[pear_error: message="Success" code=0 mode=return level=notice prefix="" info=""]

JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの スーザン・ステュアート伯爵ことセアラはただうつろな瞳でその場に立っていた。夜の闇の元での明るい夜会風景。いつ来ても不愉快な集まり。 口を開けば誰かの噂か政治的陰謀を計る会話ばかり。表面上は害の無い会話でも隠喩と暗喩をこめた会話には腹黒い思惑がひしめいていた。 虚飾に満ちた世界。 ぺちゃくちゃと話すつもりはセアラには毛頭無かった。もう少しいれば、面目は立つだろう。それまでテラスで過ごそう。 セアラはシンプルなイブニングドレスを翻してテラ...
やりなおしアリス | 2017.04.18 Tue 23:33
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「誰?!」 しかし、言われなくてもわかっていた。体が覚えていた。見覚えのある感触。 サランだ。 「やめて・・・」 抵抗も大して力にならなかった。ただ本当はこうしてほしかった。サランにやさしくしてほしかった。無駄なわがままだと知りつつも。ただ一人、私を優しく受け入れてくれた人。パパとして慕っている人以外の他人にこうして受け入れてくれた人はいなかった。 「サラン・・・」 名を呼びながら玲音は涙を流す。 「屋上に戻ろう。...
やりなおしアリス | 2017.04.17 Mon 00:11
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの さんざん話を聞かれて、サランはげんなりとして部屋へ戻った。しがないアパートの一室だ。自分が暮らしていた国の部屋の広さに比べたらどんなにせまいことか。だが、このこじんまりした部屋が好ましかった。大勢の人々にかしずかれる必要もない。 ふぅ、とため息をついてサランは上着を脱いだ。 今は冬だ。吐く息が白い。サランは空調のスイッチを入れた。 と。 ふと部屋がぐにゃりと、とゆがんだ気がした。 何が...
やりなおしアリス | 2017.04.17 Mon 00:05
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 屋上でサランはいらいらと歩き回っていた。数日たっても何の変化もない。普通の会社員として猫をかぶっているところだ。野村は一人暮らしだったようだ。几帳面に片付けられた部屋にサランはほっとしたものだった。男が一人で暮らすとごちゃごちゃものがちらがっている気がしたからだ。玲音の社会へもなんなく適応できた。玲音が簡単に説明しただけでほとんど理解した。一を知れば十を知る、である。 だから現代社会での生活には問題がなかった。だが、この一週間といえば野村...
やりなおしアリス | 2017.04.08 Sat 00:17
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 玲音がいやだというのにサランは抱きかかえたまま宮殿の中をずんずん歩いた。やがてフィオナの部屋につくと乱暴にドアを開けてベッドに向かった。放り出されるかと思いきや寝かされるときはこれ以上ないぐらい優しくおろされた。 「宮殿のみんなが見ていたじゃないのっ」 先ほどの悲しい気持ちはどこへやら。玲音は猛然と反論した。 「婚約者同士なのだから今更問題はないだろう。このまま結婚式を挙げてもおかしくないのだからね。とに...
やりなおしアリス | 2017.04.06 Thu 19:17
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 早速、メモリーは行動に移した。ミリを自宅マンションに連れて行くとマヒトやアリスを護衛に着けた。外ではロバートが張り込んでいる。ミリは緊張しきりだ。 「あ・・・。あの。マヒトさん・・・。近いんですけど・・・」 ミリが遠慮がちに言うとつっけんどんな返事が返ってきた。 「悪いか?」 「いえ・・・。悪くはないですけど・・・」 「はっきりいえ。恋人なんだ。一緒にいてもおかしくはない」 「って・・・。マヒトさん。本気で私を?」 「何度言えばわかるん...
やりなおしアリス | 2017.04.02 Sun 15:06
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの エミリーが玲音の髪をすく。 何度も何度もすく。亜麻色の髪の毛はそのたびにつやを増していく。 「まぁ、姫様、きっとこれならサラン様もご満足なさいますわ」 どこを聞いてもサラン、サラン。あの人のどこがいいのやら。玲音はうんざりする。が、頼らざるを得ないのも事実だ。ここのところ、サランにこの世界のことを教えてもらっていた。 この世界は「ルート」と言う。レイディンという大きな大陸に国々がひしめき合っている。この国はライリという。サランの国...
やりなおしアリス | 2017.03.27 Mon 13:32
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの リーン・・・。 リーン・・・。 遠くのほうから鈴の鳴る音が近づいてくる。 何? 急に不安がこみ上げて私は持っているバックの紐をぎゅっと握り締めた。音はだんだん近づいてくる。 来る! そう思ったとき、運命の扉は開けられていた。 ☆ 「フィオナ・・・フィオナ・・・フィオナ姫」 なぁに? 誰を呼んでいるの? ぼんやりとした意識の中が覚醒してゆ...
やりなおしアリス | 2017.03.26 Sun 22:19
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 「ふぅ」 と未沙はため息をついた。 クリスとの楽しい成長の勉強は滞りなく終わり、若い男性のもとに一人いるのはいけないとクリスはこの家を未沙に与えた。その時にふっとよこぎったさびしげな色に気がかりではあったが。 そして今日、関係者を集めてガーデンパーティをするのだ。 シャーロック夫妻にワトソン博士。そしてマイクロフト。限られた人数だがこれが未沙が知っている全世界での人間だった。 ...
やりなおしアリス | 2017.03.25 Sat 23:30
JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの 彼の腕の中で彼女は眼を覚ました。というよりこの世に覚醒した。 人工羊水に成長促成剤。彼女に親はいない。一人の女性の遺伝子から生まれた。そう。クローン技術。未だもって禁止事項の科学である。そして誰もが夢見た遠い世界への旅路。コールドスリープの被験者成功例である。 クリス・エドワード・ワトソンはあらわになっている肌にそっと毛布をかける。だが彼女にそれが恥ずかしいことなのだとはまったく思わなかった。なぜなら彼女には成長に付随するであろ...
やりなおしアリス | 2017.02.27 Mon 06:22
全349件中 141 - 150 件表示 (15/35 ページ)