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第14話 雪の民、獣と人 「次の魔道具は雪で閉ざされし北の地、ユロイスにある」 私たちは、アルキオンのその言葉を頼りに、オルディアル王国やリエダフ国から遥か北にあるユロイスに足を踏み入れていた。 お城で防寒具も貰い、ユロイスまで徒歩でも馬で船でもいけないからと、王宮の皆さんの反対を押し切り、ヴァルト王子が移動魔法で一瞬でユロイスまで飛ばしてくれた。 そして、ヴァルト王子も一緒に同行することになった。 やっぱり魔法は、しみじみ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 21:00
「はづき、私は君のことを愛しているんだ……」 ヴァルト王子の愛を告げる言葉に、俺の心は飛び跳ねた。 そして、凄く嫌な気分……何とも言えない、胸を締め付けられるような感じがした。 はづきは、何と答えるのだろうか? そればかりが、頭の中を駆け巡る。 聞き耳をすませていると、はづきは了承はしなかったが、凄く戸惑っているようだった。 俺は左手でうるさい胸を押さえながら、静かにその場を離れた。 いつの間にか、自分の部屋の前まで来ていた俺は部屋に入り、そっと...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:58
第13話 本当の想い 俺は、はづきの部屋から出て、早足に自分の部屋へと向かった。 ――俺は、あの時一体何を言おうとしたんだ? はづきは、魔導の姫。世界を救う存在。 異世界の少女で、何も戦うすべもなく、守るすべもない彼女を守って、世界を救うのが俺の役目であり、責任だった。 ……なのに、何なんだこの気持ちは?「それは、愛ね」 俺が部屋でふさぎ込んでいると、ふっと聞き覚えのある声が聞こえた。「お前は!?」 俺の目の前には、はづきとの出会うきっか...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:57
「あの……もう大丈夫ですから、ヴァルト王子」 私が苦笑いすると、ヴァルト王子は首を振り「大丈夫じゃない!」と、怒られた。「私が、どれだけ心配したか分かっているのかい?」 ヴァルト王子は跪いて、私の手を握り、目を真っ直ぐ見てきた。「はづきが、もう目を覚まさないのではないかと、どれだけ胸を痛めたか……」 ヴァルト王子は、私の手を握ったまま、自分の額に当てた。「はづき、私は君のことを愛しているんだ……」 ……えっ? 愛してる?「まままっ待ってヴァルト王子! そんな冗談やめてください!」 私は、ヴァルト王子...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:56
私がにっこり笑うと、ルークさんは釣られて一瞬笑い、そして急に真面目な顔になり、私の両手を自分の手で包んだ。「はづき。この戦いが終わったら俺と……」「大丈夫ですか、はづき!!」 丁度そこへ、アネモネちゃんが勢いよく、息を荒げながら入ってきた。 ルークさんは、その瞬間手をサッと引き、立ち上がった。「アネモネ様、丁度良い所に。俺は席を外すので、はづきをお願いします」 そういうと、ルークさんはさっさと部屋を出て行ってしまった。 アネモネちゃんは、そんなルークさんに首を傾げつつも、彼の座って...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:55
第12話 謎の夢、秘密、告白 ――気分が悪い。 何も見えない、暗い暗い場所に私はいた。 何も考えられず、ただ体が重く、気分が悪い――いや、イライラする。 このもやもやを発散したい。 あぁ、誰かを傷つけたい。 あぁ、誰かを泣かせたい。 あぁ、全ての人が不幸になればいい!! ……そうよ。 皆不幸なればいい。 皆いなくなればいいのよ。 ……私に不幸を押し付けた人間達など!! 「ヤメテ!!」 私は、ベッ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:54
「さぁ、その玉をお取りください」 リコプスさんの言葉通り、私はその不思議な球体を、そっと手の平で受け止めた。 すると、光は剣と盾に姿を変え、私の足元にそっと落ちた。「姫、それはイルミナルの剣とトルースの盾です」 今度は、剣と盾。 でも、剣と盾なんて私には使えないよ……。 私がそう思いながら、何となく剣に触ると、頭にキーンという甲高い音が響いた!! 私は訳の分からないまま、その場で意識を失ってしまった――。つづく。。。JUGEMテーマ:ファンタジー小説 ↓1ポチお願いします↓にほん...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:52
私が顔を上げると、私の目の前にヴァルト王子の背中があった。「だが私は、父上を超える王になり、リコプス様の言う、エルフとダークエルフが仲良く暮らしていた昔を取り戻したい! だからお願いです。今だ少し、私が一人前になるまでお力をお貸しください父上!」 ヴァルト王子は、跪き頭を下げた。「エルフの王よ。我らダークエルフ一族は、エルフを傷つけないとここに誓いましょう。その証を見せるため、私がこの城に一人で残ります。そして、ダークエルフ達が手を出さなければ、貴方は私達を信用してくれますか?」 テネアさ...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:51
第11話 和解 リエダフ王国城――会見の間。 ヴァルト王子、テネアさん、リコプスさん、ルークさん、アネモネちゃん、そして私が王様の座る王座の前に揃って、膝をつき頭を下げていた。 兵士さんたちは、ダークエルフのテネアさんを見て、ざわざわと動揺しているようだった。「詳しくは、王子より聞いておる。魔導の姫様、精霊王リコプス様……そして、テネアよよくぞ参った」 王様は、ヴァルト王子から今回のことを聞いているせいか、落ち着いてはいたけど、テネアさんをまだ良く...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:50
混乱してる様子のテネアさんに、私はゆっくりと言葉は下手だけど、ヴァルトさんの想いを伝えた。 ヴァルトさんが、ダークエルフを憎んでないこと。むしろ、、ダークエルフさんに助けられたことを感謝して、和解をずっと望んでいたこと。 テネアさんは、私の話に最初は何度も何度も驚きを見せてたけど、次第に嬉しそうな顔をした。「そうですか。私が生きている間に、魔導の姫様と出会え、そしてエルフとの和解まで……こんなに幸せなことはございません」 テネアさんは、さっきまで険しくしていた顔から想像できない...
イルシオン | 2013.05.26 Sun 20:49
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