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JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの リーン・・・。 リーン・・・。 遠くのほうから鈴の鳴る音が近づいてくる。 何? 急に不安がこみ上げて私は持っているバックの紐をぎゅっと握り締めた。音はだんだん近づいてくる。 来る! そう思ったとき、運命の扉は開けられていた。 ☆ 「フィオナ・・・フィオナ・・・フィオナ姫」 なぁに? 誰を呼んでいるの? ぼんやりとした意識の中が覚醒してゆ...
やりなおしアリス | 2017.03.26 Sun 22:19
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「ふぅ」 と未沙はため息をついた。 クリスとの楽しい成長の勉強は滞りなく終わり、若い男性のもとに一人いるのはいけないとクリスはこの家を未沙に与えた。その時にふっとよこぎったさびしげな色に気がかりではあったが。 そして今日、関係者を集めてガーデンパーティをするのだ。 シャーロック夫妻にワトソン博士。そしてマイクロフト。限られた人数だがこれが未沙が知っている全世界での人間だった。 ...
やりなおしアリス | 2017.03.25 Sat 23:30
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 彼の腕の中で彼女は眼を覚ました。というよりこの世に覚醒した。 人工羊水に成長促成剤。彼女に親はいない。一人の女性の遺伝子から生まれた。そう。クローン技術。未だもって禁止事項の科学である。そして誰もが夢見た遠い世界への旅路。コールドスリープの被験者成功例である。 クリス・エドワード・ワトソンはあらわになっている肌にそっと毛布をかける。だが彼女にそれが恥ずかしいことなのだとはまったく思わなかった。なぜなら彼女には成長に付随するであろ...
やりなおしアリス | 2017.02.27 Mon 06:22
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 暗い部屋、私はそこにずっと座っていた。夜が来れば休み、朝がくれば起きる。そんな当たり前をこなすのは苦にもならなかった。機械的に日常を送る。でも明るい日の光の当たる世界に戻るつもりはなかった。カーテンで部屋を締め切り私はそのうすぐらい部屋にずっとすわっていた。 ドアをノックする音が聞こえた。どうぞ、と声をかける。どうせいつものようにマイクロフトなのだから。 「シャーロックから君へのプレゼントだ」 「何を持ってきても気持ちは変わら...
やりなおしアリス | 2017.02.27 Mon 00:14
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの まぶたを開けると白い四角い天井が飛び込んできた。最初に監禁されたときと同じような部屋だ。 研究所ってみんなそうなのかしら? 少し面白く思いながらも今度はご丁寧にベッドご招待されていた。体も自由だ。だが、窓はない。相変わらずドアがひとつだけだ。ふとみじろぎした拍子に手首が痛んだ。 縄抜けで手首を怪我したんだっけ。 今度は何をされるのだろう? 漠然とした不安がつきあげてくる。 「やぁ、お姫様...
やりなおしアリス | 2017.02.26 Sun 21:51
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「シャーロック?」 書斎でぼんやりと外を眺めていた夫に私は声をかけた。苦しげな顔をしている。 「病院で何かあったの? それとも・・・」 「いいや」 彼は私の唇に人差し指を当てながら制する。 それじゃぁ、なんでこんな暗い顔をしているの? 結婚してからだんだんとシャーロックの顔にかげりが増え始めていた。 それに一向に抱いてもらえない。時折熱い視線で私を見るのに指一本触れない。 私は愛されていないの? 漠然...
やりなおしアリス | 2017.02.20 Mon 23:10
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの うふふ、と私は笑った。テーブルの向こうで夫がどうした?、と視線で尋ねてくる。 「ないしょ」 私はわざと気持ちを隠して食器を持ってテーブルをたった。 これが幸せでなくてなんだろう。優秀な外科医シャーロックにプロポーズされたときは本当に天地がひっくり返るかと思うほど驚いた。でも私はもう彼の虜になっていたからすぐに承諾した。それから幸せな新婚生活を満喫している。 現在は三十世紀。そして歴史の違う地球。日本の本能寺の変もなければ第一次世...
やりなおしアリス | 2017.02.13 Mon 22:23
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 女王は慈愛に満ちた目でエドウィンを見つめた。手にはなにか小さな箱がある。 「エドウィンこちらへ」 エドウィンはいつものように近づくと膝づいた。 「もうそれはいいのですよ。もうすぐ引き継ぎの儀式が行われます。私たちは普通の姉弟になるのです」 そういって女王はエドウィンの手を取って立たせた。そして一族に伝わるという指輪が入っている小箱を手渡した。 「早くあの子にはめてあげなさい」 エドウィンは感謝の視線を女王にむけると後ろの方でぼーっと...
やりなおしアリス | 2017.02.13 Mon 16:53
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 薄靄の中をゆいるは彷徨っていた。見覚えのない風景だがどこかで知っている不思議な空間だった。妙に懐かしい気持ちを覚えながら歩く。しばらくして空間が開けた。そこには一頭の白い獅子がいた。 「ライオン?」 『ゆいるちゃん。惑わされないで。あれは地獄の番犬ケルベロスだよ』 「ケルベロス?」 ゆいるは不思議そうにつぶやく。すると三つの顔を持った大型犬に変わった。まがまがしい気配が辺りを支配する。 『よく見破ったな。聖なる者よ。私が悪しき者だ。先代の挑戦...
やりなおしアリス | 2017.02.11 Sat 20:03
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 伊勢ツアーも無事終わり、そろそろ受験シーズンに差し掛かるころ子松はまた部員に招集をかけた。 「今度は何ですか?」 もうお手上げな子松の暴走に松島がため息をつく。 「熱田神宮に行くぞ」 「秋に伊勢神宮に行ったばかりじゃないですか」 またも松島がつっこむ。 「それとこれは別の話だ。我々には使命がある。これはその通過点だ」 「神道と民俗学にどんな関係が・・・」 ひ弱な声で関口が口をはさむ。 「欠席の了解はすべてとってある。...
やりなおしアリス | 2017.02.11 Sat 20:02
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