんなことを思って時だった。  遠くの方から、人の話声と足音が聞こえてきた。  私は、ルークさんが助けに来てくれたと...

イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:28

迷いの森の騎士さま 第6話 新たな誓い-1-

 第6話 新たな誓い        窓のカーテンの隙間から、太陽の光がこぼれ、私はその眩しさに目を覚ました。「ん……」 私は背伸びをすると、ベットの上から辺りを見渡した。「そっか、旅に出たんだっけ私たち……」  私とルークさんは、昨夜の内に隣の村であるブリス村まで着き、宿に泊った。  最初、宿のおじさんが変な気を利かせて相部屋にしようとしたけど、ルークが真っ赤な顔をして別々にするよう怒ったため、とりあえず私たちは別々の部屋に泊ることができた。「……なんだか、まだ眠い...

イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:27

迷いの森の騎士さま 第5話 夢と旅立ち-3-

 私は、ルークさんにかわいいと言われて、全身の体温が上がるのが分かった。顔が赤くなるのが分かった私は、急いで下を向いた。「どうした、はづき?」「なっなんでもないです!」 私は慌てて、ルークさんに背を向けた。 ルークさんは、サラッとかわいいとか言ったくせに、何で私が恥ずかしがっているかが、分かっていない感じだった。「とりあえず、椅子に座れ。立ったままだと辛いだろう?」 ルークさんは、私の手を引き、ふかふかのいかにも高級そうな椅子に座らせてくれた。  ルークさんは、さっきまでいた机の椅子に腰掛...

イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:26

迷いの森の騎士さま 第5話 夢と旅立ち-2-

「ありがとうございます」 私は、ルークさんの優しさが嬉しくて、にっこり笑った。「いや、このぐらいいいんだ。心の準備もあるだろう? 俺は騎士団の館にいるから、準備ができたら侍女に連れてきてもらうといい」 ルークさんは、それだけいうとさっさと、私の前から逃げるように歩き去った。  少し、顔が赤かったのは気のせいかな?「とりあえず、私は準備をしよう!」 私は、部屋の扉を閉め、旅の準備に取りかかった。        汗臭い室内、大勢の男の人の視線を集めながら、私はお手伝いさん――いや侍女...

イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:24

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